序論
法の方向
p13~
The Direction of the Law
INTRODUCTION
The Institutes of Biblical Law
Rousas John Rushdoony
◇◇
聖書律法の最初の例に戻る。
盗んではならない。
新約聖書は、ザアカイが不法に税金を取り立てていた罪の正しい解決は償いであると教える。
(ルカ19:2~9)。
彼が不正に奪い取ったものをすべて償いますといった後で彼は救われたと宣言された。
償いは山上の説教の中ではっきりと語られている。
(マタイ5:23~26)
ある学者によれば、 エペソ4章28節において、パウロは、償いの原理がどの様に発展しているかを示している。
泥棒であったものは盗みをやめるだけではなく、不正に奪い取ったものを償うため自分の手で働かなければならない。
盗んだ相手が見つからない場合には、弁償金は貧しい人々に施さなければならなかった。
神との関係で、償いとか回復の事実は3通りに述べられている。
第一に、神の至高の律法が宣言され、律法が正しく回復される。
バプテスマのヨハネは、彼の説教によって、神の民の生活に律法を回復した。
イエスはそのことについて次のようにいった。
「エリヤがきて、すべてのことを立て直す。しかし私は言う。エリヤはもうすでに来たのである。しかし彼らはエリヤを認めようとせず、…」(マタイ17:11~12)。
第二に、万物をキリストに服従させ地上に神の秩序を築き上げることによってやってくる回復が存在する(マタイ28:18~20、第一コリント10:5、黙示録11:15)。
第三に、キリストの再臨のときに、完全な最終的な回復が実現する。
歴史はこの再臨に向かって前進しており、再臨は、「万物の回復のとき」(使徒3:21)の唯一の出来事ではなく、総合的な、そして回復が最高に達したときの出来事。
神がアダムと結ばれた契約は、アダムが、神の下で神の法に従うことによって、地上に正しい支配を行い、地を従える(創世記1:26~)ことを要求した。
人間と神のこの関係は契約であった(ホセア6:7)。
聖書全体は人間がいつも神との契約関係にあるという事実の土台の上に立っている。
パラダイスにおけるアダムに対する神のお取扱はすべてこの関係を前提としている。
神はアダムと語らい、ご自身を彼に顕し、日の風の中でアダムは神のご臨在を感じた。
救いは、常に神の契約の確立と実現としてある。
この契約関係はなにか偶然によるものであったり、ある目的のための手段であったり、協議によって決定された関係ではなく、アダムが神の創造によって神の御前に立った基本的な関係。
その契約的関係の回復はキリストの御業であり、ご自身の選びの民に対するキリストの恵み。
契約の成就は彼らの偉大な任務。
万物とあらゆる国民をキリストと彼の御言葉に服従させること。
創造命令とは、人間は地を従え、その上に正しい支配を実行すること。
この命令が廃棄されたことを示す箇所は聖書の中でどこにもない。
この命令は実現されなければならないし、また実現されるであろう。
イエスによれば、聖書は破棄されるべきではない(ヨハネ10:35)。
それを破棄しようとするものは、自分自身が滅ぼされてしまうことになる。
コメント:
使徒3章21節を見ておきたい。
例によって、まずは原典。
使徒3:21
ον δει ουρανον μεν
δεξασθαι αχρι χρονων
αποκαταστασεως παντων
ων ελαλησεν ο θεος
δια στοματος παντων αγιων αυτου προφητων
απ αιωνος
YLT訳を利用しつつ、さらに原典に近づけていく。
同
whom a heaven indeed needs
to receive till times
of a restoration of all things
of which God spake
through the mouth of all His holy prophets
from an age.
>a restoration of all things
とある。
restorationと訳した単語はἀποκατάστασιςで、意味は
ἀποκατάστασις:
apokatastasis
ap-ok-at-as'-tas-is
From G600; reconstitution: - restitution.
この聖句ではrestoration(回復、復元)という訳を採用した。
原義;ἀπο(from)+κατάστασις(climax)
>万物の回復(再建、返還)の時まで
同
彼(主イエス)を天は留めておく必要がある
万物の回復の時まで
そのことを神は語った
すべての彼の預言者の口を通して
ある時代から
万物の回復がクライマックスに達してから、天におられる主イエスが再臨する
と書いてある。
万物の破滅がクライマックスに達してから、天におられる主イエスが再臨する
とは書いていない。
「万物の回復」と書いてあるが、「全ての預言者たちの口を通して神が語った」という限定付き。
著者Rushdoonyは、万物がキリストに服従し、地上に神の秩序が築かれることによって到来する回復、とする。
法の方向
p13~
The Direction of the Law
INTRODUCTION
The Institutes of Biblical Law
Rousas John Rushdoony
◇◇
聖書律法の最初の例に戻る。
盗んではならない。
新約聖書は、ザアカイが不法に税金を取り立てていた罪の正しい解決は償いであると教える。
(ルカ19:2~9)。
彼が不正に奪い取ったものをすべて償いますといった後で彼は救われたと宣言された。
償いは山上の説教の中ではっきりと語られている。
(マタイ5:23~26)
ある学者によれば、 エペソ4章28節において、パウロは、償いの原理がどの様に発展しているかを示している。
泥棒であったものは盗みをやめるだけではなく、不正に奪い取ったものを償うため自分の手で働かなければならない。
盗んだ相手が見つからない場合には、弁償金は貧しい人々に施さなければならなかった。
神との関係で、償いとか回復の事実は3通りに述べられている。
第一に、神の至高の律法が宣言され、律法が正しく回復される。
バプテスマのヨハネは、彼の説教によって、神の民の生活に律法を回復した。
イエスはそのことについて次のようにいった。
「エリヤがきて、すべてのことを立て直す。しかし私は言う。エリヤはもうすでに来たのである。しかし彼らはエリヤを認めようとせず、…」(マタイ17:11~12)。
第二に、万物をキリストに服従させ地上に神の秩序を築き上げることによってやってくる回復が存在する(マタイ28:18~20、第一コリント10:5、黙示録11:15)。
第三に、キリストの再臨のときに、完全な最終的な回復が実現する。
歴史はこの再臨に向かって前進しており、再臨は、「万物の回復のとき」(使徒3:21)の唯一の出来事ではなく、総合的な、そして回復が最高に達したときの出来事。
神がアダムと結ばれた契約は、アダムが、神の下で神の法に従うことによって、地上に正しい支配を行い、地を従える(創世記1:26~)ことを要求した。
人間と神のこの関係は契約であった(ホセア6:7)。
聖書全体は人間がいつも神との契約関係にあるという事実の土台の上に立っている。
パラダイスにおけるアダムに対する神のお取扱はすべてこの関係を前提としている。
神はアダムと語らい、ご自身を彼に顕し、日の風の中でアダムは神のご臨在を感じた。
救いは、常に神の契約の確立と実現としてある。
この契約関係はなにか偶然によるものであったり、ある目的のための手段であったり、協議によって決定された関係ではなく、アダムが神の創造によって神の御前に立った基本的な関係。
その契約的関係の回復はキリストの御業であり、ご自身の選びの民に対するキリストの恵み。
契約の成就は彼らの偉大な任務。
万物とあらゆる国民をキリストと彼の御言葉に服従させること。
創造命令とは、人間は地を従え、その上に正しい支配を実行すること。
この命令が廃棄されたことを示す箇所は聖書の中でどこにもない。
この命令は実現されなければならないし、また実現されるであろう。
イエスによれば、聖書は破棄されるべきではない(ヨハネ10:35)。
それを破棄しようとするものは、自分自身が滅ぼされてしまうことになる。
コメント:
使徒3章21節を見ておきたい。
例によって、まずは原典。
使徒3:21
ον δει ουρανον μεν
δεξασθαι αχρι χρονων
αποκαταστασεως παντων
ων ελαλησεν ο θεος
δια στοματος παντων αγιων αυτου προφητων
απ αιωνος
YLT訳を利用しつつ、さらに原典に近づけていく。
同
whom a heaven indeed needs
to receive till times
of a restoration of all things
of which God spake
through the mouth of all His holy prophets
from an age.
>a restoration of all things
とある。
restorationと訳した単語はἀποκατάστασιςで、意味は
ἀποκατάστασις:
apokatastasis
ap-ok-at-as'-tas-is
From G600; reconstitution: - restitution.
この聖句ではrestoration(回復、復元)という訳を採用した。
原義;ἀπο(from)+κατάστασις(climax)
>万物の回復(再建、返還)の時まで
同
彼(主イエス)を天は留めておく必要がある
万物の回復の時まで
そのことを神は語った
すべての彼の預言者の口を通して
ある時代から
万物の回復がクライマックスに達してから、天におられる主イエスが再臨する
と書いてある。
万物の破滅がクライマックスに達してから、天におられる主イエスが再臨する
とは書いていない。
「万物の回復」と書いてあるが、「全ての預言者たちの口を通して神が語った」という限定付き。
著者Rushdoonyは、万物がキリストに服従し、地上に神の秩序が築かれることによって到来する回復、とする。