ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

情熱のピアニズム

2012-10-07 17:13:58 | さ行

世の中にゃスゴイ人が
まだまだいるもんです。

「情熱のピアニズム」68点★★★☆


全身の骨が砕けた状態で生まれ
“骨形成不全症”という障害を持ちながら

しかし類い稀な音楽の才能に恵まれたピアニスト
ミシェル・ペトルチアーニの人生を描くドキュメンタリー。

彼は30枚近くのアルバムを出していて、
確かにどれか、CDジャケットを見た記憶はある。

でも
そんな障害を持った人だとは
全然知りませんでした。


身長1メートルに満たない彼は、
1962年、フランス生まれ。

音楽好き一家に囲まれ、幼くしてピアノの才能を発揮。
9歳でプロと競演し、その後デビュー。

“障害のあることなんて気にさせない”才能っぷりで
年間200もの公演をこなす売れっ子になった・・・という話。


天賦の才に加え、
彼のテクニックは、骨が軽いことで可能になる超高速の連打と、
独特のタッチだそう。

でもものすごく力強く弾くために、
演奏中に骨が折れることもざらだったんだって。痛・・・

すごいなあ。

さらに
「人より長くは生きられない」と生まれたときから
知っていたのでしょう。

天性のチャームを発揮し、女性にエラモテ(笑)
大勢の女性を愛し、子までなしてるのもすごい。

ドキュメンタリーとしての構成は時系列パターンでいたってフツーなので
いい音楽も相まって
ついつい睡魔にも襲われましたが

こういう人がいたんだ、という驚きと
障害なんて関係なく
聴いて「あ、いいな」と思える音楽に溢れた103分でした。

あと
プレス資料が凝っててカワイイ!



★10/13(土)からシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開。

「情熱のピアニズム」公式サイト
コメント
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