Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

EOSな日4. 記憶の底を引っ張り出す

2016年03月07日 | field work
 ニコンDfでロッカー1台分のスライドフィルムのデュープを作成したことは前にも書いた。デュープ画像は少しガッカリさせられる写りだったし、使うことのない保存用とあきらめていた。
 だがPhotoshopで修正すると魔法にかけたように、スライドフィルムに近い状態の画像に再生させてくれた。これに気をよくして少しばかりデュープ画像の再生をしていた。
 でっ少し画像の再生を始めたのだが、欧米の画像がちっとも面白くない。欧米の画像は講義でも使用しているが、ブログにすると実につまらない。それは町が整然としすぎているし、多くの人々が既に撮影していることもあるのだろう。そうなるとブログでは混沌とした画像の方が面白い。でっ、やはり20世紀最後の中国だ。
 当時海外はEOS、国内はNikonと使い分けていた。この画像は長江第一湾曲の石鼓鎮という小さな集落である。雨模様の中、ズームレンズに飽きたので、この日は50mm/F2.0という当時8千円の標準レンズで撮影していた。このレンズは予想外に良い描写をしてくれたことを思い出す。
 このフィールド調査では、コダクロームを使った。少し赤系統が強いときもあるが、得も言われぬ発色をしてくれる希有なリバーサルフィルムである。
 今では、コダクロームというフィルムも、コダックという企業もなくなってしまったし、中国の混沌とした世界といい、当時のフィルム機材といい、なんか記憶の底から引っ張り出すような感じでもある。

EOS3,EF50mm/F2.0,コダクロームII
コメント
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