Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

フィールドワーク698. 六道珍皇寺・六道参り

2022年09月20日 | field work

 

 8月7日から10日迄、六道珍皇寺で六道参りが3年ぶりに開催された。お参りというぐらいだから祭ではない。古来から続くお盆の行事だ。お盆の時だけ故人である精霊達が家に帰ってくる。そしてお盆が終われば精霊達は冥界へ帰ってゆく。高札をみると参拝の道筋が書かれてある。

 先ず高野槙を買い求め、本堂前で故人の戒名を塔婆に書いてもらい、お迎え鐘を突き、薬師如来に拝礼し、故人が無事我が家に帰りますように祈る。そして水塔婆を線香で清め、賽の河原と呼ぶ場所に、高野槙の先で塔婆を湿らせ「水回向」をおこない水桶に収める。高野槙は精霊が宿る「依り代」として持ち帰り、お盆の期間中精霊棚や仏壇に盆花とともにお飾りする。

 水向け桶に収められた水塔婆は群霊塔へ移されお盆の期間中供養がなされる。そして8月17日の大施餓鬼法要にて水塔婆の総供養がなされ、六道の辻においてのお焚き上げをもって五山の送り火にて冥界へ旅立たれ精霊達の帰路の無事祈願がなされお盆の行事は終わる。

 京都五山の送り火は、そうした精霊達を冥界に送る古来からのお盆の行事である。そのためか六道珍皇寺の境内にも、お盆の精霊達を迎えようとする空気だ漂っている。

 2005年に訪れた時の画像ほどの人出はないし高野槙を売る店も少ない。それでも、お盆のしめやかな空気が漂う空間である。

 

六道珍皇寺・六道参り

 

2005年夏

SONYα6600、ZEISS Vario-TessarE16-70mm/F4 ZA OSS

EOS Kiss Digital E20-35mm/F2.8

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