みことばざんまい

聖書を原典から読み解いていくことの醍醐味。この体験はまさに目からウロコ。

#399 神の法第三戒

2019年09月01日 | 神の法
第3戒
律法の否定的性格
 
p101~
The Negativism of the Law
The Third Commandment
The Institutes of Biblical Law
Rousas John Rushdoony

◇◇

第三戒は次のように宣言する。

出エジプト記20:7
あなたは、あなたの神、主の御名を、みだりに唱えてはならない。主は、御名をみだりに(in vain)唱える者を、罰せずにはおかない。

申命記5:11
あなたは、あなたの神、主の御名を、みだりに唱えてはならない。主は、御名をみだりに唱える者を、罰せずにはおかない。

この戒めを分析する前に、律法の中でも、特に現代人を不愉快にする側面に注意を向ける必要がある。

その側面とは律法の否定的性格(negativism)。

十の戒めのうち、八つは否定形で述べられている。

他の二つの戒め「安息日を覚えて、これを聖なる日とせよ。」と「あなたの父母を敬え。」も、その下に否定形で記された数々の細則があり、これらの戒めを補強している。

安息日の戒めには否定命令も含まれている。

いかなる仕事もしてはならない(出エジプト記20:10、申命記5:14)。

十のうち、九つの戒めが否定命令。

現代人の目には、否定命令の律法は、抑圧的・専制的に映る。

否定的な制度である警察を廃止し、肯定的な行政官制度を導入しようとする。

しかし、公共安全保安官(公安)は、フランス革命において、恐怖政治の元凶となった。

肯定的な法律からは、専制と全体主義しか生まれないからだ。

法の肯定的な概念をもっとも的確に表現したのが、ローマ法法理「国民の健康こそ、最高の法である」。

この法理は世界の法律制度に受け継がれ、あらゆる領域に浸透した。

今日、この法理に疑いの目を向ける者はみな、その国家の根本的前提に戦いを挑んでいる者と見なされた。

否定的概念は、二重の利益をもたらす。

否定的概念は、特定の悪を具体的に扱うので実践的。

盗んではならない。

偽証してはならない。

否定命令は特定の悪を直接的かつ明確に禁止する。

特定の悪を禁止し、非合法であると宣言する。

つまり、法の機能は控えめ。

その機能は限定的であり、それゆえ、国家の機能も限定的となる。

法の執行を託された代理人としての国家の仕事は、悪を取り扱うことだけ。

万人をコントロールする権限は与えられていない。