布施弁天界隈の自然と歴史情報

関東三弁天の一つである柏市布施弁天界隈の城跡、神社、仏閣等の歴史的遺産の紹介とあけぼの山近辺の花情報の提供

映画「赤貧洗うがごとき」の紹介

2008-02-08 | その他
最近の映画に「憑神」(監督降旗康男、主演妻夫木聡)という映画があり、そこに出てくる西田敏行さんが扮する貧乏神はユーモアがあって、笑える部分があるので救われますよね。でも、今回紹介する映画「赤貧洗うがごとき」の赤貧は、ある意味で、次元が全く違う非常に凄惨な貧乏神ではないでしょうか。(意味が違うかな?)
自分も何回か足尾銅山跡には行きましたが、現在でも赤っぽい山肌がむき出しとなっている。トロッコ電車に乗って、約700メートルの構内も見学しましたが、なぜか、佐渡金山の構内より悲惨に思えてしまうのです。佐渡金山は、流人の島という先入観念があるので、過酷さはある程度理解できるが、足尾銅山は近代化という過程の中で、普通の庶民(農民)が何も悪さをせず、普通に暮らしていたのに、被害を受け、切り捨てられることに、何かやるせなさを感じるのです。こちらの方が悲惨さを感じてしまうのです。
この映画の監督である池田博穂さんって、自分は全く知らなかったので、ちょっと調べてみました。監督は、1950年秋田県に生まれ、法政大学を卒業。その後全農映をふりだしに助監督・監督として活動し、現在に至っているそうです。山本薩夫、今井 正、橘 祐典などの監督にも師事しているようです。「天保水滸伝・大原幽学」「東京大空襲・戦争と平和」「ガラスのうさぎ」「マタギ」「オーロラの下で」(日ソ合作)などの作品にもかかわっています。監督作品として「豊饒の大地」「東京大空襲・子どもたちの証言」「江戸前料理・粋と洒落」「犬張子」、その他テレビドキュメントを含めて多数制作し、「平和」と「生きる大切さ」を描いている監督らしい。
この映画は、谷中村廃村100年企画、田中正造ドキュメンタリー映画と銘打っている。だから、サブタイトルも――田中正造と野に叫ぶ人々――となっている。写真のチラシの後ろには、一昨年の秋に完成以降、自主上映会が組織され、全国60会場で上映され、述べ3万人以上が観たという映画だと書かれている。そして、地球環境映像祭でも入賞しているとのこと。
映画の内容は、言わずと知れた日本の公害の原点といわれる足尾銅山の公害をめぐっての田中正造の一代記といってよいでしょうね。先にも述べたように、明治の時代、日本の近代化・富国強兵のもとに、足尾銅山は銅産出量が日本一になっていた。しかし、その裏で起こっていたのが、いわゆる公害。国会が開設され、議員となった田中正造は、枯れた竹や農作物を示し、鉱毒被害の凄まじさを訴え、鉱業停止を訴え続けた。『亡国にいたるを知らざれば、これすなわち亡国』と国会での正造の演説、更には「予は下野の百姓なり」と訴える正造。ついに農民たちも立ち上がる。しかし、―――。この日本の公害の原点ともいえるドキュメンタリー映画は、地球規模での環境破壊が進む現在、我々に何が大切かを考えさせてくれるのではないでしょうかね。あまりに硬い映画なので、好き嫌いも多いかも知れないが、一見に値することだけは、違いないでしょう。では、以下に、この上映会を簡単に紹介します。
開催日時     2008年3月23日(日)開場18:30~ 上映19:00~
開催場所     アミュゼ柏クリスタルホール
入場料金     一般前売り1,200円(当日券1,500円)
           シニア(60歳以上)と高校生1,000 
           中学生以下500円
チケット売場    浅野書店(柏駅東口スカイプラザ地階1階)
主   催     「赤貧洗うがごとき」上映実行委員会
後   援     柏市、我孫子市、松戸市、他
申し込み     電話とFAX  047-360-6064(吉野) 
問い合せ     同上 
なお、この映画はDVD上映で、約98分かかります。また、駐車場が狭いので、車での来場はご遠慮下さいとのことでした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする