(2017年10月1日放映と、まだ1ヶ月ほどしか経過していないが、“2時間サスペンス メモ”の範疇に入れたくなる内容)
【番組サイトの紹介文の冒頭】
司法試験に合格した修習生たちが、裁判官や検事、弁護士を目指して共に学ぶ“司法研修所”。その検察教官を務める穂高美子(水野真紀)は、修習生たちと真剣に向き合ってきた。(第5回では「東京地検から異動してきた優秀な検事で、講義の厳しさから修習生たちには“タカビー”と名前の一部をとったあだ名をつけられていた」という一文が記されていたが、省略。私も何回か見てきたが、“タカビー”と揶揄されるほどの印象はなかった)
このドラマの大きな特徴は、講義の例題となる“白表紙”劇。
過去の事例の固有名詞(個人名や地名)を伏せた寸劇。“茶番”と呼びたくなるほどのデフォルメ(わざとらしい演技)だが、『親族による犯罪に関する特例』の事例として“親族相盗例”を分かりやすく解説してくれている(都合よく真相解明のヒントになることが多く、今回のテーマの“犯人隠避”“証拠隠滅”に繋がった)。過去には「“傷害罪”と“暴行罪”の違い」(その他いろいろあったが詳細は忘れました)など刑事ドラマ視聴の参考になる事例が多い。
このように特殊なケースに入り込むかなりの意欲的なドラマである。さらに、事件を二重三重構造にして、ミステリー度を高めている。
しかし、頑張り過ぎて、肝心な点で無理が生じていることが多い。今回の件では、
①事件の容疑者・橋本めぐみが庇っていた弟は、実は別人が成りすましていた。この辺りで留めればよかったのに、さらに容疑者もめぐみに成りすましていた。……やり過ぎである。
②めぐみに成りすましていたのは西川理沙でめぐみの親友。ふたりがハイキング中、突風に遭いめぐみが転落死。……ここまでは良いとして、咄嗟に彼女の意志(弁護士になる)を継いで彼女に成りすますことを決意。自分の持ち物を残し、彼女の持ち物を持ち去った。
理沙は将来に明るい展望を持ってはいなかったが、自分の身分を捨てて他人に成りすまさなければならないほど困窮していなかった。亡くなっためぐみは、普通の女子学生で知人が多いので、成りすますのは困難である。
このドラマで一番気になったのは、主演の水野真紀さんの話し方。
法律を教える司法教官という立場を意識してか、やたら、話し方が重々しい。片平なぎささんを思い出す。片平さんの話し方が悪いと言っているのではなく、水野さんの話し方が“芝居がかり過ぎ”と感じるのである。
過去の同シリーズのレビュー
『司法教官・穂高美子3』
この時は出来が散々だったようだ。
【ストーリー】番組サイトより
司法試験に合格した修習生たちが、裁判官や検事、弁護士を目指して共に学ぶ“司法研修所”。その検察教官を務める穂高美子(水野真紀)は、修習生たちと真剣に向き合ってきた。しかし、美子が指導を担当し、昨年卒業したばかりの新人弁護士・橋本めぐみ(上原多香子)が、殺人容疑で逮捕された。被害者はフリーライター・金森奈緒子(楊原京子)で、めぐみは現場付近の公園に凶器のナイフを捨てるところを、捜査中の刑事に発見されたらしい。めぐみは犯行を認めたが、「カッとなって刺した」と計画性を否認しているという。
弱い人々を救いたいという信念を持ち、あえて町の小さな弁護士事務所に就職しためぐみが、衝動で人を殺すなど信じられない…。何か事情があるのではと思った美子は急きょ接見するが、めぐみは「本当の私のことなんて何も知らないくせに。放っておいてください!」と美子の介入を拒む。
“本当の私”とは、いったいどういう意味なのか…!? 彼女にはウラの顔があったのか…!? 確かに、めぐみは修習期間中も自分の事を話したがるタイプではなかった。疑問を感じた美子は、民事担当教官の弁護士・小宮譲(筧利夫)と共に調査を開始。現場近くの防犯カメラを確認したところ、犯行時刻に不審な男が走り去っていることがわかった。
美子たちは、めぐみが同棲中の恋人をかばっているのではと推測。再度めぐみを直撃するが、彼女は「嘘はついていない」と反発する。めぐみの言葉に、“起訴されない自信”を感じた美子は、事件の真相を追う中で、めぐみが法を悪用していることに気づき…!?
脚本:小峯裕之
監督:伊藤寿浩
【番組サイトの紹介文の冒頭】
司法試験に合格した修習生たちが、裁判官や検事、弁護士を目指して共に学ぶ“司法研修所”。その検察教官を務める穂高美子(水野真紀)は、修習生たちと真剣に向き合ってきた。(第5回では「東京地検から異動してきた優秀な検事で、講義の厳しさから修習生たちには“タカビー”と名前の一部をとったあだ名をつけられていた」という一文が記されていたが、省略。私も何回か見てきたが、“タカビー”と揶揄されるほどの印象はなかった)
このドラマの大きな特徴は、講義の例題となる“白表紙”劇。
過去の事例の固有名詞(個人名や地名)を伏せた寸劇。“茶番”と呼びたくなるほどのデフォルメ(わざとらしい演技)だが、『親族による犯罪に関する特例』の事例として“親族相盗例”を分かりやすく解説してくれている(都合よく真相解明のヒントになることが多く、今回のテーマの“犯人隠避”“証拠隠滅”に繋がった)。過去には「“傷害罪”と“暴行罪”の違い」(その他いろいろあったが詳細は忘れました)など刑事ドラマ視聴の参考になる事例が多い。
このように特殊なケースに入り込むかなりの意欲的なドラマである。さらに、事件を二重三重構造にして、ミステリー度を高めている。
しかし、頑張り過ぎて、肝心な点で無理が生じていることが多い。今回の件では、
①事件の容疑者・橋本めぐみが庇っていた弟は、実は別人が成りすましていた。この辺りで留めればよかったのに、さらに容疑者もめぐみに成りすましていた。……やり過ぎである。
②めぐみに成りすましていたのは西川理沙でめぐみの親友。ふたりがハイキング中、突風に遭いめぐみが転落死。……ここまでは良いとして、咄嗟に彼女の意志(弁護士になる)を継いで彼女に成りすますことを決意。自分の持ち物を残し、彼女の持ち物を持ち去った。
理沙は将来に明るい展望を持ってはいなかったが、自分の身分を捨てて他人に成りすまさなければならないほど困窮していなかった。亡くなっためぐみは、普通の女子学生で知人が多いので、成りすますのは困難である。
このドラマで一番気になったのは、主演の水野真紀さんの話し方。
法律を教える司法教官という立場を意識してか、やたら、話し方が重々しい。片平なぎささんを思い出す。片平さんの話し方が悪いと言っているのではなく、水野さんの話し方が“芝居がかり過ぎ”と感じるのである。
過去の同シリーズのレビュー
『司法教官・穂高美子3』
この時は出来が散々だったようだ。
【ストーリー】番組サイトより
司法試験に合格した修習生たちが、裁判官や検事、弁護士を目指して共に学ぶ“司法研修所”。その検察教官を務める穂高美子(水野真紀)は、修習生たちと真剣に向き合ってきた。しかし、美子が指導を担当し、昨年卒業したばかりの新人弁護士・橋本めぐみ(上原多香子)が、殺人容疑で逮捕された。被害者はフリーライター・金森奈緒子(楊原京子)で、めぐみは現場付近の公園に凶器のナイフを捨てるところを、捜査中の刑事に発見されたらしい。めぐみは犯行を認めたが、「カッとなって刺した」と計画性を否認しているという。
弱い人々を救いたいという信念を持ち、あえて町の小さな弁護士事務所に就職しためぐみが、衝動で人を殺すなど信じられない…。何か事情があるのではと思った美子は急きょ接見するが、めぐみは「本当の私のことなんて何も知らないくせに。放っておいてください!」と美子の介入を拒む。
“本当の私”とは、いったいどういう意味なのか…!? 彼女にはウラの顔があったのか…!? 確かに、めぐみは修習期間中も自分の事を話したがるタイプではなかった。疑問を感じた美子は、民事担当教官の弁護士・小宮譲(筧利夫)と共に調査を開始。現場近くの防犯カメラを確認したところ、犯行時刻に不審な男が走り去っていることがわかった。
美子たちは、めぐみが同棲中の恋人をかばっているのではと推測。再度めぐみを直撃するが、彼女は「嘘はついていない」と反発する。めぐみの言葉に、“起訴されない自信”を感じた美子は、事件の真相を追う中で、めぐみが法を悪用していることに気づき…!?
脚本:小峯裕之
監督:伊藤寿浩