珍しく明菜姉ちゃんが画材屋にいる。
明菜「おじさんが仕入れに出かけているから、今日は留守番なの」
明菜姉ちゃんの手元の小さなスケッチブックにイラストが描かれている。
「若い人たちの裸婦群像かぁー・・・・、珍しいテーマだな」
明菜「群像!?、ハハハそう見えるかァーー」
明菜「実は群像のスケッチじゃないんだ!!」
「ハア!?・・・・」
明菜「私の子供達のイメージ!!!」
「 へえーーっ」
明菜「18歳で彼氏と結婚して子供が生まれるじゃん。それで毎年1人ずつ制作すると7人。我が家と一緒。30歳までに7人つくる計画なの!!!」
「あちゃー、ホントにやるんだ・・・・」
明菜「彼氏も半信半疑。でも可能だよね」
「毎年年子!?。イラストは年齢がにているから一度に双子かなぁー、でっ!!!」
明菜「だって今は3人目からは国から補助金が出るのよ。それで5人分育てるの!!!」
「壮大なすばらしい計画!!!」
明菜「でしょう。これで決まりだ!!!」
「彼氏は、なんていうかな?」
明菜「彼は私の言いなりです。だから冷めないうちに沢山つくっちゃお!!!」
「彼氏は、これから大学に行って絵の勉強して、社会に出で・・・、そんな人生があるじゃん」
明菜「だから地元の芸大で十分。それであとは教員採用試験を受けて中学か高校の先生になればOKだよね」
「もう、男の人生を決めちゃうの?」
明菜「人生に未来があるって幻想よ。絵の世界なんか他に食べる道はないから、学校の先生で決まり!!!」
「パパみたいな人生だ」
明菜「あれでいいのよ。パパジュニアが沢山出来て・・・」
「ジュニアじゃなくて孫!。でっ育てるのは?」
明菜「もち、パパリン達よ。だから家の近くに住むの」
「私、産むので忙しいから。パパ達育ててねかよ・・・」
明菜「そうよ。パパ達が元気なうちに7人の制作計画!!!」
「男も疲れそうだな!」
明菜「大丈夫、これっ!」
そういってバックから婦人体温計をみせてくれた。
明菜「禁欲生活を続けて、排卵日の時に一気に三発かな!。小春と競争よ!!」
あちゃー、そういうことだったのか。明菜姉ちゃんの排卵日が来て『今日は排卵日だから続けて撃つのよ!』。でっ、彼氏が『いやチャージさせてよ!!』。すると明奈姉ちゃんが『そんなのあとあと、さあ続けてゆこう!!!・・・』そんな会話を連想していた。
明菜「おじんさん、何考えてんの???」
「あっ!!!、いやいや、7人の子供達が走るまわる様はすごいだろうなと思ってさ・・・」
明菜「絵具買いに来たんじゃないの?」
「あっ!、それそれ!!、シュミンケのスカーレットレッドね」
明菜「その色、よく使うねぇー」
「下地に使うからね」
・・・
そんな話を聞くと、心がすがすがしくなる。夢が膨らむ話だ。
小樽もまだ夏の空気だ。