福井 学の低温研便り

北海道大学 低温科学研究所 微生物生態学分野
大学院:環境科学院 生物圏科学専攻 分子生物学コース

わが道

2007-01-01 01:18:00 | 南極

01_40昨晩はなかなか寝つけなかったものの、南極で正月を迎える。昨夕のうちに配給されたおせち料理をいただく。科員食堂にて、お正月のお祝いの会が観測隊と乗組員との合同で催される。外は、雲一つない、澄んだ青空。折角なので、宴会を抜け出し海氷上に出る。眩しい新年の日差しを受けながら、03_8歩いていると、一羽のアデリーペンギンが登場。アデリーペンギンは好奇心旺盛で、こちらに近づいて来る。おどけたアデリーの行動を眺めていると時間が経つのを忘れる。



02_21「しらせ」の外で新鮮な空気を吸っていると、明日から夏作業に再開する観測隊員がおせち料理を抱えて下船し始めた。彼らは昭和基地の夏宿に戻るのだ。ハードな建設作業で事故のないことを祈る。2月初めまで、サヨナラ。

さあ、明日からスカルブスネスでの調査が始まる。観測小屋での滞在であるが、もちろん風呂はなし。20日間風呂に入らない生活は生まれて初めて。どんなことになるのやら。

スカルブスネスには、成因も、塩分濃度も、湖盆形態も様々な湖沼が点在する。研究者としては楽しみなフィールドである。大学1年生の頃から湖沼の調査をはじめて、26年が経つ。湖沼の硫黄循環とそれに関わる微生物の生態研究をこんなにも長い間継続できているのは、奇跡的なこと。これが我が道。幸い、これまで調査中事故にあったことがない。しかし、南極は何が起きるかわからない。やはり、初めてのフィールドでの調査は怖い。十分注意を払って調査を行おう。生きて日本に戻ることが一番大切なこと。

さあ、明日のために、今日は早く寝よう。

             (『エコミクロ南極日誌』より)

南極でありながら、とても賑やかな正月を迎えた、1年前。今年は、とても静かに迎えています。

皆様にとっても、今年が実り多き年になりますように。


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