プロメテウスの政治経済コラム

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政党選択の本質そらしに狂奔  民主党を激励する「朝日新聞」の異常

2007-02-23 15:59:53 | 政治経済
統一地方選の争点がどこにあるかは、少しまじめに地方政治を見るものならば、「自・公・民“オール与党”」を選ぶのか、「日本共産党」を選ぶのかにあることは明らかである。民主党は、国政の上では、形式上は野党であるが、地方政治における自民、公明、民主の各党は、全国ほとんどの自治体で、知事や市長の出す予算案や議案に何でも賛成の文字どおりの「オール与党」になっている。自治体においては、自民党と民主党の間には、与党という点で違いはなく、まったく同じ流れにあるのだ。そういうなかで唯一の野党として住民の声を議会に届ける役割を果たしているのが、日本共産党の議員である。自公に対抗するものでない民主を激励し、読者に「自・公・民“オール与党”」の実態を隠す「朝日」はありのままの事実を報道するというジャーナリズムの初歩中の初歩をもはや失ってしまったのだ。

全国の自治体でいま共通に問題になっていることは、▽住民福祉の機関としての自治体の役割を投げ捨てるのか、それを守るのか―自治体が国の社会保障・福祉切捨て政策をそのまま受け入れ、時には輪をかけて「福祉のこころ」を投げ捨ててしまっていいのか▽無駄な大型開発、大企業誘致の補助金などの無駄遣いを進めるのか、やめるのか▽政務調査費の私的使用・豪華海外視察のような議員としてあるまじき行動をただすのか、続けるのか――などである。これらの問題すべてで、その対決の構図は、自・公・民『オール与党』対日本共産党なのだ。
「朝日社説」(2007年2月23日)は「政権をうかがう民主党には、待ちに待った反転攻勢の第1歩であるはずだ。なのに、動きに迫力が見えないのはどうしたことか。」と嘆いてみせる。アホか! 地方政治がほとんど“オール与党”なのに選挙で元気がでたら詐欺である (もっとも小沢代表は、いっせい地方選、参院選に向けて「自民党との対立軸」を示していくとしているが・・・)

今日の民主党をどうみるかは、日本の政治を見るうえで重要な焦点の一つである。まともなマスコミならば本来こういったことこそ解明すべき問題であるはずなのだが・・・。
民主党は、2003年10月の自由党との合併を契機に、憲法改定、消費税増税、選挙制度改悪など、日本の進路にかかわる重大問題について、自民党政治と同じ流れに合流し、財界からもアメリカからも信頼されるもう一つの保守政党へ完全に変質した。この変質は、財界主導で、財界のシナリオのもとに、財界の直接的な関与によってすすめられたものであった。
民主党は、自民党とともに、財界の直接支配のシステムに組み込まれた。日本経団連は、毎年、政党評価のポイントとなる「優先政策事項」を発表する。つづいて日本経団連と自民党、民主党との「政策を語る会」が開かれ、そこに向けて両党は基本政策の「レポート」の提出が要求されるのだ。そして両党への一定期間の「考課表」が五段階評価で決められ、企業献金の配分がおこなわれる(「しんぶん赤旗」2007年1月6日)。

2004年から06年にかけて、すでに四回にわたって「考課」がおこなわれ、民主党の「成績」は回を追うに従って上がっている。法人税率引き下げを検討する、消費税増税に必然的につながる消費税の福祉目的税化、社会保障費の抑制、混合診療解禁の容認や市場化テスト法案への賛成など規制緩和、教育基本法改定、憲法改定などの民主党の政策は、すべて日本経団連の要求にこたえ、その意向に沿う形でみずからの政策を変化させ、財界に誓約する形で打ち出されてきているのだ(「しんぶん赤旗」同上)。
「朝日」の政治記者がこのような事実を知らないはずがない。知っている事実をわざと言わない、読者を意味のない選択に誤ち導く。まさに権力に奉仕する確信犯といわざるを得ない。

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