前話「美女がオッサンになった理由」の収束編。
前話はあれで終わっても良いような出来だったので、今回はやや冗長感があった。と言っても、一応のケリがついたのですっきりして良かったと言える。
ここまでの5話、期待以上に面白かった。
特に第3話と第4話はおもしろく、第4話の一つ一つの会話に登場人物の思いが込められている奥の深さ、また、過去の感傷・トラウマや現在の意思が精妙に積み上げられたストーリーに引き込まれた。
これに比べ、冒頭に述べた2話に引き伸ばした冗長感のせいかもしれないが、第4話と第5話では、若干の質の違いを感じた。
そこで、調べると、第1話、第2話、第5話が土井裕泰氏、第3話、第4話が山室大輔氏となっていた。
第1話、第2話も面白かったが、登場人物、特にリカの行動に一貫性が欠け、ストーリーにやや強引さが感じられた。
また、第5話は冗長感の他に、ある手法が使われているのが気になった。
それは、漫画家との打ち合わせ中、空井が使っていた自衛隊グッズのイーグルのボールペンを欲しがった漫画家に、片山が勝手にあげちゃったシーン、それから、バーに一人残された空井と藤枝(リカと同期)が会い、好きなタイプを聞かれたシーン。この両シーン、直後の展開を隠して、あとで種明かしするという手法が使われた。
私としては、空井が使っていたボールペンを漫画家が使用しているのを目撃して、空井からもらったと聞きショックを受ける展開になるのかと思った。
電話でリカが空井をデートに誘い空井が断ったシーンだが、このシーンも視聴者に肩透かしを食わせる演出だった。この時、バーでの会話を時間軸に沿って明かしてしまうと、肩すかし効果が薄れてしまう。
個人的には、空井とリカの恋愛ストーリーで盛り上げなくても、充分に素晴らしいドラマだと思う。なので、恋話は「ついで」ぐらいのポジションで十分で、余計な小細工は不必要だと思う。
と、文句はつけたが、高射群機動展開訓練のエピソードはよく練られていた。
自衛隊車両同士の衝突事故で、連絡係に古賀准尉(的場浩司)が来ることにより(ちょっと偶然過ぎではある)、柚木と古賀の接触機会が増え、柚木の仕事ぶりを目にする古賀、古賀の上司の赴任1年の女性隊員が、伸び伸び仕事していることから、古賀たちの男性隊員の接し方を推し量るなど、単なる後悔・懺悔のエピソードでは終わっていない。
ただ、「自分のくだらない自尊心で組織を停滞させることが二度とあってはならない」という言葉は、間接的過ぎ。「傷つけて悪かった」とはっきり謝ってほしかった。
また、その衝突事故の報道対応も、過去のエピソードのメディアトレーニング(記者会見シミュレーション)に繋がったり、ガツガツ記者の暴走のシーンもリカの活躍と成長を感じさせた。
ニュースで流された柚木のオッサンぶりは面白かったが、ダミーのミサイルとは言え、その車両が衝突事故を起こしたことは、きちんと反省しなければならない。あの記者会見があそこで終わるのは拙かっただろう。
それにしても、経験を積み重ねた男性隊員(的場浩司の実年齢は44歳で、ドラマでの設定も35~40歳ぐらいと思われる)が、赴任一年の若い女性隊員(この隊員の場合幼ささえ感じた)の指示に従うのは、抵抗があるだろうなあ。
それと、柚木が訓練の統括を行っていたが、広報室所属の隊員が統括することってあるのかなあ?報道に関しての責任者というのなら分かるが。
あのガツガツ記者が割り込んできたとき、カメラマン助手が「なんじゃあ!」と大声で凄むのは余分かな。せめて、睨みをきかすぐらいに留めてほしかった。
今週のベスト会話
リカ「マスコミに公開されるのは深夜0時からの訓練で、各社の報道も、けっこう集まるみたいです」
阿久津「ウチの番組で扱うなら、そもそもの説明が要るな。何だかちっとも、わからない」
リカ「じゃあ説明用に昼間の取材ができるかどうか、訊いてみます。
阿久津「………………顔が違うな」
リカ「えっ」
阿久津「最近なんか、いい顔しているじゃないか。前は毎日不景気な面してたがなあ。
仕事は楽しめ。その方が、人生得だぞ」
リカ「どうしたんですか?遺言みたいなこと言って」
阿久津「ふっ、勝手に殺すな」
リカ「まさか、奥さん、出て行っちゃったとか?」
(動きが止まる阿久津)
リカ「えっ、ほんとにぃ?…なんで?」
阿久津「いやぁ、お…」(阿久津の言葉を遮るようにリカの携帯が鳴る)
リカ「ちょっとすいません…」
と、リカ、去っていく。
今週のベスト会話、次点
柚木「(朝焼けを見て)綺麗だね………………あいつにも見せてやりたかったな」
そのあいつ(槙)も、デスクワークを終え広報室の窓から朝焼けを見ていた
リカ「空井さんが雲の上から見ていた空は、もっときれいなんでしょうね」
空井「雲の上のもっともっともっと上です。高度が上がるほどだんだん青が濃くなって深くなって……この先に宇宙があるんだって感じられる…静かで澄んだ世界です」
リカ「大違いですね。地上とは……ゴチャゴチャしてて、揉め事ばっかりで。
空井「だから楽しいんじゃないですか。こっちの世界は。
色んな人がいて、色んな気持ちがあって、キレイな朝焼けを一緒に見たいと思える人がいたりして」
今週のベスト会話、次点その2
鷺坂「よくやったよ、……柚木。……………よくやった」
【ストーリー】番組サイトより
新企画「自衛隊で活躍する女性幹部に密着!」が通り、柚木(水野美紀) が担当する高射群機動展開訓練の密着取材を進めるリカ(新垣結衣)は、見違えるほど活き活きと仕事に取り組むようになっていた。
ある日、防衛大の見学からギクシャクしたままの柚木と槙(高橋努)の仲を取り持つため、空井(綾野剛)に頼まれたリカは柚木を、空井は槙を誘い、行きつけのBARに集合することに。気まずさからすぐ帰ろうする2人を何とか留めるリカ。そのうち柚木は11年前の高射隊にいた頃の話をし始めると、男らしく振舞う柚木に槙は再び反発し、結局ケンカ解散となってしまう。
翌日、柚木は鷺坂(柴田恭兵)から 古賀准尉(的場浩司)が訓練にいることを知った槙から、訓練に補佐で参加させて欲しいと申し出があったことを聞くが、槙を一蹴してしまう。
いよいよ入間基地で高射隊の訓練がマスコミ公開で始まる。基地に着くなり「槙は柚木の気持ちが分かっていない。」と言うリカと「槙の気持ちも知らないで柚木は強情すぎる。」と言う空井とで言い争いをしていると、訓練に向かっていた車両が交通事故にあったと無線が入る。
11年前に柚木に何があったのか?槙が知る柚木の過去とは…?柚木は無事に高射隊訓練を終えることが出来るのだろうか…。
前話はあれで終わっても良いような出来だったので、今回はやや冗長感があった。と言っても、一応のケリがついたのですっきりして良かったと言える。
ここまでの5話、期待以上に面白かった。
特に第3話と第4話はおもしろく、第4話の一つ一つの会話に登場人物の思いが込められている奥の深さ、また、過去の感傷・トラウマや現在の意思が精妙に積み上げられたストーリーに引き込まれた。
これに比べ、冒頭に述べた2話に引き伸ばした冗長感のせいかもしれないが、第4話と第5話では、若干の質の違いを感じた。
そこで、調べると、第1話、第2話、第5話が土井裕泰氏、第3話、第4話が山室大輔氏となっていた。
第1話、第2話も面白かったが、登場人物、特にリカの行動に一貫性が欠け、ストーリーにやや強引さが感じられた。
また、第5話は冗長感の他に、ある手法が使われているのが気になった。
それは、漫画家との打ち合わせ中、空井が使っていた自衛隊グッズのイーグルのボールペンを欲しがった漫画家に、片山が勝手にあげちゃったシーン、それから、バーに一人残された空井と藤枝(リカと同期)が会い、好きなタイプを聞かれたシーン。この両シーン、直後の展開を隠して、あとで種明かしするという手法が使われた。
私としては、空井が使っていたボールペンを漫画家が使用しているのを目撃して、空井からもらったと聞きショックを受ける展開になるのかと思った。
電話でリカが空井をデートに誘い空井が断ったシーンだが、このシーンも視聴者に肩透かしを食わせる演出だった。この時、バーでの会話を時間軸に沿って明かしてしまうと、肩すかし効果が薄れてしまう。
個人的には、空井とリカの恋愛ストーリーで盛り上げなくても、充分に素晴らしいドラマだと思う。なので、恋話は「ついで」ぐらいのポジションで十分で、余計な小細工は不必要だと思う。
と、文句はつけたが、高射群機動展開訓練のエピソードはよく練られていた。
自衛隊車両同士の衝突事故で、連絡係に古賀准尉(的場浩司)が来ることにより(ちょっと偶然過ぎではある)、柚木と古賀の接触機会が増え、柚木の仕事ぶりを目にする古賀、古賀の上司の赴任1年の女性隊員が、伸び伸び仕事していることから、古賀たちの男性隊員の接し方を推し量るなど、単なる後悔・懺悔のエピソードでは終わっていない。
ただ、「自分のくだらない自尊心で組織を停滞させることが二度とあってはならない」という言葉は、間接的過ぎ。「傷つけて悪かった」とはっきり謝ってほしかった。
また、その衝突事故の報道対応も、過去のエピソードのメディアトレーニング(記者会見シミュレーション)に繋がったり、ガツガツ記者の暴走のシーンもリカの活躍と成長を感じさせた。
ニュースで流された柚木のオッサンぶりは面白かったが、ダミーのミサイルとは言え、その車両が衝突事故を起こしたことは、きちんと反省しなければならない。あの記者会見があそこで終わるのは拙かっただろう。
それにしても、経験を積み重ねた男性隊員(的場浩司の実年齢は44歳で、ドラマでの設定も35~40歳ぐらいと思われる)が、赴任一年の若い女性隊員(この隊員の場合幼ささえ感じた)の指示に従うのは、抵抗があるだろうなあ。
それと、柚木が訓練の統括を行っていたが、広報室所属の隊員が統括することってあるのかなあ?報道に関しての責任者というのなら分かるが。
あのガツガツ記者が割り込んできたとき、カメラマン助手が「なんじゃあ!」と大声で凄むのは余分かな。せめて、睨みをきかすぐらいに留めてほしかった。
今週のベスト会話
リカ「マスコミに公開されるのは深夜0時からの訓練で、各社の報道も、けっこう集まるみたいです」
阿久津「ウチの番組で扱うなら、そもそもの説明が要るな。何だかちっとも、わからない」
リカ「じゃあ説明用に昼間の取材ができるかどうか、訊いてみます。
阿久津「………………顔が違うな」
リカ「えっ」
阿久津「最近なんか、いい顔しているじゃないか。前は毎日不景気な面してたがなあ。
仕事は楽しめ。その方が、人生得だぞ」
リカ「どうしたんですか?遺言みたいなこと言って」
阿久津「ふっ、勝手に殺すな」
リカ「まさか、奥さん、出て行っちゃったとか?」
(動きが止まる阿久津)
リカ「えっ、ほんとにぃ?…なんで?」
阿久津「いやぁ、お…」(阿久津の言葉を遮るようにリカの携帯が鳴る)
リカ「ちょっとすいません…」
と、リカ、去っていく。
今週のベスト会話、次点
柚木「(朝焼けを見て)綺麗だね………………あいつにも見せてやりたかったな」
そのあいつ(槙)も、デスクワークを終え広報室の窓から朝焼けを見ていた
リカ「空井さんが雲の上から見ていた空は、もっときれいなんでしょうね」
空井「雲の上のもっともっともっと上です。高度が上がるほどだんだん青が濃くなって深くなって……この先に宇宙があるんだって感じられる…静かで澄んだ世界です」
リカ「大違いですね。地上とは……ゴチャゴチャしてて、揉め事ばっかりで。
空井「だから楽しいんじゃないですか。こっちの世界は。
色んな人がいて、色んな気持ちがあって、キレイな朝焼けを一緒に見たいと思える人がいたりして」
今週のベスト会話、次点その2
鷺坂「よくやったよ、……柚木。……………よくやった」
【ストーリー】番組サイトより
新企画「自衛隊で活躍する女性幹部に密着!」が通り、柚木(水野美紀) が担当する高射群機動展開訓練の密着取材を進めるリカ(新垣結衣)は、見違えるほど活き活きと仕事に取り組むようになっていた。
ある日、防衛大の見学からギクシャクしたままの柚木と槙(高橋努)の仲を取り持つため、空井(綾野剛)に頼まれたリカは柚木を、空井は槙を誘い、行きつけのBARに集合することに。気まずさからすぐ帰ろうする2人を何とか留めるリカ。そのうち柚木は11年前の高射隊にいた頃の話をし始めると、男らしく振舞う柚木に槙は再び反発し、結局ケンカ解散となってしまう。
翌日、柚木は鷺坂(柴田恭兵)から 古賀准尉(的場浩司)が訓練にいることを知った槙から、訓練に補佐で参加させて欲しいと申し出があったことを聞くが、槙を一蹴してしまう。
いよいよ入間基地で高射隊の訓練がマスコミ公開で始まる。基地に着くなり「槙は柚木の気持ちが分かっていない。」と言うリカと「槙の気持ちも知らないで柚木は強情すぎる。」と言う空井とで言い争いをしていると、訓練に向かっていた車両が交通事故にあったと無線が入る。
11年前に柚木に何があったのか?槙が知る柚木の過去とは…?柚木は無事に高射隊訓練を終えることが出来るのだろうか…。