今国会で最低賃金法の改正が予定されている。どの程度の最低賃金の引き上げにつながるか。全労連も連合も今春闘で非正規労働者の賃金について「時給1000円以上」を一致して掲げている。都道府県が地域別の最低賃金の額を決める際、その地域の生活保護の支給額に配慮する必要があることを最低賃金法に明記したからといって、すべての国民に「健康で文化的な最低限度の生活」を保障した憲法25条(生存権)が実現されるわけではない。政府が、最低賃金を抜本的に引き上げるのではなく、“生活保護基準が高すぎる”といって、老齢・母子加算を削減・廃止するなど生活保護の方を逆に引き下げようとしているからである。最低賃金をどの程度の水準に決定するかは、一国の資本主義経済のルール設定の問題であり、結局は階級闘争の力関係で決まる。
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