「もっと、雪のことを教えて欲しい」
『寒冷圏の科学』の受講生からの声より
昨日の講義で、こんな声が聞こえて来ました。講義の中で、その日に降って来た雪の結晶の写真を紹介したのですが、興味を持った学生さんがいたと言うことですね。
雪の結晶は、多様な形態をとります。物理化学的条件と結晶の形成との関係については、私自身もよくわからないことがあるので、これからしっかりと学んで行こうと思います。同時に、積雪、雪の圧密化、積雪の氷化、そして融雪現象なども、学部の1年生になったつもりで! 私にとっては、結構ハードルの高い分野なのですが。
フリーマントルから昭和基地へ向けての航海中のこと。砕氷艦「しらせ」の飛行甲板へ上がってみることにしました。空はどんよりした厚い雲に覆われ、気温がぐっと冷え込んできました。もうすぐ、定着氷にさしかかります。
空を見上げると、雪がぽつんぽつんと降りて来ました。よく見てみると、6~7mm程度の大きな雪の結晶です。しっかりと六角形の形態をとっています。低温研近くで撮影された小六花の結晶と違って、重厚感があります。
この結晶は、ジャイアント ポーラー スノー クリスタル(Giant Polar Snow Crystal:GPSC)と名付けられています(注1)。金平糖にちょっと似ていて、おいしそうですね。
このGPSCは、どのような条件で形成されるのでしょうか? 不思議です。やはり、北海道上空よりも低い温度で、ゆっくりと時間をかけて形成されるのでしょうか?
南極大陸のスカーレンでは、砲弾型の結晶を観察することができました。砲弾型は、すでに50年前、昭和基地で西堀栄三郎第一次越冬隊長によって観察されています。
GPSCに関して不明な点が多いので、今度、低温研の本堂先生や古川先生にお聞きしてみようかと思うのですが・・・。お二人ともお忙しそうなので、来週、いつものように和菓子を持って若手の方に教えを請いに行くつもりです。
(注1)ジャイアント ポーラー スノー クリスタル(Giant Polar Snow Crystal:GPSC)と言う用語は、低温研に在籍する1名の中年研究者が勝手に作り出したものです。正式な用語ではありません。スミマセン。
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