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Creator's Blog,record of the Designer's thinking

毎月、おおよそドローイング&小説(上旬)、フィールド映像(中旬)、エッセイ(下旬)の3部構成で描き、撮り、書いてます。

PEN LIFE657. 名古屋帯

2013年06月19日 | Kyoto city
 今日は午後から実に久しぶりに雨が降った。前回まともに雨が降った記憶というと、奈良で雨に降られOM-Dが冠水した5月20日頃と記憶している。
 京都にも待望のまともな雨、さて街の徘徊に出かけるかと思いきや、疲れ果てて身体が動かない。雨の日は静養したい気分だが、明後日からデザイン学会の大会なので、三日間関東地方だ。これも疲れる仕事だ。
 最近古典建築に関心がシフトしている。目下ルーブル美術館の図面を起こすべく、資料を集めながら熟慮している。意外なことに西洋建築は、正確な平面図というものがほとんどない。そのかわり立面に関しては、図面はもとよりたくさんの論文が存在している。それは建築への関心は立面にしかないといってもよいぐらいだ。
 しかし立面図だけでは、建築全体のCGが起こせないのですね。だから航空写真と見比べながら、案内図に近い簡略な平面図をもとにして、採寸し、寸法化してCGがつくれる平面図を起こすのですね。これが寸法とのジレンマといってもよいぐらいの悩みおおき仕事なのです。
 でっ、最近歳のせいか古典建築は美しいという美意識が芽生えちゃいました。古典建築といっても復元された東京駅なんかじゃないですよ。あれは西洋建築のコピーにすぎませんから珍奇な代物です。私が言うのは、ヨーロッパの本物の西洋建築ですよ。
 もう一つ話題、国立京都迎賓館が数年前に竣工しました。各国の国賓が泊まるところですね。日本建築の様式美の固まりなのですが、写真で見るとどこか堅実で地味で華やかさがない。その理由が日建設計名古屋支社のデザインだということを聞いて納得。つまり迎賓館は、名古屋帯なのですよ。名古屋帯のように大変に、大変に地味であるわけです。
 私的には、東京の皇居新宮殿の方が好きですね。こちらは東京下町生まれで東京芸大教授の吉村順三さんのデザインですから、どこかしゃいなとろこがある。でっ、皇居新宮殿も京都迎賓館も設計者は、東京芸術大学出身だというところが面白い。
 こんな風に現代建築に背を向けて、私的には古典主義建築にはまり込むというのも、なかなか優雅な趣味かなと思ったりして。学生達にはSANAAだ!、フランクゲーリーの三次曲面だ!、といって実習をさせているのですがね。

京都市
OLYMPUS OM-D E-M5 Carl Zeiss Makro Planar100mm/f2.8ZF
ISO200,露出補正-1.f4,1/400.
コメント
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