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記憶遺産

2011-05-26 20:08:41 | Weblog
 今日26日の朝刊に「ユネスコの記憶遺産に山本作兵衛の炭坑画が選ばれた。」という小さな記事が載っていました。
原画は福岡県田川市が所蔵しているようです。

この山本作兵衛氏が「地の底の笑い話」(上野 英信 著)の挿絵を描いています。
(というより山本氏の絵を挿絵に使っている。)
この本は岩波新書で1967年5月20第1刷発行になっています。
現在、在庫僅少ながら残っているようです。

「地の底の笑い話」は岩波書店のウェブサイトから引用すると

「ボタ山のふもとの納屋生活のあけくれ、また、一秒後の生命の保証もない坑内労働の合いま合いま、折にふれて老坑夫たちの語ってくれた、懐かしい笑い話。
“幼い頃から筑豊炭田のあらあらしい脈動をききながら育ち、敗戦後はいくつかのヤマで働き、生涯を炭鉱労働者とともに生きたいと願ってきた”著者が生き生きと描き出す労働者像。 」


と、解説されています。

今はもう歴史になってしまっている?筑豊の炭坑。そこで地の底にもぐり働いた労働者の生活を描いたのが山本作兵衛さんです。
無くなって行く物を絵に描くことで孫たちに残したいという思いがあった様ですが、山本氏が描き残すことで今回人類の記憶に残る事になりました。
今更ながら山本氏の慧眼と多大な努力に感謝です。

小舎主がこの本を買ったのは1979年2月15日発行の第13刷。(ちなみにお値段は320円)

父が飯塚で炭坑夫をやっていて、小舎主も小学校を出るまで炭住で育ったので、上野英信さんの「地の底の笑い話」「追われゆく坑夫たち」は外せない読書対象でした。
( 追われゆく・・・は品切重版未定)

ユネスコの記憶遺産の存在はきょうまで知りませんでしたが、炭坑が無くなりボタ山も炭住も無くなってなにも無かった事になりそうな筑豊の炭坑の歴史がこういう形で残る事になりとても喜んでいます。
久しぶりに新聞でうれしい記事を読みました。

きょうは写真なしですが、うれしい更新です。
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