みことばざんまい

聖書を原典から読み解いていくことの醍醐味。この体験はまさに目からウロコ。

Coffee Break, #113

2017年10月31日 | コーヒーブレイク
ガラテア書5章15節
もし互いにかみ合ったり
食い合ったりしているなら
お互いの間で滅ぼされてしまいます
気をつけなさい

噛んだり、食いあったりと書いてある。獣ではないのだから、もう少しことばを選んで訳出したい。


But if ye bite and devour one another
take heed that ye be not consumed one of another
(KJV)

この英語訳でも、確かにbite噛む、devour貪り食らうと訳してあるが、原典ではどのような単語が使われているのだろうか。

噛むと訳された単語はδάκνωで、意味は

δάκνω:
A prolonged form of a primary root; to bite, that is, (figuratively) thwart: - bite.

「噛む」の他に、「妨害する」という意味もある。

貪ると訳された単語はκατεσθίωで、意味は

κατεσθίω:
From G2596 and G2068 (including its alternate); to eat down, that is, devour (literally or figuratively): - devour.

「貪り食らう」の他に、悩ます、滅ぼすという意味がある。


もしあなたがたがお互いに
妨害しあったり、悩ませたりしているなら
見張っていなさい
お互いのために
滅ぼされないように




God as the Life of the Body, #18

2017年10月30日 | 聖書研究・信仰
このことは、死の門の近くにいる者において、如何に神の命が現れるかを示している。

預言者イザヤもまた、このことについて証言している。

見よ、神は我が救い。

神に信頼し、恐れはない。

主である神は我が力、我が歌。

そして、主は我が救いとなった(イザヤ12:2)。

主はよろめく者に力を与え、力の萎えている者に力を増し加える。

若い時でさえ、よろめき衰えることがあるかもしれない。

若者も疲労困憊することがあるかもしれない。

しかし、主を待ち望む者は己れの力を新たにする。

彼らは若鷲のように舞い上がる。

彼らは走り疲れることはない。

彼らは歩いてよろめくこともない。

(イザヤ40:29~31)





Coffee Break, #112

2017年10月29日 | コーヒーブレイク
詩編91篇10節
わざわいは
あなたにふりかからず
えやみも
あなたの天幕に近づかない

えやみとは何。

ネットを引くと、何てことはない、疫病のことだ。


There shall no evil befall thee
neither shall any plague come nigh thy dwelling
(KJV)

英語訳では、ちゃんとplagueと訳してくれている。

えやみって、日常会話で良く使われる単語だろうか。日本語訳聖書のモットーは、だれにでも分かるように、ではないのか。

どうでもいいことを雑務の合間に調べてみた。

この歌全体がいいのだが、特にマインドに留めておきたい箇所が10~13節。




Coffee Break, #111

2017年10月26日 | コーヒーブレイク
出エジプト記20章3節
あなたには
わたしのほかに
ほかの神々があってはならない

良く知っている聖句だ。

原典にあたって見たら、おもしろい発見があった。

原典を逐語訳しているBible.comを参照すると


not
you shall have
to you
gods
other
before me
the face of

godsと訳された単語はエロヒム(神々)。また、最後の行にthe face ofとある。

つまり、「わたしのほかに」ではなく「私の顔の前に」だ。

出エジプト20:3
あなたにとって
私の顔の前に
他の神々エロヒムを
持ってはならない


次に、エゼキエル14章1節。

エゼキエル14:3
「人の子よ
これらの者たちは
自分たちの偶像を心の中に秘め
自分たちを不義に引き込むものを
顔の前に置いている
わたしは
どうして彼らの願いを聞いてやれようか


この聖句も「顔」が出てくる。

自分の顔の前に罪の結果であるつまずきの石を置いたと書いてある。

「顔」と言う意味を持ち、使用されている原語はפָּנִיםで
פָּנִים:
パニーム
Plural (but always used as a singular) of an unused noun (פָּנֶה pâneh, paw-neh'; from 6437); the face (as the part that turns); used in a great variety of applications (literally and figuratively); also (with prepositional prefix) as a preposition (before, etc.): -    + accept, a (be-) fore (-time), against, anger, X as (long as), at, + battle, + because (of), + beseech, countenance, edge, + employ, endure, + enquire, face, favour, fear of, for, forefront (-part), form (-er time, -ward), from, front, heaviness, X him (-self), + honourable, + impudent, + in, it, look [-eth] (-s), X me, + meet, X more than, mouth, of, off, (of) old (time), X on, open, + out of, over against, the partial, person, + please, presence, prospect, was purposed, by reason, of, + regard, right forth, + serve, X shewbread, sight, state, straight, + street, X thee, X them (-selves), through (+ -out), till, time (-s) past, (un-) to (-ward), + upon, upside (+ down), with (-in, + stand), X ye, X you.

「顔」のほかに、前置詞として「前に」、「重さ」heaviness「臨在」 presenceなどの意味がある。

上の2つの聖句には何とも言えない深みがある。









God as the Life of the Body, #17

2017年10月23日 | 聖書研究・信仰
エリフは、神の懲らしめとその後の展開について、ヨブに真摯に語りかけた。

「床の上で生じる痛みと骨々において繰り返される闘いによって、人は躾けられる」

「彼の命はパンを嫌い、彼の食は偏向となる」

「見るに忍びないほどに痩せこけてしまった」

「見えなかった骨が突き出している」

「彼の魂は底知れぬ所の近くまで落ちていき、彼の命は死をもたらす者どもへと近づく」

「彼にとって何が正しいのかを宣言するため、一人の天使、仲介者、千の中の一人がいる」

「彼を優しくいたわりながら、その仲介者は言う」

「底知れぬ所へと落ちないようにそこから救い出せ」

「私は一人の身代わりを見出した」

「彼の肉体を若者の肉体に代えよ」

「若い頃の精力ある日々に戻せ」

(ヨブ33:19~25)




Coffee Break, #110

2017年10月22日 | コーヒーブレイク
ヤコブ5章16節b
・・
義人の祈りは働くと
大きな力があります


祈りと書いてあるが、原典において使われている単語は、平凡で儀式的な、あの「祈り」ではない。

δέησις:
From G1189; a petition: - prayer, request, supplication.

つまり、「「強烈な祈り」「切なる願い」「哀願」「懇願」、つまり「叫び」だ。

では、英語訳。


・・
very strong is a working supplication
of a righteous man
(YLT)

極めて強力だ
効果的な切なる願いは
義とされた者の

a righteous manとは、聖人君子ではない。不定冠詞が付いている。我々のことだ。
義なる人とは、悔い改めて神の方へ目が向いている人という意味だろうと思う。




God as the Life of the Body, #16

2017年10月19日 | 聖書研究・信仰
詩編105編5節

「あなたを良いもので満足させて下さるお方」

「あなたの若さが、若鷲のようにリニューイングされるように」

他の詩編も、如何に神がご自身の民のために力となられたかを記録する。

私の肉と心は失敗するかもしれない、しかし神は私の心と私の分の力である」

「幸いなことよ、主の中に力の有る者は」

「生涯に渡り、私は彼を満足させよう、そして私の救いを彼に示そう」

(73. 26, 84.5, 91.16)

God as the Life of the Body, #15

2017年10月18日 | 聖書研究・信仰
詩編27編1節

「ヤハウエは私の命の力」

「わたしは主を恐れない」

詩編29編11節

「主がご自身の民に力を与えますように」

詩編68編28節、35節

「あなたの力を奮い起こして下さい、嗚呼、神よ」

「あなたの力を見せて下さい、私のために働いておられる人、嗚呼、神よ」

「イスラエルの神、主はご自身の民にパワーと力をお与えになる」




God as the Life of the Body, #14

2017年10月17日 | 聖書研究・信仰
ダビデが謳った詩編の記事から、神のパワーがダビデの体の中にあったことが確認できる。

以下の聖句を参照せよ。

(詩編18篇1節、32~34節)

「主よ、あなたを愛します、我が力よ」

「私に力を巻き付けた神。私の道を安全にした神」

「神は私の足を後足のようにした」

「そして、私を高きへと守ってくれた」

「神は私の手を戦いのために鍛えた」

「それ故、私の腕は青銅の弓を引くことができる」




Coffee Break, #109

2017年10月16日 | コーヒーブレイク
エペソ4章28節b
かえって
困っている人に施しをするため
自分の手をもって正しい仕事をし
ほねおって働きなさい

先の考察から、この聖句の前半部分は誤訳であると書いた。そうなら、この部分の日本語訳も誤訳の可能性が高いはずだ。

結論から言えば、28節aで、him(彼)を悪魔とするには、やや無理がある。

再考する。

例によって、まずは英語訳を引用する。


but rather let him labour
working with his hands the thing which is good
that he may have to give to him that needeth

28節aでは「Let him that stole steal no more」のhimは悪魔であると解釈して訳出した。すると、最初の行に登場するhimも悪魔であると解釈するのが自然の流れであるが、この箇所では、この盗人を諫める内容となっている。悪魔を諫めることは不可能。従って、28節aのhimは盗み癖のある隣人の誰かと解釈するのが合理的だろうと思う。

上の箇所を考察していく。

上の英語訳でlabourと訳出している単語はκοπιάωで、意味は

κοπιάω:
kopiaō
kop-ee-ah'-o
From a derivative of G2873; to feel fatigue; by implication to work hard: - (bestow) labour, toil, be wearied.

よって、この単語の意味は、「労苦する」「苦役する」「骨を折る」、つまり苦労しつつ働く、という意味。

また、この動詞の文法は、現在命令形能動態・3人称単数なので次のようになる。

彼に骨を折って働かせよ

となる。

エペソ4:28
盗人にこれ以上盗み取らせるな
いやむしろ
その者に苦労して働かせよ
良いことをしながら
自分の手で
必要とする者に分け与えることができるように