英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『幽かな彼女』 第5話「体罰、という言葉の魔力」

2013-05-08 20:36:14 | ドラマ・映画
今週のことば
「人間は誰だって間違いを犯すことがある。子どもだったら尚更だ。そういう時、子どもを叱って、反省させて、許してやるのが大人の、親の務めってもんだろう。
 なのにあんたはどうだ!感情に任せて息子に怒りをぶつけてただけじゃないか。あんたがそうやって追い込むから、藤江は後戻りできないとこだったんだ。
 覚えとけ、怒ることと叱ることは、全然違うことなんだよ」


 成績トップ(葉山風)が他者を馬鹿にし、言葉で傷つけた。
 傷つけられた者(藤江俊介)が、カッターナイフで復讐しようとした。
 それを教師の岩名が見かけ、藤江が逃げ、岩名が追う。
 パソコン室に逃げ込んだ際、藤江が転び、メガネが壊れ、頬の上部を切る。
 事情を問いただす岩名に、藤江は父親には内緒にするよう懇願。
 父に言うなら、葉山を道連れに死ぬと脅す。
 そこに、余計な女性教師が乱入し?
 岩名が藤江を殴ったと誤解し、事態を大きくした。

と言うのが、真相だった。
 岩名は、葉山に危害が及ぶことを恐れ、また、藤江が自ら本当のことを話してくれると信じて、真相を語らない。

 問題を大きくした最大の原因は、自分が正しいと思うこと以外は受け付けず、自分の価値観を押し付ける父親だった。普段の彼の言葉も相手を思いやる気持ちがなく、暴力と同じだった。
 そんな偏った考えで、言葉を凶器に変える者が、新聞記者で大丈夫なのか?
 新聞記者は公正で客観的で、言葉が暴力になることを常に肝に銘じる必要があるというのに……
 こんな父親でなければ、藤江も葉山の言葉に切れることはなかったはず。

 更にダメだったのは、教育委員会・管理局・教育指導係の驫木
 「我々教育委員会が最優先するのは、真相の解明ではなく、事態の迅速な鎮静化です」
 ……最低だね。


 岩名は他の教師からも生徒からも信用があり、藤江の話も信憑性がなかった。
「岩名が暴力(体罰)を振るうとは思えず、もし振るったとしても、よほどの理由があったのだろう。
 (ドラマの定番だが)誰かを庇っているのだろう」
というのが、視聴者を含めた一般的な推測。


「言葉も暴力なんです。
 葉山さんには周りの人間が馬鹿に見えるのかもしれませんけど、
 だからと言って、言葉で周りの人を傷つけていたら、
 それは勉強なんかより、ずっと大切なことが理解できていない
ってことなんです。
 藤江さんのしたことは、もちろん許されることじゃはありません。
 それでも、ちゃんと謝って、話し合うべきだと思います」


 ちょっと押しが弱いなぁ。確かに、「言葉は暴力」「勉強より大切なことがある」ということは、諭しているが、葉山を心配する藤田のことに触れないのはどうなのだろう?(もしかしたら、後々、解決するのかもしれない)。
 勉強より大切なこと……金、権力、男…違った……友情、夢、家族。この辺をもっと強調して欲しかった。

 アカネは今回、直接関係しなかった。
 死因となったと考えられる刀傷。それを暁に相談しようとしないのは、
暁に「自分が刺されるほど恨まれるような人間だったと思われたくなかった」から。
 意地らしいなあ。

 それでも、暁と気になる会話を……
「素敵な世の中じゃないですか、今って。携帯とかメールとか、インターネットとか、そういう、人と繋がる方法がたくさんあって。
 一人で寂しい思いをしなくてすむでしょ。いつでも繋がっていられるし…分かりあうことだって(できる)」
「本当の意味の繋がりって、そういうの関係ないだろ」



「ぶつかることで伝わるものがある……今はそんな時代じゃないですから」(by 岩名)
 無理やり体罰問題に引き込まれてしまった千穂(前田敦子)
 しかし、そのことによって、今まで見えていなかったものが見えてきたようだ。


今週のタイトル「体罰、という言葉の魔力」って、内容にフィットしていないように思う。

【ストーリー】番組サイトより
暁(香取慎吾)のクラスの藤江俊介(萩原利久)が校内でケガをした。俊介は岩名(嶋政宏)に殴られたと訴えるが、岩名は体罰を否定。だが、事情を聞こうとする和泉(真矢みき)に何も話そうとしない。

体罰のうわさは広まり、抗議の電話の対応に追われる千穂(前田敦子)ら。教室では、ともみ(上白石萌歌)が俊介におびえるような風(柴田杏花)の態度に気づき…。そんな折、教育委員会の轟木庸一郎(加藤虎ノ介)が学校に現れ、岩名の謹慎を要求。和泉は事実がはっきりするまで処分を下すべきではないと抵抗するが、轟木はマスコミが騒ぐ前に騒動を収めたいと、岩名に生徒との接触を禁じる。

まもなく行われたPTA説明会で、新聞記者でもある俊介の父親は、体罰があったと認めない学校を追及すると息巻く。このままでは岩名への厳しい処分は避けられない。俊介が嘘をついているのではと疑う暁は、岩名に真実を話すよううながすが、岩名は口をつぐんだままだ。

そんなとき、ともみから相談を受けた暁は、風が真相を知っていると察する。まもなく、俊介に声をかけられた風が、突然取り乱して教室を飛び出す騒ぎが。暁は、心配するともみに風が言い放った「あんただって、私のこと憎いと思ってるくせに」という言葉が気になり…。

その夜、暁はアカネから「多分、私が死んだ理由です」と腹の刺し傷を見せられる。アカネは、自分が誰かに刺し殺されるほど憎まれていたのかと悲しくなり、それを暁に知られたくないと打ち明けられずにいたという。そんなアカネの言葉に、風の苦しみを悟った暁は、風を呼び出して騒動の真相を聞き出す。

学年で成績トップをキープしている風は、万年2位の俊介をバカにし、心ない言葉で傷つけていた。そんなとき、1位になれないことを父親にとがめられた俊介の憎しみは風へ。カッターナイフで刺そうとしたところを岩名に見つかり、逃げた拍子に転倒してケガをしたのだった。

「自分がそんなに憎まれてるって、思ってなかった」とショックを受け、誰にも相談できなかったという風。暁は傷つけたことを俊介に謝らせ、俊介もようやく真実を話す。岩名が黙っていた理由は、父親に怒られるのを恐れた俊介が、親に言えば風を道連れに自殺すると岩名を脅したからだった。

岩名への誤解も解け、風と俊介も和解。小原南中に日常が戻る。そんな中、アカネの過去を調べようと動き出した暁は、学校の古い職員の資料から「滝沢茜」という名前を見つけ…。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする