Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ドローイング631. 小説:小樽の翆555. 翠の早熟バージョン

2022年09月04日 | Sensual novel

 

 そういえば最近築港のカフェで美希姉ちゃん達をみかけないなあ。

小春「あらっ、おじさんにいわなかったけ!」

「なんにもしらないよ」

小春「あのねえ、美希姉ちゃん達は今札幌に住んでいるの。直人君のアパートがあるじゃん。一緒に暮らして学校に通っているよ」

「ああっ、同棲中ですか・・・・・」

小春「違うの!。結婚しちゃったの!!」

「うーーん、彼女らしいなぁー」

小春「だって結婚といったって書類1枚役所に出すだけじゃん。簡単だもん」

「結婚式もしないんだ」

小春「そんなのお金がかかるだけだって。だから美希姉ちゃんの専門学校の卒業式の時に学校の仲間達とパーティーかなっていってた」

「確かに一理ある!」

小春「だって、直人君のアパートがあるじゃん。そこで一緒に暮らしているの。二つもアパート借りるのもお金がかかるし、ならば一つでいいじゃんという話になって」

「確かに・・・」

小春「それで美希姉ちゃん達は、ご飯をちゃんとつくって生活しているから、毎日快適なんだって」

「一人暮らしで毎日カップヌードルなんていう暮らしは悲惨だもんね」

小春「私達も早く結婚したいーー。おじさんなんか方法ないの?」

「まだ中学1年生だから、そりゃちと無理ですわな」

小春「つまんないの!」

「そうだ、書類を出すのは先にして、式も後にして、それで生活を先にして一緒暮らせばいいんだ」

小春「そう言う手があるかーーー・・・」

「おさな妻か・・・」

小春「何それ!?」

「いやいや・・・」

今、婚姻年齢は男女18歳だから早熟の小春にはむごい。ならば生活が先、子供を産むのが先、後で婚姻届をだせばよいか。翠の早熟バージョンだ。ありえるのか。12歳になれば身体的に大人だ。だが婚姻年齢との開きが6年ある。それはちとむごいな。婚姻年齢は12歳にすべきだろうな。

そうすると教育関係者が、まだ子供なんだからあんた何をいってるんですか!、となるだろう。だが果たして12歳って子供なんだろうか!?。身体的には既に大人だ。多分教育関係者の古くさく頑固な頭が、小春の人生を阻害しているんだろう。

小春は小学校の頃から家の手伝いをしてきたし、そのうち自分で買い物をして家族の調理をするようになったし、その頃から精神的に大人になっていった。つまり早熟なんだ。だから一緒に住んで結婚同然の生活をしても不思議ではない。

つまり婚姻届けって徴税のための制度だから、男と女の世界には関係ない。人間は、年齢ではなく、生活環境次第でいかようにも精神が成長する。つまり大人になってゆく。

そう考えながら、水泳部の部活にでかける小春の後ろ姿を見送った。

ツカモッチャン家も少しずつ寂しくなるな。・・・いや!、そうじゃない。大量に子供達をつくってやってくるのだ。7人の兄弟姉妹達が7人の子供をつくれば49人の子供達だ。ええっ!、それってどうなるの!!!。

・・・

小樽のスカッとした夏の空が広がっている。

コメント
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