Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

Nikon Freak10. 手遅れ

2016年03月27日 | Kyoto city
 別に建築史が専門ではないが、仕事だから古い民家は勉強や記録のために撮影しておく。しかし古民家は嫌気がさすほど地味。
 ディテールの多い建築の撮影だから撮影レンズは良いにこしたことはない。その良いレンズとは、初見でこの程度の建築の写りかとがっかりし、後日じっくり見回すとやはり撮れていたとわかり安心する。ライツのレンズがそうだった。この画像も似たような案配だな。
 その古民家が京都の街から年を追うに従いなくなってゆく。とても私の記録は追いつかない。多分誰かが記録していると思うので安心はしている。それでも私が記憶する限り相当数の古民家がなくなり、そしてどこにでもある街並みに変わりつつある。従って京都らしい景観は点でしかない。いや京都だけではなく、日本中の伝統様式がなくなりつつある。
 伝統様式が大切だと言いつつ、建築はドラスティックだから、用が無くなれば次の新しい用途に向けた建築が登場してくる。そうして都市が更新してゆくという矛盾する世界だ。
 私などは、自分の設計のためにボチボチと記録しておこうという程度の低レベル意識というほかない。まあ家が町屋だし、改装すれば十分住めるということは理解している。だが民家ではアカン、マンションにして土地の高度利用を計らないと収益があがらんでしょうというディベロッパーの説も、私自身都市開発事業を多々行ってきたのでよくわかる話である。
 じゃどうするかって、ゾーニングで街を区分するんでしょうね。開発できるところと一切開発できないところとを。そこがかっての京都市は結構甘いゾーニングだったのですね。そんな甘いゾーニングで壊してきたからもとには戻らない。その後開発規制を厳しくした。やらないよりはよいとは思いますが手遅れに近いですね。

京都市
NikonDf,CarlZeiss MacroPlaner 100mm/F2.0
ISO720,露出補正-1/3,f2.8,1/400
コメント
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