オカルトチックな話ではありません。
世界全員に関わる“いまそこにある危機”の話。
「マヤ-天の心、地の心-」70点★★★★
マヤ歴によると2012年12月21日に
人類は滅びると言われている。
しかし、本作は予言とかオカルトな話ではなく
自然に畏敬の念を払いながら
「この地球に住まわせてもらっている」という思いを持って生きている(素晴らしい!)
現代マヤ人たちの暮らしを描くドキュメンタリー。
まず
メキシコのチアバス州と、グアテマラに暮す
現代マヤ人たちの生活が紹介される。
色鮮やかな民族衣裳やビーズ、
神聖な儀式、
そして豊かな自然の風景――特に湖に浮かべたカヌーが
静かに湖面を滑る美しさは格別!
しかしそんな暮らしのなか、
次第に開発で枯れ果てた山林の様子も見えてくる。
彼が語る差別や虐殺の歴史は衝撃的だし、
そして……ここでも出た!悪徳企業モンサントの悪事!(失笑)
(「モンサントの不自然な食べもの」参照)
そうした現実を訥々と映しています。
この映画が描くのは
こうしたマイノリティの悲鳴は
我々人間全体に及ぶものなのだ、という深刻なメッセージ。
なのに
なぜ、気づかない?――という警告でしょう。
マヤの聖書の文言は
まさに現代社会の真理をついている。
「神は人間が賢くなりすぎたので、人間の目を曇らせた。
だから人間は近くのものしか見えなくなった」
……原発の未来も、環境破壊の結果も、
“賢いはずの”人間にまったく見えなかったのだ。
しかもまだ見えていない模様。
少し考えればわかることなのに。
なんたるアホ?なんたる傲慢。
今こそ人間は目をかっぽじって・・・ん?いや
目を見開き、耳をかっぽじって
自然にも動物にも他者にも謙虚さを持たねばならない、とつくづく。
★10/6から渋谷アップリンクで公開。
「マヤ ―天の心、地の心―」公式サイト