“本当”の意味を知る





『DAYTONA SPORTS ECMに書き換えをお願いします』
お預かりする予定日に、なんとも絶不調のZ33で来店してくれたオーナーさん…。
エンジンは“ボッ ボボッ ボボボボッ♪”と、アイドリングは不安定な状態。 それに加えメーターパネルにはエンジンチェックランプが点灯。
当然ですが、この状態でECMの書き換えなど出来るはずもありません。。。 予期せぬ事態でしたが、まずは修理からスタートです。

エンジンが不安定な原因を探るべくOBD2から自己診断を開始します。
エラーコードは『P0350-点火信号』 つまりは何らかの原因でプラグから火が飛んでいないと言う事です。
ここまでは直ぐに解ります。
次に『何番シリンダーの火が飛んでいないのか?』を探ります。 
これは「パワーバランス」と言いまして、診断機を通して各気筒毎の爆発を止める事が出来ます。
1番から6番まで 各気筒の爆発を止め、エンジン回転に変動がある⇒正常 エンジン回転に変動が起きない⇒異常
このように見つけていきます。 
今回の場合は3番シリンダーに異常があると判明 イグニッションコイルをTEST品に交換したところ正常にエンジンが吹け上がる

上がり過ぎ…

今度はアイドリングが物凄く高い。 そうですね水温80度でも1200rpm位を指しています(通常650rpm)
スロットルチャンバーを洗浄して、再度OBD2より急速TAS学習を行い、アイドリングを安定させようと試みます。
残念ながら何らかの原因でエンジン回転数が高すぎてTAS学習で捕まえる範囲を超えています。
さらに自己診断情報を読み出してみると『電子スロットル』のエラーを検出です。 
ハード側(スロットルチャンバー)と、ソフト側(ECM内部スロットル学習メモリー)に大きな相違があるようで、フィードバックエラーが発生していました。
だけど、何の問題もありません。
DAYTONAでは瞬時にECM内部メモリーをクリアさせる事が出来ますので、すぐ実施したところ瞬時にエンジン回転は低下。
急速TAS学習も行い、無事650rpmを保つことに成功しました。

全てが正常な状態で働いていることを確認し、DAYTONA SPORTS ECMにインストールを行いました。

オーナーさんには、修理をしただけでも調子がいいと感じるかもしれません。
DAYTONA SPORTS ECMに変更したら、もっと調子が良いと言うかもしれません。
だけど、それは調子が良いとか そう言う話では無く、日産Z33フェアレディZが持つ本来の姿なのでは? 
そう僕は思います。

今度はゆっくりと遊びにでも来てくださいね。
ありがとうございました

■DAYTONA SPORTS ECM for 350Z(VQ35DE)
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