英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

新型コロナウイルスに関する疑問 その49「三浦瑠麗氏⑤ ~三浦氏にイラっとする理由」

2020-07-15 16:03:21 | 時事
(「その2」~「その14」までの記事はありません。今までにいろいろ書いてきましたし、書かずにきたものを含めると、このくらいにはなるだろうということで記事タイトルに付けています)

『とくダネ!』(7月14日)における“Go To キャンペーン”の是非の話題について三浦瑠麗氏の発言
 菅官房長官の《コロナウイルスをゼロにすることはできない》(感染者数をゼロにすることはできない)というコメントを引き合いにし
「ここ数日、《危険だ、危険だ!》とアラートを出すのは構わないんですけれども、何を目的にしているのか、だんだん分からなくなってきて、『検査数を増やせ』と言っていた人が、感染者がたくさん見つかったら騒ぐって言っても、でも、“(検査数を)増やそうと思ったから、たくさん見つかったんですよね”という気もするわけです」
 畳みかけるように話すいつもの口調だが、文章に起こしてみると、論理の展開や文意(主旨)がわかりにくい。要するに、感染者が増えているのは検査数を増やしたからという小池都知事の主張と同意。暗に、《騒ぎすぎだ》と言いたいのだろう。

 そして、それに続けて、
「だから、二木さん(昭和大学医学部臨床感染症学講座教授、『とくダネ!』解説ゲスト)、医療体制がひっ迫しない限りは、皆さん、気を付けて生活しているわけで、東京でもほぼマスクをしていない人は見かけないんですよね。
 そうやって注意を喚起して皆さんが従いながら、徐々に経済活動をしている中で、医療体制がひっ迫していない中で、医療関係者は何を私たちに、逆に言うと、要請したいんでしょうか?

 余分な言い回しが多く、わかりにくいが、《皆が感染しないよう注意をしていて、医療体制がひっ迫していないのに、“Go To キャンペーン”に反対するなど経済活動にブレーキをかけるのはどうしてなのか?騒ぐ必要はない》と主張しているようだ。
 その挙句、医療従事者は何を求めているのか?と二木氏に問いかけた。(言葉を投げかけた…投げつけたと表現した方が良いかもしれない)

 医療体制の危機については、『とくダネ!」だけでなく他の情報番組や報道番組でも取り上げており
・コロナ患者を受け入れることによる経営の悪化(病床確保のため入院患者の制限、手術や一般診療の減少)
・経営悪化による医療従事者の給与やボーナスの削減
・コロナの風評被害や世間からの従事者の差別(迫害)
・医療従事者の退職者、退職希望者の増加


 など頻繁に取り上げられているが、三浦氏は全く認知していないようだ
 
「三浦さんのご質問ですが、“医療体制はひっ迫していない”と政治家の方は皆さんおっしゃるんですけど、昨日も説明しましたが、今の医療体制は決して安泰という状況ではなくて、今よりも少し感染者が増えてくると、一気にひっ迫する可能性のある状況なんです。前回の医療体制が崩壊する直前に食い止めめて、何とか抑え込みましたよね。
 今の時期……そういうふうな医療体制を改めて構築しなければならない時期に、早めに感染増加が来てしまったので、実はまだ医療体制をもう一度立て直して、第2波が来ても対応できるような体制に持っていくまでの準備ができいないんです」


 二木氏の穏やかな口調の説明に、時折、相槌を打っていた三浦氏だったが、二木氏の説明に被せるように
「あの、厚労省が基本再生産数ではなくて、実行再生産数なんですけど、社会に対して、“旅行をやめてください”“飲食自粛してください”と言う前の数字として1.7の想定を置いて各都道府県に病床数を拡大してくださいという要請を出しましたよね。
 今まで日本は感染者数も死者も少なかったわけですけれども、各国では本当に体育館とか全然用途の違う所(建物)を動員してですねベッドを拡充したりしているわけですよ
 日本は今まで割とラッキーの方だったとは言えですね、今までの時間があって、なぜ、拡充できていないのか?……『経済を回しながら、第2波に備えよう』と言っている中で、『そこの準備ができていないです』って永遠に言われ続けても、私たちはずっと息を止めながら生きていることはできないし、逆に災害で亡くなっている方も命の重みとしては同じなんですよね。
 だから、ちょっとリスク感覚がですね、私には奇妙に見えるんですね」


 三浦氏は、先に挙げた医療現場の窮状を全く理解していないんだなとつくづく思った。
 この人は、ベッド数を確保すれば医療体制の拡充になると思い込んでいるんだな。
 先に挙げた医療現場の窮状以外にも、人工心肺やエクモの配備は充分ではないし感染予防の機材も足りていないし、エクモなどの高度医療に対応できる医療従事者だってすぐに動員できるはずがない。体育館にベッドを置けばいいという問題ではない
(笑)。(学校の体育の授業はどうなるんだ?)
 それに、この人の言い回しだが、実行再生産数が1.7とかどうのこうのということは、話の本筋とはほとんど関係なく、《私もいろいろ知っていますよ》というコメントの補強をしているだけ。

 そもそも、経済を回すのが重要と言っても、感染者が身近で出れば、その事業所は営業を停止しなければならないし、濃厚接触者は自宅待機しなければならない。子供が感染したら学校は休校になる。……生活を停止しなければならないのである。当然、生活の停止者が増加すれば、経済も停止するのは言うまでもない。

 他の出演者を含めて少し話が進んだとき、
「みんなその…安心はできないんですよね。皆、安心を求めてるんですけれども、プロが責任をもって安心をさせることは、政治家としても医療関係者としてもできない状況じゃないですか。
 だから、マスクを付けて、でも、なるべくお金を落としてくださいという曖昧なことを言わざるを得ないですよね。それを私たちは飲み込まなければいけない状況に来ているのかなと。
 Go To キャンペーンに問題があるとかリスクがあるとかいう指摘は、どんどんしたらいいと思うんですけど。でも“すっきり”って永遠にしないんじゃないですか」

 にこやかに微笑みながら主張していたが(私には嘲笑にしか見えない)

「ま、“とくダネ!”ですからね」と伊藤アナがまとめていた(笑)

このあと、二木氏が医療提供体制が肝心で先に述べた状況を再度力説したが、これに対して三浦氏がやはり被せるように
「これ、あのう、私立病院がコロナ患者を受け入れるのではなくて、公立病院がっていう流れできたと思うんですけれど、各国はですね、ありとあらゆる医療体制、そして、病院じゃない場所までも動員してこの非常時に備えているんですね。
 日本だけがですね、今まで確かに医療にお金を回さないできたので、そこはもう抜本的に見直すべきだと私は思うんですけれど、ただ、非常体制ではない医療提供体制に私たちが合わせて経済を非常事態にしてしまった時に、それを後でだれが責任を取るのかっていう話になるので、この医療提供体制がなぜ、十分に拡大しないのかという話は、是非、マスコミもしっかりそこの原因を取材していただきたい


 再び、体育館病室動員論を展開し、訳の分からない責任論を持ち出し、医療提供体制がなぜ、十分に拡大しないのかを追及した(微笑みながら得々と語っていた)
 ”今まで確かに医療にお金を回さないできたので、そこはもう抜本的に見直すべきだと私は思うんですけれど”と自分の知識を見せると同時に、何となく相手に同調している振りもする。
 “非常体制ではない医療提供体制に私たちが合わせて経済を非常事態にしてしまった時に、それを後でだれが責任を取るのかっていう話になるので”……何を言っているのかわからない理屈で相手を混乱させ、責任問題をちらつかせ持論への同意を強制するテクニックには感心する。

 堪らず伊藤アナが
「コロナ患者を受け入れている病院の8割以上が赤字だという話題をは昨日の放送で取り上げています」
と補足説明していた。



 自分が認めない主張に関する事実に目を向けないので、医療現場の窮状は全く分かっていない。自身が出演する番組の前日放送分も観ないのだろう。
 相手の説明に相槌を打って耳を傾けているように見えても、自分がどう反論するかしか考えていないのではないだろうか?
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新型コロナウイルスに関する疑問 その48「どっちもどっち “東京問題”」

2020-07-15 10:53:33 | 時事
(「その2」~「その14」までの記事はありません。今までにいろいろ書いてきましたし、書かずにきたものを含めると、このくらいにはなるだろうということで記事タイトルに付けています)

★東京問題
菅官房長官
「この問題(新型コロナウイルス感染の急拡大)は、圧倒的に“東京問題”と言っても過言ではないほど、東京中心の問題になってきている。

小池都知事
「圧倒的に検査数の多いのが東京です。それによって陽性者が出てきて、かつ、その中には無症状の方もかなり含まれていることとがわかってきた」
「“Go To キャンペーン”がこれから始まろうとしている中で、その辺の整合性を国としてどうとっていくのか、無症状の方も出てきている中で、どういう風に仕切りをつけていくのかというのは、むしろ“国の問題”だとこのように思う」


 感染の急拡大は、都の対応(接待を伴う飲食店へ緩やかな対応等)が起因している(←私の考え)が、政府も傍観しておきながら、圧倒的に都の問題と責任を押し付けるのは無責任である。
 なので、小池都知事の反論する気持ちはわからないでもない。
 しかし、小池都知事のそれは反論になっていない。反撃しただけ。
 “Go To キャンペーン”に問題は大ありだが、それと首都圏の感染急拡大とは無関係。
 《無症状の感染者が多い》→《無症状の感染者が旅行によって感染を拡大させる可能性》を指摘し、無理やり関連付け、《政府の感染防止策と“Go To キャンペーン”が冷房と暖房を同時に行っているようなもの》と反撃した。冷暖房論には同意するが、政治家特有の問題のすり替えだ。

(“東京問題”論はさておき)
★開き直る政府(菅官房長官、西村経済再生担当大臣等)
「(“Go To キャンペーン”の延期は)全く考えておりません。
 いずれにせよ、コロナウイルスをゼロにすることはできないと思っている。
 感染防止策をしっかり講じながら、社会経済活動を段階的に引き上げて両立させていきたい」


“キャンペーンの延期を全く考えていない”って、少しは、いや、十分に考えろよ。
“コロナウイルスをゼロにすることはできない”というのは否定できないが、だからと言って、感染拡大を助長するような施策を採っていいことにはならない。開き直りもいいところだ。経済活動重視論者にはこの理屈がよく見られる。1.7兆円もの税金を感染の拡大に使うなど言語道断だ。
“感染防止策をしっかり講じながら”と言っているが、西村経済再生担当大臣によると
「のどや嗅覚・味覚への違和感があり、だるいなどという方は、そもそも外出をせず、当然、県をまたぐ移動は控えてもらいたい。航空、鉄道、バスなどは、消毒や換気を行い、人と人との距離を取ることを徹底してもらうとともに、ホテルなどでも、旅行者に検温をし、体調を聞き、違和感がある人には、その地域で検査をしてもらいたい」と述べ、旅行者と事業者双方に、感染防止策を徹底するよう呼びかけた
……とある。
 上記の感染拡大予防策って、現在も多くの企業・事業者、そして世間の人も努めている。その中で感染が急拡大してきたのは、県をまたいでの移動自粛の停止、接待を伴い飲食店などの休業要請の解除を行ったからである。
 なので、移動の制限や休業要請を出すのが急務である。

 “Go To キャンペーン”や観客を入れてのプロ野球やJリーグのゲーム開催などのイベントの人数制限の緩和は、吹雪から帰ってきた人に扇風機の強風を充てるような措置である。

★小池都知事の主張の矛盾点
・「皆さんには、“感染しない”“させない”というのを徹底させていただきたい」
都民は充分心掛けているよね。

・「圧倒的に検査数の多いのが東京です。それによって陽性者が出てきている」
 6月18日ごろ(移動制限解除の頃)の都のPCR検査数は約2000、都の感染者が200人を超えた数日の検査数は3500と1.75倍。移動制限解除の頃の新規感染者が40人程度だったので、この1.75倍は70人となる。
 ただし、いわゆる“夜の街”関連者を重点的に検査を行っているので、それを差し引いて考える必要がある。7月12日を例にとると、新規感染者は206人。このうち“夜の街”関連は44人。夜の街関連者は陽性率が高いと考えられ、10%と仮定すると、夜の街関連者の検査数は440となる。
 なので、一般の検査数は約3000と考えることができ、これは6月18日ごろの検査数2000の1.5倍。よって、新規感染者が検査数に比例すると考えると、一般の感染者数(理論値)は6月18日ごろの感染者数40人の1.5倍で60人となる。これに対し、実際の7月12日の一般感染者は「全体の感染者206人」ー「夜の街関連の感染者44人」=162人小池都知事の主張は正確ではない(的外れに近い)。

【修正】
 7月の新宿スポットの陽性率は33%と言うことなので、7月12日の夜の街関連の検査数は約130と考えることができる。
 なので、一般の検査数は約3350程度と考えることができ、これは6月18日ごろの検査数2000の約1.7倍。よって、新規感染者が検査数に比例すると考えると、一般の感染者数(理論値)は6月18日ごろの感染者数40人の1.7倍で68人となる。これに対し、7月12日の実際の一般感染者は「全体の感染者206人」ー「夜の街関連の感染者44人」=162人小池都知事の主張は正確ではない(的外れに近い)。
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