プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

神戸空港開港1年  やっぱり無駄な公共事業だった?

2007-02-16 19:13:45 | 政治経済
神戸空港は、もともと計画段階から関西空港と伊丹空港に近接する場所に何故もう一つ空港をつくるのかという必要性や採算面の問題、狭い空域である大阪湾上空の安全性の問題、空港島埋め立てによる海洋の環境問題などの諸々の問題を抱えたまま、先に建設ありきで出発した無駄な公共事業の典型であった。公共事業のうち、空港などのいわゆる運営事業は、マンション販売の損切りなどと違って、毎年、毎年赤字が累積するので、損失リスクは青天井である。年間319万人の旅客需要見込みの実績は270万人前後(1月末で258万人)、月平均60%台だった航空機の座席利用率は、1月には52・7%まで落ち込んだ(「しんぶん赤旗」2007年2月16日)。

空港島建設のための借金2千億円の返済が2009年度から始まるが、返済の目途はまったく立っていない。市は造成した空港島北側の土地77㌶を民間に売却などする予定であったが、売れたのはレンタカー会社向けの0・3㌶だけである。空港関連事業も不振である。いったん休業していた関空への海上アクセスを昨年7月に再開したが、定員120人の船に一回平均15人という惨状である(「しんぶん赤旗」同上)。

先に建設ありきでいい加減なFS(feasibility study)をでっち上げた市行政当局、30万以上の直接請求があった住民投票条例案を否決してまで建設を推進した自民、公明、民主の議会「オール与党」勢力はどう責任をとるつもりか。一昨年3月には、これら3党の市議団長が、矢田市長らに直談判して空港ターミナルビル4階部分の増設を(建設費約5億3千万円)認めさせた疑惑まであるという。そのときの自民党市議団長は、収賄罪で逮捕された村岡功であった((「しんぶん赤旗」同上)。

お先真っ暗な中、空港に税金を使わないといってきた市は「空港建設に税金を使わないと言ったけど、空港の運営に使わないとは言っていない」と空港会計への税金投入を言い出している。まさに「その国の政治がアホなのは国民がアホだから」を地で行くようなものだ。自民、公明、民主の議会「オール与党」を支持した神戸市民は納得かも知れないが、共産党や新社会、空港反対の無所属議員を支持した市民はたまったものでない。そのしわ寄せが、市民福祉や教育に来ることは万国共通だからである。アメリカ国民はもっとも愚かな公共事業=イラク戦争予算のしわ寄せをもろに受けている。日本国民も各自治体住民も多かれ少なかれみな無駄な公共事業のしわ寄せを受けている。何故か。無駄な公共事業で儲ける勢力が政治を牛耳ってアホな国民がそれを見抜けないからである。どうするか。簡単なことである。自民、公明、民主党が公認・推薦した首長や議員から予算を住民本位に使うことを実行する首長や政党の議員へ投票一揆を起こすことだ。

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1 コメント

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Unknown (fuzu-fuzu)
2007-02-17 21:40:01
何故あそこに空港が出来たのか、いま尚不可解です。
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