理解がないと、所有することは難しい。


気温が上昇し始める初夏の頃。
毎年決まってZ32の修理入庫やご相談が相次ぎます。
みなさんも御存知の通り、Z32へ搭載されるVG30DETTエンジンは国内初の280馬力をマークした高性能エンジンです。
故に様々な熱害トラブルはデビュー当初より懸念されており、それが30年もの月日を生き続けていることが、性能(エンジン性能だけではなく、組み立ての技術など)の高さを物語っています。
ですが性能の高さが幸か不幸か、現存する車体が多すぎるのが1つの問題で、新品/中古を問わず部品の供給数よりも車体のほうが多い印象です。
一昔前なら、Z32は部品取り車ならタダ同然 エンジンを含むパーツは豊富に市場にありましたが、今ではほしい部品は簡単には見つからず、とても頭を抱えています。
エンジン本体にしても、昔は日産から供給されていたベアエンジンは50万円程度で入手できていましたが、今ではベアエンジンは製造廃止となり、仕方なく中古エンジンを探そうにも市場にはほぼ流通していません。
だから、今ある部品は大切に最大限利用しつつ手組みでリビルトするしかない。
そのためには時間も予算もかかってしまいますが、完璧に調律の取れたZ32は他の車では感じることのできない良い味があるのもZ32の醍醐味なのです。
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