英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『攻防!打ち歩詰』 中田章道七段作 解答

2011-08-22 18:41:13 | 詰将棋
8月15日記事『攻防!打ち歩詰』 中田章道七段作の解答です。

 今回は、大筋は一本道なのですが、手順のアヤがやや複雑なので、私の思考過程をそのまま再現してみます。

 まず、打ち歩詰の初形。打ち歩詰の回避方法はいくつかあります。
①攻め駒を弱くして、歩を打っても詰まないようにする
②守備駒を呼び込んで歩を打てるようにする(呼び込んだ守備駒で歩を取れるようにする)
③守備駒を動かして、玉の逃げ道を作る
 などが考えられます。
 ①②③に共通すること……と言うよりは、攻め駒を捨てれば、①~③のどれかの効果が表れます。
 というわけで、取りあえず駒を捨ててみましょう。この時に気をつけることは、上部の押さえになっている駒は捨てないようにすることです。(本作の場合は2六の銀)
 で、捨てる駒は龍か桂となります。強力な龍を捨ててしまうこともけっこうあるのですが、取りあえず桂を捨ててみたくなります。▲1三桂成△同香(第1図)となった時、1六の角が龍の引き場所の3四に通ってきます。

 実戦の場合は「しまった!」となるところですが、詰将棋、特に打ち歩詰回避のばあいは「よし」です。ちなみに、初手▲1三桂成に△同玉には▲2二龍寄△1四玉▲1一龍△1三合駒▲1五香まで。

 さて、△1三同香には、ここぞとばかり▲3四龍(第2図)と角の利きに引きます。

 これを△3四同角(変化図)なら

 ▲1五歩と打ちます。この時、龍を捨てた効果で玉が2四に逃げられるので打ち歩詰にならず(打ち歩詰回避テクニック①)、△2四玉に▲3六桂で詰みます。
 ただ、ここで残念なのは、△3四同角に▲3四同龍としても詰んでしまう点です。(▲3四同龍△2四合駒に▲2五角で詰み)

 とにかく△3四同角としては早詰みなので、△2四歩(第3図)と踏ん張ります。実戦なら、2四には合駒を打つことをまず考えますが、詰将棋の場合は何となく軽く歩を突いた方が良いことが多い気がします。

 この局面の場合は、詰み筋が見えてきますよね。この詰み筋なら2三の地点は何もない方が良いのです。
 とにかく第3図を見てみると、玉方の踏ん張りで依然打ち歩詰です。そこで打ち歩詰回避テクニック②を駆使します。それが▲2三龍引!これには△2三同桂の一手ですが、これにより▲1五歩(第4図)が可能になります。(この場合の1五歩は直接玉を追い詰めると言うより、同桂と取らせ逃げ道封鎖する意味合いが強い)

 龍捨てによって桂が2三に呼び込まれたので、△1五同桂(第5図)と取ることができ打ち歩詰にはなりません。

 あと少しですね。残る持ち駒は桂馬。第5図でこの桂を2六から打てれば詰みます。今まで上部の押さえの駒で頑張っていた銀ですが、皮肉なことに、ここに至っては邪魔駒と化しています。そこで、泣く泣く?▲2五銀と捨てます。△2五同角の一手に▲2六桂で詰み上がります。
 ちなみに、第3図の△2四歩のところで合駒を打つと、▲2三龍引の時、歩が手に入るので、詰上がりの時、歩が余ってしまいます。玉方は最善で逃げるという決まりなので、駒が余らないでギリギリ詰むように逃げるのが正解です。

 めでたし、めでたし。

 ただ、ここで気になるのは、初手▲1三桂成。
 △3四同角(変化図)が早詰めになるのなら、初手の意味は?
 とにかく、初手を入れずに進めてみましょう。
 ▲3四龍△2四歩▲2三龍引△同桂▲1五歩△同桂(変化図2)と進みます。

 ここで▲1三桂成△同香なら正解手順(第5図)に戻りますが、△1三同玉で詰みません。
 初手で何となく捨てた桂捨て(▲1三桂成)は、△1三同香とさせて玉を狭くする効果があったわけです(このタイミングでないとダメ)
 詰将棋的思考で初手の計の成り捨てを考えたのですが、実戦の間隔で初手▲3四龍の手順を読み変化2図に至り、≪ならば初手に桂を成り捨てれば解決!≫と気がつき、感動するのが正しい手順かもしれません。
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新・警視庁捜査一課9係season3 第7話 『殺人法廷』

2011-08-20 15:47:05 | ドラマ・映画
 今回のテーマは裁判員制度の弊害
 欠点はいろいろあるようですが、今回スポットが当てられたのは、
Ⅰ素人(裁判員)が判決を下す際の心の負担
Ⅱ裁判員制度は誤った判決を下す可能性が大きくなる


 Ⅰは、自分が裁判員になった場合を思えば容易に理解できる。特に無実かどうかがはっきりしない場合は、その心には大きな重荷を抱えることになる。それも、守秘義務で人には相談できない。(そのケアとして、心理カウンセリングを受けられるらしい)
 Ⅱは、無実かどうかが判断がつきにくいときは、無罪を選びがちになる。犯行がはっきりしている場合には、被害者感情を考えて、重罪の判決を下そうと考える傾向もあるそうです。さらに、今回の話によると「裁判員制度で無罪と判決された裁判を控訴しにくい」という上の思惑があったとある(実際はどうなのかは分からない)
 私見ですが、裁判員制度はそれなりの意義があるかもしれないが、弊害の方が大きそうに思えるのですが、どうでしょうか?

 で今回、裁判員制度による判決で無罪の判決が下され、控訴もされなかったため無罪が確定し、一事不再理で罪を問われることがなくなった被告人・手島(犯人だった)が、それをいいことに、自分の犯行を題材に小説を書きコンクールに応募したところから、始まった。
 その小説が、手島が手に掛けた被害者の女子大生・瑞穂の関係者に読まれ、波紋を起こした………

 上述したように、裁判員制度の欠点、特に裁判員の抱える心の負担については良かったと思いました。
 ただ、それを描くためのお膳立てが甘くて、残念でした。

①当時の捜査が甘すぎ(村瀬も当時の担当刑事に指摘)
 衝動的な犯行で、いくらでも証拠が出てきそうな事件だった。
②控訴がなされなかったのは、不自然
 先述した上層部の思惑があったかもしれないが、相当に怪しい被告人を控訴しないでほしい
③被害者の瑞穂の行動が理解できない
 教師になるのに恋愛経験が必要と思い、出会い系サイトで何人もの男性と同時につきあうなんて、有り得ない。教師失格であろう。
 友達に紹介してもらうとか、もっとましな方法があったはず
④偶然が重なりすぎ
 手島がコンクールに応募した小説を読んだのは審査員の7人だけ。実際は編集者も読んでいて8人だったが、その8人のうち2人が、手島の起こした殺人(裁判)の関係者だったとは、かなりの偶然と言える。(多少の偶然がないとドラマにはなりませんが)
⑤首吊り自殺の偽装の結び方、普通に結べばいいのに
 このドラマに限らず、ロープの結び方が特殊な結び方をする場合が多く、それが犯人に結びつくことが多い。まあ、それはそれでいいのですが、今回、現場検証で示されたっきり、犯人逮捕の時まで、まったく触れられることがなかったのはおかしい。

 今シリーズ、いや、ここ数シーズンちょっと質が落ちてきている気がしていましたが、今シリーズその印象が強くなっています。
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『ブルドクター』 第7話「夫を告発した女医」

2011-08-19 18:05:18 | ドラマ・映画
 今までも書きましたが、話の核は良いのですが、主人公を輝かせようとしすぎて、ストーリーが歪んでしまっている感が強いです。

【ストーリー】(公式サイトより)
 珠実(江角マキコ)は、夏休みをとって家族でキャンプへ行くことに。勤務医の高広(市川亀治郎)は、36時間の勤務明けで出掛ける予定だった。高広が勤務を終えて病院を出ようとしたとき、脳梗塞で意識不明の患者が搬送される。
 患者は、梶田弘樹という少年。手の空いている医師がおらず、高広が緊急オペを行う。手術は成功したと思われたが、一週間後に弘樹は突然倒れて亡くなる。高広にも原因が分からず、遺族に病理解剖を勧めるものの、拒否される。珠実も遺族の説得にあたり、司法解剖を提案。しかし、司法解剖をするには警察に届け出る必要があり、それは高広が被疑者となってしまうことでもあった…。


 この話の肝は、夫を被疑者扱いにしてまで、死因を追求しようとする主人公珠実の信念であろう。
 そして、そこまでする理由とは
Ⅰ 死因を明らかにしないまま火葬してしまうと、今後永久にわだかまりを抱えたまま生きていかねばならなくなる。珠実は遺族にそういう思いをさせたくない。
Ⅱ 医学的に死因を解明しないと、今後また同様なケースを招く危険性がある

 という訳で、今回の珠実の行動を私は支持したい。しかし、実の夫を被疑者扱いにするという決断はなかなかできない。
 しかし、鉄の神経の持ち主ならともかく並みの医師なら、手術後、原因不明で死亡してしまったら、怖くてメスをもてなくなるのではないだろうか。夫の立場が悪くなるとはいえ、「手術にはミスはない」という言葉、夫婦の絆を信じ、告発するのが最善手としたい。
 とは言え、こういった重大行為を、独断で実行してしまうのが珠実らしさであり、珠実の欠点でもある。


 さて、こういった話の核は良かったと思うが、上記の珠実の信念(活躍)、そして、もう一人のヒロインの知佳(石原さとみ)の再解剖の英断(活躍)をさせるため、ストーリーが歪んでしまったのが、残念だった。

 息子が手術は成功したと説明を受けたにもかかわらず、突然亡くなってしまいた両親が、病院を信用できないと病理解剖を拒むのは理解できる。しかし、しかし突然の死に疑問と怒りがあるのに、医療ミスで訴えようと動かないのは非常に不自然。
 両親この不自然な動き(動かなさ)のうらには、珠実の「夫を被疑者にしてまで死因究明するという信念」を見せなければならないという事情があったからであろう。

 さらに、死因が小脳梗塞などの寝たきりによって引き起こされた肺塞栓症(エコノミー症候群)と判明したが、珠実は「もともとの小脳梗塞の原因は何だったのかを解明しないと、遺族は納得しない」と主張。
 しかし、病理学的には確かに小脳梗塞の原因を究明するという意味は大いに感じる。なのに名倉(稲垣吾郎)が再解剖をかたくなに拒否する理由がいまいち理解できない。必要なことだけ行うという自分の主義のためか?それとも珠実への対抗心のせいか?
 その辺りがはっきりわからないので、名倉の拒否が知佳の活躍のためのお膳立てに思えてならない。

 それはともかく、両親としては「手術が成功したのに、なぜ突然亡くなってしまったのか」の方が大問題であろう。
 結局、サッカーの試合中に首をひねったのが原因だったことが判明し、その時にはたいしたことないように感じ放っておいた、また、その後も吐き気などの兆候があったのだが軽く考えていて、処置が早ければ手術せずに済んだということだった。でも、そもそも術後の段階で、翔脳梗塞の原因を考えるはず。ここまでそのことに触れないのは変。
 結果、小脳梗塞の兆候を見逃したことを深く悔いることになってしまった。しかし、これって術後の処置の責任を転嫁してしまっただけなのでは?
 小脳梗塞の原因が何であれ、手術、術後の処置に責任があるはずで、そこをちゃんとしていれば死に至らなかったはずと考えるのが普通のように思えるが、どうなんだろうか。
 ドラマではエコノミー症候群をおこさないような処置をしていたので病院側には否はないとしていましたが、本当にそうなのか?と疑問に思うし、息子を亡くした両親なら余計そう思うのではないだろうか?
 刑事ドラマでよく使われるパターンに、最初、怪我をさせた容疑者が犯人と思われ(自身も犯人と思い込む)、実はその後に止めを刺した犯人がいたというパターン。殺人罪に問われるのは止めを刺した者のはず。何かうまくごまかされてしまったような気がする。

 結局、私の嫌いなパターンの主役特権ドラマ、「江角マキコ劇場」に過ぎなかった気がする。
 核の部分は良いだけに、非常に惜しい。


 あと、個人的に気になるのは、知佳が珠実にシリアスな話をする場合、必要以上に抑揚を抑え、何か心に含んだような話し方になる点。もっと、普通に話せばいいのになと思う。
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『ブルドクター』 第4話、第5話、第6話

2011-08-16 16:42:03 | ドラマ・映画
第4話
≪ストーリー≫(公式サイトより)
 珠実(江角マキコ)は、康介(青木綾平)が知佳(石原さとみ)を友達として家に連れて帰ってきたことに驚く。大達家で食事をした知佳は、珠実が幸せな家庭を築いている様子を見てうらやましくなる。
 翌日、神社に行って良縁祈願をした知佳は、その神社近くで若い女性が倒れているのを見かけ、救急車を呼び上都大学病院へ。その女性・瑠璃はドナーカードを持っていて、心臓を親族優先で提供するという意志表示をしていた。彼女には心臓移植を待つ入院中の母親・佐江子がいた。瑠璃はクモ膜下出血で脳死状態に。
 クモ膜下出血の原因は病気か外傷か不明だった。事件性がなければ脳死判定の後に心臓移植が行われるが、事件性がある場合は司法解剖となり、移植手術は行われない。現場検証の結果、知佳は事件性なしと判断するが、佐江子は「娘の心臓はもらえない」と移植を拒否し…。


 面白かったと思います。
 若い女性の死の真相、司法解剖と心臓移植とどちらを優先させるかで悩む知佳の苦悩、知佳と珠実の絡みなど、見ごたえがありました。


第5話と第6話は同様な感想を持ったので、まとめて感想を書きます。
第5話
≪ストーリー≫(公式サイトより)
 成海(ブラザートム)、藤村(大野拓朗)、八代(マギー)が男性の変死体を発見した。連絡を受けた珠実(江角マキコ)と知佳(石原さとみ)が現場に駆け付ける。
 遺体の司法解剖が決まり、珠実が担当することに。解剖には珠実の他、知佳、名倉(稲垣吾郎)、成海らが立ち会う。解剖の結果、亡くなった男性は、まだ日本で確認されていない新型感染症に感染していた疑いがあると判明し、珠実たちにも感染した可能性が。その感染症の致死率は30%だという。
 ウイルスを拡散させないように、珠実たちは隔離される。そんな中、知佳が体調不良を訴える。その症状は、新型感染症の初期症状とよく似ていて…。


第6話
≪ストーリー≫(公式サイトより)
 珠実(江角マキコ)宛に脅迫めいた内容の手紙が届く。珠実が解剖した遺体の死体検案書に対して不満を抱いた遺族からのクレームと思われた。その後、珠実に手紙の差出人と名乗る男から電話がかかってくる。その男の父親は3年前にビルから転落して死亡し、珠実が解剖して自殺と判断したが、男は父が何者かに殺されたのだと信じていた。珠実に恨みを抱く男は、康介(青木綾平)を誘拐したと珠実に告げる。彼の正体は、3年前に珠実が解剖した柳田利夫という男性の息子・晃彦(入江甚儀)だった。
 珠実は晃彦に脅されて一人で康介の行方を追うが、行き詰まってしまう。どうしていいか分からなくなった珠実は、知佳(石原さとみ)に康介が誘拐されたことを打ち明ける。知佳から、柳田の死は自殺で間違いなかったのかと問われた珠実は、意外な言葉を口にする…。
 

 実際はあっては困るウィルス感染ネタ、誘拐ネタですが、ドラマとしては良く題材になりますし、個人的には好きですが……

 第1話の記事でも述べましたが、このドラマの主題は「死因究明」を通して描かれるヒューマニズムと、仕事と家庭の狭間で、葛藤する女性たちのリアルな生き様で、その主人公珠実が周囲の人々とのトラブルを恐れずに、強い信念をもって突き進む、ブルドーザーのような「最強の女」でありながら、家庭では家事や子育てに四苦八苦する。それに加え、周囲に流されがちであった準主役・知佳が、珠実と関わりの中で、成長していく様が描かれていきます。
 その上、名倉准教授と知佳の恋愛、珠実との衝突、武田教授(小日向文世)のアルコール依存症+教授を脅す存在など盛りだくさんと言えば聞こえが良いですが、詰め込みすぎです。

 その弊害として、肝炎の疑いのある遺体の解剖で、教授がアルコール依存症による手の震えによって、大学院生に針を指してしまうという事件も新型感染症と並行して起こさせてしまっている。
 また、第6話では、事件の捜査がずさんになってしまいました。
 
 主眼が事件ではなく、死因究明やその過程におけるドラマにあると考えれば、詰め込み過ぎの弊害として、上記の件は目を瞑るとしても、ドラマとして許せないことがあります。
 それは、登場人物が主人公の活躍(葛藤)やストーリー展開の小道具になってしまっている点です。

①珠実の息子が我儘過ぎる
 かなり厳格な母親(珠実)、そのフォローが上手そうな父親、さらにしっかりした珠実の母などに育てられている割には、我儘な息子。各話のエピソードで母親を理解し、成長を遂げるにもかかわらず、翌週の冒頭から我儘を言い、珠実を悩ます。
 まさに、珠実の葛藤のための小道具としか言えません。

②いきなりビビりになった神岡刑事(阿南健治)
 知佳のお守役の存在で、けっこう知佳に振り回されているが、嫌な顔は見せず知佳のフォローをしていましたが、第5話の感染症の話では、ビビりになってパニックを起こしてしまう。普段から、怒りっぽいとか知佳を馬鹿にするとかそういう自分本位的欠点を見せていたのなら、パニックも理解できますが、突然のビビりには違和感を感じました。
 珠実を怪我させて、名倉に生きた人間に対して処置を施さなければならない状況に追い込むための、神岡のパニックが必要だったわけです。


 そりゃ、どんな登場人物もストーリー展開のための小道具だとは思いますが、脇役を丁寧に描くとドラマにも厚みが出てくると思います。
 話の核は面白いと思うだけに、詰め込み過ぎによって逆に薄っぺらになってしまうのは残念です。
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『攻防!打ち歩詰』 中田章道七段作

2011-08-15 09:55:08 | 詰将棋

 7月22日 中日新聞系新聞出題、11手詰、中田章道七段作。(5分で二段、10分で1級)
 タイトル(勝手に私が命名)通り、打ち歩詰回避がテーマです。


解答はこちら
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ちょっと、愚痴

2011-08-14 21:32:47 | 日記
 今年の盆休みは14、15、16日。旅館や料理屋さんなどを相手の仕事なので、盆休みと言えどもゆっくりできないのは宿命です。
 でも、年々、ゆっくりできないなあという感覚が強くなってきています。注文が入るのはありがたいことですが、根が怠け者。なるべく電話が鳴って欲しくないと思っています。
 昨日から今朝にかけて、将棋部OB会があり、上機嫌で帰宅したのですが、午後になってから、電話が鳴りっぱなし、結局仕事が済んだのは夜9時過ぎ。一応、休みという気分なので、仕事の心構えができていません。それに、ひとつ仕事を片付けて、「さあ休むぞ」と思ったところに別の注文。その繰り返しなので、精神的に辛いです。

 数年前はもっとゆっくりできた気がします。
 お客様至上主義(サービス過多)が強くなっている傾向で、年中無休が当然(自分が仕事しているのだから、仕入先も営業するのが当然)という考えのお客さんが増えているということもありますが、景気が悪いので、注文が細切れになっているのも大きな要因です。(同じ売り上げでも配達回数は2倍になります)
 注文が細切れなので、お客さんが在庫を切らす回数も増え、通常より消費が多い盆や年末年始には、在庫を切らしてしまう率が高くなります。しかも、使う時に在庫が切れるので、急ぎの注文がほとんどです。しかも、小ロット。
 あと、普段がそれほど忙しくない状態が続くと、いざという時に、何がいるのかが忘れていて、うっかり在庫切れの場合も増えてきます。普段から忙しいお客さんは消費ペースがある程度高いので、在庫の状況も把握していますし、1回の注文量も多いです。

 これを書く直前に、「明朝7時までに市場に配達して」(市場にお客さんが取りに来る、或いは市場の人がそのお客さんまで配達)という注文が入りました。
 今朝まで、ちょっと現実を忘れていたので、今日の状況は少し堪えました。
 私は「ブログに自分の弱み(愚痴)を見せたくない」という主義ですが、今夜だけお許しください。
 こういう記事をアップするのは、慰めの言葉が欲しいという下心があります。ということを書きながら、後に記事をアップしたことへの自己嫌悪に陥り、記事を削除してしたくなる可能性大です。それを踏まえて、コメントくださると有り難いです。

 何という我儘な奴! ですね。
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福井大学将棋部OB会

2011-08-14 21:11:55 | 日記
 13日夕方~14日朝、福井大学将棋部OB会がありました。
 参加者は15名。40代~60代と、すっかりおじさん連中。所在が把握できなかった若手連中の参加がなかったのは、残念でした。
 私は今回の参加者では最下層の世代ですが、それでも立派な?おじさんなので、ほぼ対等に扱ってくれます。そもそも、昔から将棋部の先輩やOBの方々は、非常に優しくて、ひとりの愛棋家として対等に付き合ってくださる方がほとんどでした。
 今回の幹事役は私の6、7年先輩のUC田先輩、UM本先輩で、本当に行き届いた心配りをしていただき、非常に恐縮してしまいました。本当にありがとうございました。
 詳しい様子は、勝手さんが記してくださっています。
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新・警視庁捜査一課9係season3 第6話 『秘密の部屋』

2011-08-12 12:44:49 | ドラマ・映画
 安易な作りが目立ち、「イマイチ感」が強い今シリーズですが、今回は安易さは少なくなったように思います。でも、何か切れがない気がします。

 このドラマ、風変りな係長(渡瀬恒彦)のもと、個性豊かな捜査員(刑事)が動き回ります。それも、村瀬(津田寛治)と青柳(吹越満)のいがみ合いを中心に、皆が突っ込みボケ合う様子がひとつの魅力となっています。(今シリーズは村瀬と青柳の地位の逆転による「主任ネタ」が中心)
 さて、事件発生、現場検証時に、いくつかのキーワードが浮かび、それが、迅速な役割分担により、隠れた事実が浮かび、真相に向かって集約されていくのが小気味良いのですが、立ち止まって悩む間が小さいので、あまりにも目まぐるしく、視聴者が置いてきぼりにされることもあります。
 今回のキーワードは、「謎のカギ→秘密の部屋」「髪の長い女」「被害者の口についていたルージュ」「凶器のペーパーナイフ」が浮かび、それを調査していくうちに、被害者の性格や生活や過去、被害者周辺の人物関係、容疑者などが浮かんできます。たいがい、容疑者として取り調べられる人物は真犯人ではないというのは、このドラマに限らず、刑事モノのお約束ですが、特に9係に関しては、真犯人を隠すのが上手だと思います。
 ただ、ミスリードをさせるためや、役者さんの出演配分やロケの都合のせいか、不自然なストーリー展開があるように感じました。

★気になる点
①タイトルに疑問

 タイトルの「秘密の部屋」の正体は、被害者の密かな趣味の女装を楽しむための部屋だったわけですが、直接の犯行の動機になったわけでもありませんし、犯行現場でもありません。本筋にまったく関係ないわけではありませんでしたが、どちらかというとミスリードに導くための要素が強いです。
 それなのにそれをタイトルにつけるのには疑問を感じました。やはりタイトルはストーリーの本質に関わるものであるべきだと思います。

②捜査ペアの不自然さ
 現場検証時に係長が使途不明の鍵を見つけます。それがタイトルの「秘密の部屋」の鍵だったわけですが、係長がこの鍵に強い興味を持ち、被害者邸でその鍵が合致する部屋や金庫などを(家人の承諾なしに勝手に)探します。
 なのに、実際にその秘密の部屋を見つけたのは、村瀬、小宮山(羽田美智子)ペアでした。
 また、最後に真犯人に対峙するシーンは、係長と村瀬ペアでした。今回の被害者は自殺に追いやっていて、その復讐を考えていた父と婚約者という背景なので、ここは、係長の娘とその彼氏の浅輪(井ノ原快彦)が妥当に思います。
 制作上の都合(俳優の出演時間の配分とか、ロケなどによる俳優の都合)かもしれませんが、以前はもっとこういう点にこだわっていた気がします。

 早瀬川(原沙知絵)の存在意義も微妙。
 それなりの女優さんなので、チョイ役でで済ます訳にいかず、それなりの活躍が必要になります。今回は被害者の体にいじめの痕を見つけ、それが他者への攻撃性の強さの理由付けをしていました。自殺に追い込んだ仕打ちはひどいもので、それの理由付けはいらないように思え、無理やり原さんの活躍を押し込んだ気がしました。
 
③いろいろありすぎる被害者
 今まで述べてきた理由などによって、今回の被害者は実にバラエティに富んだ要素を持っています。
・過去にいじめを受けていて、その反動で部下をいじめ自殺に追いやった
・副社長の息子で、傲慢で仕事はしない
・女装癖があり、若手代議士ともつながりがあった
・神経質(自宅にシュレッダー→係長の活躍)
・無能な割りに、巧妙な細工で部下を追い詰めた

④被害者が極悪すぎる
 このドラマだけでなく、被害者がひどいやつで、こういう表現はよくないと思いますが「殺されて当然なやつ」で、加害者が止むに止まれず罪を犯してしまうというパターンが少なくないです。
 被害者がいなければ、善良な加害者は不幸にならず、罪を犯すことはなかったはず。その上、罪を犯してしまって、さらに不幸になってしまうという不幸のスパイラル。視聴後、その理不尽さに暗い気持ちに陥ってしまいます。
 はっきり罪を犯さず、周囲に毒を撒き散らす人間のほうが殺人より罪が重いという気さえしてしまいます。
 あまりこういうパターンは多用しないで欲しいです。

⑤正当防衛は?
 図らずも人を殺めてしまいましたが、今回の場合、正当防衛が成り立たないのでしょうか?
 それを立証するのは難しいですし、裁判では殺意があったことを突かれるでしょうが、凶器は被害者が用意したことは明白なので、何とかなるかもしれません。
 ま、あの時点で警察や救急に通報したら、ドラマにはなりませんが。

その他、些細な突っ込み
 村瀬、小宮山コンビが秘密の部屋を検分中、謎の女が登場し、若手代議士の女装癖が発覚するシーンがありました。

 靴を見て部屋に誰かがいるのに気がつき、立ち止まるシーンですが、足が綺麗過ぎです。

 脱兎のごとく逃げ出すシーンです。静止画で分かりにくいですが、走り方が女性っぽいです。体も華奢ですし。

 この後、視聴者に「おっ!」と言わせる演出ですので、突っ込むのは野暮ですね。
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将棋初級講座⑥ ~数の攻め(引き算の攻め)~

2011-08-07 19:09:50 | 初心・初級将棋
 「将棋初級講座⑤ ~数の攻め~」の続きです。

 
 前回、第4図では「引き算の攻め」があるというところで終わりました。
 「引き算の攻め」とは守備駒に働きかけ(守備駒を取ったり、移動させたり、利きを遮断する)て、守備駒の利きの数を減らすという手法です。

 前回の足し算の攻めでは登場しませんでしたが、持ち駒に歩が一枚ありますね。歩は前に一歩しか動けない弱い駒ですが、その分、相手の手に渡ってもそれほど痛くないことが多いです。なので、歩を犠牲に相手陣を乱す時によく使われます。
 そこで、歩の使えそうな場所を探して見ましょう。

①▲2四歩

この手は2三の地点の利きを増やして、よい手段のように思えますが、以下△2四同歩▲同香△2三歩(失敗図1)で、

2三の地点の利き数は2対2のままなので先手の攻めは失敗です。

②▲2二歩

 桂取りですので、それより大きな手があれば別ですが、普通は△2二同金(失敗図2)と応じます。


 この▲2二歩のような手は敵陣を乱す(この場合、3二の金を2二のへき地に誘導する)に有効なので、覚えて損のない手です。
 しかし、この場合、2三の利き数は変わらないので、先手の2筋突破は敵いません。

③▲4二歩

 この手は角取りなので、後手もよほどのことがないと手抜きはできません。この場合、△4二同金(引き算成功図1)と取ることができますが、

 金が移動したことによって、2三の地点の利きが減り、先手の2筋突破が実現します。

 では、金で歩を取らず、角を逃げてみましょう。△5二角(引き算成功図2)。

 今度は角の利きが逸れたので、先手の2筋突破は実現します。

 というわけで、第4図での引き算の攻めは、▲4二歩でした。
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『絶対零度~特殊犯罪潜入捜査~』 第4話

2011-08-03 23:30:53 | ドラマ・映画
 先週で離脱を決めたのですが、一応、録画しました。録画したとなると、観ないと損する気がしますよね。そういうわけで、今週も観てしまいました………

………後悔。

 それも、単に後悔したという程度なら、わざわざ記事にしません。もう、「書かずにはいられない」という衝動に駆られてしまい、これを書いています。
 過去、私の記憶に残るダメドラマ(あまりこういう否定的表現はいけないと思います。適当な表現が浮かんだら訂正します)は、『7人の女弁護士』『てっぱん』『天地人』『警視庁継続捜査班』『LADY~最後の犯罪プロファイル~』…と浮かびます。最初の3つは別格ですが、それに迫る今回の『絶対零度』です。
 前シリーズの『絶対零度』も、過去の事件の掘り起こしというシステム上、話の展開に無理があり、ヒロインの桜木に感情移入ができず、相当な低評価でした。今回は、現在起きている、あるいは、起こりつつある犯罪を未然に防ぐというコンセプトが評価できたのですが、「潜入」「魅力のないヒロインの無理な活躍」にこだわったドラマ作りに、評価は落下していました。

 さて、今回の批判点(「不満」という言葉では緩すぎます)は2つ。
①長嶋室長の良い上司ぶり、その場限りの教訓
 今回、ヒロインの桜木は、上司の指示を無視し暴走。このドラマの主題のひとつに「ドジでのろまな(今回でプラス「自分勝手な」)カメの成長物語」らしいので、ヒロインの暴走はドラマ上必要な要素だと言えます。しかし、
 いつもの桜木と室長の反省会?において、

桜木「私は…今回の捜査で、何か役に立てたんでしょうか?事件の背景もわからず、先走って……」
室長「ああ、失格だな。……だがな、カメ、お前は今回、自分の意志と判断で動いた。塚本の事件で立ち止まっていたお前が、一歩踏み出せたのも事実じゃないのか?失敗から、何を得るか、よく考えるんだな」

 ちょっと、ちょっと!…「自分の意志と判断で勝手に動いたたことが一歩踏み出せた」と評価していいの?
 「失敗から、何を得るか、よく考えるんだな」って、以前、「立ち止まるな」とか叱咤していたが、立ち止まったことで、捜査が滞り、取り返しのないことに成るという意味だったと思います。立ち止まって考えるより、失敗する方がいいの?今回も、下手をすると児童の命が危なかったはず。
 それに、4回目でやっと一歩?今までは0歩だった?
 厳しく指導する瀧河に対し、ヒロインをフォローする立ち位置の室長かもしれませんが、あまりに一貫性がなく、「ちびまる子のおじいちゃん」と化しています。
 

②いくら子どものためと言っても、誘拐はないんじゃない?
 いくら自分の命が余命3カ月でも、児童を思う気持ちが強くても、児童を命の危険にさらし、犯罪の手助けをするって、本末転倒もいいところ。しかも、ドラマでは、その点を強く糾弾していません。(「なぜ、そこまで?他にいくらでもやり方はあったでしょう」と聞いただけ)
 それを受けての校長の強い意志の言葉に、室長はただ黙って見つめるだけ。間違っていると指摘しろよ!

 しかも、最後に誘拐された被害者の児童のブックカバーが新しくなっていた(母親が子どもを見るようになった)のを見て、ヒロインは気持ちを強くするように描かれています。これって、校長の行為を肯定しているんじゃないでしょうか?

 好きじゃない「潜入シーン」を見せられるうえ、いらいらさせるヒロイン、納得いかないストーリー   ………やはり、離脱です。
コメント (2)
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