十津川警部は三橋達也、渡瀬恒彦、高橋英樹など数多くの方が演じられているが、やはり渡瀬恒彦が一番適任だと思う。冷静で時には大胆、強い意志を感じ、渋い。
亀井警部役は愛川欽也と伊東四朗が双璧。渡瀬&伊東はまさに名コンビだ……
……と評価は高いのだが、ミステリーとしては毎回、かなりの残念感を味わっている。まあ、十津川が格好いいから良いのかも(笑)
本作もかなりの残念な出来。
事件の骨格は、「亀井が過去に扱った殺人事件の犯人が自殺し、その原因が亀井にあると考えた犯人の兄が復讐のため、亀井を殺人犯に仕立て上げた」というもの。しかし、その兄妹愛というのが、かなりの“ブラコン”(ブラザーコンプレックス)、“シスコン”で茶番もいいところだった(後述)。
【不満点・疑問点】
①亀井の息子を誘拐し、亀井を指示通りに行動させるのだが、「警察には知らせるな」と指示しておきながら、十津川には知らせるのは矛盾(一応、《亀井が地元の警察に通報しないように十津川に牽制するという思惑としているが)
②結局、翌日、亀井は地元署に誘拐を通報し、地元署の刑事2人も亀井とともに「おおぞら4号」に同乗する。犯人も、それは織り込み済みで、同車に乗っていた少女を使って「刑事の下車、亀井にジュース(睡眠薬入り)を飲む」よう指示する。
………誘拐事件なのだから、もっと大人数で動くのではないだろうか?例えば10人同行させ6人下車させて、列車に刑事を残しておけば、亀井がハメられることはなかった。亀井もジュースを飲んだふり(毒ならこんな手の込んだことはしないはずで睡眠薬入りということは想像に難くない)しておけば良かった。
③「保身のため共犯の森あや子(青田典子)を殺害した」と言っていたが、犯人の結城(神田正輝)は癌で余命僅かなので、殺害する必要はなかった。犯行に加担したとはいえ、彼女は割と善人だったので、気の毒。妹によく似ていたのなら、なおさらである。しかも、いきなり死体で発見され、殺害シーンの追想もなしという雑な脚本(演出)。
④妹は兄としてではなく、男として愛しており、兄の婚約に自暴自棄になって結婚詐欺の男に騙され、その男を殺害した。結城曰く「あの男は何人もの女性を騙しており、殺害したことで多くの女性が救われ、正義の行動だった」と主張していたが、妹は自暴自棄でに陥っており、男に騙されて心に深い傷を負ったとは思えない。
⑤妹は自殺直前に、自分の心情を書いた手紙を亀井に送っていたが、ラストシーンでそれを亀井が燃やす必要があったかは疑問。ただ、ドラマのラストとしては良いのかもしれないが。
BSーTBS 2020/1/8(水)(再放送) 本放送……2002年9月30日
原作:西村京太郎「特急おおぞら殺人事件」より(徳間書店刊)
脚本:水谷龍二
監督:脇田時三
【あらすじ】
警視庁捜査一課の亀井は、息子の亀井健一と一緒に妻の公子の実家がある釧路に向かっていた。亀井が列車内で眠っている間に健一が誘拐され,、車掌の田村が問合わせたところ,、健一は若い男女と一緒に帯広で下車したことが分かる。
亀井は犯人の指示通りに公子の実家に行き、公子や公子の弟の水島, 水島の妻(澤田)に事情を話した。亀井の上司である捜査一課の警部の十津川は犯人からの電話で事件を知り、 部下の三田村や小西、西本、山下、安原、村川を集めて亀井が過去に扱った事件虱潰しに調べ始める。
犯人の指示に従って列車に乗込んだ亀井は、少女から缶ジュースとメモを手渡される。メモには刑事を列車から降ろしてジュースを飲めと書いてあった為、亀井は釧路東署の警部補の高木と山本に降りて貰ってからジュースを飲干す。缶ジュースには睡眠薬が入っていて、ぐっすり眠り込んだ亀井は帯広南署の警部の三浦と佐々木に叩き起こされた。車内で誘拐犯の服部明と坂本陽子が刺殺され、三浦達は亀井を犯人として逮捕しに来たのだ。
北海道に行った十津川は、亀井にジュースを渡した春野ゆかという少女や車掌の武藤に事情を聞いた後、東京に戻って刑事部長の三上に状況を説明した。三田村と小西は服部の行き付けのリヨンというクラブに行ってママ(東丘)に会い、十津川は服部と同房だった男を府中刑務所に訪ねる。服部の身辺調査の結果、結婚詐欺師の荒木を毒殺したかおりという女性が捜査線上に浮上した。かおりは既に自殺しているのだが、十津川は念の為にかおりの兄の誠に会いに行った。銀座で画廊を経営している誠は裕福な生活を送っているようで、テレビ局のキャスター等とも交友があるという。
帯広南署から2日後に亀井を送検すると連絡が入り、十津川は上司である捜査一課長の本多にそのことを話す。かおりに良く似たあや子という女性の絞殺死体が発見され、十津川はマンションの管理人から事情を聞く。ようやく亀井に対する疑いが晴れ、健一は無事に救出された。
亀井警部役は愛川欽也と伊東四朗が双璧。渡瀬&伊東はまさに名コンビだ……
……と評価は高いのだが、ミステリーとしては毎回、かなりの残念感を味わっている。まあ、十津川が格好いいから良いのかも(笑)
本作もかなりの残念な出来。
事件の骨格は、「亀井が過去に扱った殺人事件の犯人が自殺し、その原因が亀井にあると考えた犯人の兄が復讐のため、亀井を殺人犯に仕立て上げた」というもの。しかし、その兄妹愛というのが、かなりの“ブラコン”(ブラザーコンプレックス)、“シスコン”で茶番もいいところだった(後述)。
【不満点・疑問点】
①亀井の息子を誘拐し、亀井を指示通りに行動させるのだが、「警察には知らせるな」と指示しておきながら、十津川には知らせるのは矛盾(一応、《亀井が地元の警察に通報しないように十津川に牽制するという思惑としているが)
②結局、翌日、亀井は地元署に誘拐を通報し、地元署の刑事2人も亀井とともに「おおぞら4号」に同乗する。犯人も、それは織り込み済みで、同車に乗っていた少女を使って「刑事の下車、亀井にジュース(睡眠薬入り)を飲む」よう指示する。
………誘拐事件なのだから、もっと大人数で動くのではないだろうか?例えば10人同行させ6人下車させて、列車に刑事を残しておけば、亀井がハメられることはなかった。亀井もジュースを飲んだふり(毒ならこんな手の込んだことはしないはずで睡眠薬入りということは想像に難くない)しておけば良かった。
③「保身のため共犯の森あや子(青田典子)を殺害した」と言っていたが、犯人の結城(神田正輝)は癌で余命僅かなので、殺害する必要はなかった。犯行に加担したとはいえ、彼女は割と善人だったので、気の毒。妹によく似ていたのなら、なおさらである。しかも、いきなり死体で発見され、殺害シーンの追想もなしという雑な脚本(演出)。
④妹は兄としてではなく、男として愛しており、兄の婚約に自暴自棄になって結婚詐欺の男に騙され、その男を殺害した。結城曰く「あの男は何人もの女性を騙しており、殺害したことで多くの女性が救われ、正義の行動だった」と主張していたが、妹は自暴自棄でに陥っており、男に騙されて心に深い傷を負ったとは思えない。
⑤妹は自殺直前に、自分の心情を書いた手紙を亀井に送っていたが、ラストシーンでそれを亀井が燃やす必要があったかは疑問。ただ、ドラマのラストとしては良いのかもしれないが。
BSーTBS 2020/1/8(水)(再放送) 本放送……2002年9月30日
原作:西村京太郎「特急おおぞら殺人事件」より(徳間書店刊)
脚本:水谷龍二
監督:脇田時三
【あらすじ】
警視庁捜査一課の亀井は、息子の亀井健一と一緒に妻の公子の実家がある釧路に向かっていた。亀井が列車内で眠っている間に健一が誘拐され,、車掌の田村が問合わせたところ,、健一は若い男女と一緒に帯広で下車したことが分かる。
亀井は犯人の指示通りに公子の実家に行き、公子や公子の弟の水島, 水島の妻(澤田)に事情を話した。亀井の上司である捜査一課の警部の十津川は犯人からの電話で事件を知り、 部下の三田村や小西、西本、山下、安原、村川を集めて亀井が過去に扱った事件虱潰しに調べ始める。
犯人の指示に従って列車に乗込んだ亀井は、少女から缶ジュースとメモを手渡される。メモには刑事を列車から降ろしてジュースを飲めと書いてあった為、亀井は釧路東署の警部補の高木と山本に降りて貰ってからジュースを飲干す。缶ジュースには睡眠薬が入っていて、ぐっすり眠り込んだ亀井は帯広南署の警部の三浦と佐々木に叩き起こされた。車内で誘拐犯の服部明と坂本陽子が刺殺され、三浦達は亀井を犯人として逮捕しに来たのだ。
北海道に行った十津川は、亀井にジュースを渡した春野ゆかという少女や車掌の武藤に事情を聞いた後、東京に戻って刑事部長の三上に状況を説明した。三田村と小西は服部の行き付けのリヨンというクラブに行ってママ(東丘)に会い、十津川は服部と同房だった男を府中刑務所に訪ねる。服部の身辺調査の結果、結婚詐欺師の荒木を毒殺したかおりという女性が捜査線上に浮上した。かおりは既に自殺しているのだが、十津川は念の為にかおりの兄の誠に会いに行った。銀座で画廊を経営している誠は裕福な生活を送っているようで、テレビ局のキャスター等とも交友があるという。
帯広南署から2日後に亀井を送検すると連絡が入り、十津川は上司である捜査一課長の本多にそのことを話す。かおりに良く似たあや子という女性の絞殺死体が発見され、十津川はマンションの管理人から事情を聞く。ようやく亀井に対する疑いが晴れ、健一は無事に救出された。
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