いいのか、悪いのか
泣きませんでしたねえ。
「ツナグ」59点★★★
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ごくフツーの高校生に見える
歩美(松坂桃李)。
だが彼は
死者と生者をつなぐことのできる
“ツナグ”と呼ばれる能力を持つ、一族の末裔。
いまは
祖母(樹木希林)から、その力を受け継ぐかを迷いながら
“ツナグ”の見習いをしている。
そんな彼のもとに
母に会いたいという男(遠藤憲一)や
親友に会いたい高校生(橋本愛)
失踪した恋人を7年も待ち続ける男(佐藤隆太)らが依頼にやってくるが――。
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死者に会えるチャンスは一生に一度だけ。
しかもツナグが相手に
「ぽつおさんが会いたがってるんですけど、会いますか?」とお伺いを立てて、
相手が「会いたくない」と言えば会えないという
なかなかゾッとする(笑)ルールがミソ。
ファンタジーだ何だというより先に
さあ、自分なら誰に会うかな、
もったいなくて一生使わなそう、とか考えましたねえ。
この設定を「ばかばかしい」とか思わずに
すんなり、そう考えられたのは
「梅ちゃん先生」松坂桃李氏の実直そうな佇まいと、
祖母役の樹木希林さんのひょうひょう加減が醸し出す
不思議なリアリティのたまものでしょう。
“大切な人の死”という
重い素材を扱っているのに、
悲しみを煽るわけではないので
泣くこともなく、よくも悪くもサラッとしてました。
3つのエピソードのうち、
橋本愛の役と内容が重いだけに、
ほか二つはいまひとつな感じ。
佐藤隆太のエピソードとか
もっと展開できるでしょ?という
もったいなさもあった。
主人公の両親の死の理由も
すぐに見当がついてしまうしなア。
もうちょっと話が練られていてもいいですねえ。
あとテンポがゆっくりなのはいいんですが、
それゆえに長い、のは勘弁してほしい。
それでも
樹木希林さんの古布っぽい衣装や、
民藝感溢れる調度や、食器などが
いい味出してて好みでした。
なんか、続編ができそうな予感・・・。
★10/6(土)から全国で公開。
「ツナグ」公式サイト