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気軽に洋書ミステリー

家にいてもすることがないおじさんは考えました。このままではボケる。そうだ!好きなミステリーを英語で読もう!英語力???

The Silent Twin (Detctive Jennifer Knight #3) by Caroline Mitchel

2017-06-25 19:29:12 | 読書感想

4月朝10時頃、Nick と Joanna Duncan夫妻の9歳の少女Abigailが自宅の農場で隠れんぼをしている時行方不明になる。彼女がかけていた眼鏡が農場から森へ続く道で発見されたことから、警察は何者かに少女を連れ去ったと考えて、捜索隊を組織して一帯を調べる。

超常現象事件を扱うOperation Moonlightチームに所属する刑事Jennifer Knightは、一家が住む古い家は突然電球が切れたり、ドアがひとりでに閉じたりという怪奇現象がおこるということから、家族に対しては捜査の状況を、捜査本部には家族の情報を与える役割のFamily Liaison Officer(FLO)として、捜査の一員に加わる。

一家の住む農場に出向いた彼女は、家族の絆が崩壊しているに気づく。娘が行方不明になっているにも関わらず何事もなかったかのようにふるまい、にこやかにテレビのインタビューに答える母親Joanna.、悲痛な態度を見せない妻に苛立つ夫Nick、Abigailが行方不明になった時から失語症になり常に怯えたようなそぶりを見せる双子の姉妹のOlivia

 Jenniferは、Abigailが失踪した時一緒に遊んでいたOliviaが何かを知っていると感じ、Oliviaと二人きりになるチャンスを得て、Oliviaの心をほぐして手掛かりを得ようとする。そして二人きりになった時、彼女はOliviaを通してAbigailの声を聴く。『私を見つけて』というメッセージを。Oliviaの様子から彼女は自分が話したことに気付いていないと感じたJenniferは、彼女が興味ありそうな話題を持ち出し彼女が話すよう仕向ける。Oliviaはそれについて答えようと口を開こうとするが、父親が部屋に入ってきたのを見て、あわててその部屋から走り去ってしまう。Oliviaは何故か父親を恐れているように見える。JenniferはOliviaの失語症になったのは父親のせいではないかと疑う。父親が容疑者?それとも悲痛な素振りを見せない母親?それとも家に出入りしている誰か?Jenniferは 上司から連絡係に専念しろという忠告にも関わらず、事件の捜査に深入りしていく。

 Jenniferは、Oliviaを通してAbigailとコミュニケーションが取れることを発見し、できるだけ二人になる機会を作ろうとする。そして、Oliviaといる時、彼女はAbigailからのメッセージを受け取るが、暗いトンネルの中にいるとか、うちへ帰りたいと言う以外、誰が彼女を連れ去ったのか、何処にいるのか、という肝心なことを聴きだすことはできなかった。また、Abigailの声はときたま彼女に囁きかけて来る死者の世界からの声なのか、それとも双子の強い絆からくる現実の世界の声なのか?彼女はAbigailの生死についての判断に悩む。そして、失踪から一日、二日と時を経るにつれてAbigailの声が弱っていき、絶望のつぶやきに代わっていくことを感じ、少女は生きていて救出を待っているのではないかという思いが湧き上がってきて、彼女は焦燥感にかられる。そんな中、農場に近接している川を捜索していた警察は川の中から身元不明の死体を発見する。

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うまいひねりがあって、第1作よりも面白かった。また、彼女の特殊能力を生かして犯人や少女を見つけるというより、FLOとして家族と接触していく中から家族の秘密を探り出し、突き止めた事実に基づいて推理を駆使して犯人に迫っていく、というミステリー色が強く出ていて楽しめた。「Don't Turn Around」とどちらかを選べというならば、迷わず、この本を読むことをお勧めします。前作を読んでなくても問題ありません。

 

E-book(Kindle版)★★★★ 322ページ 2016年4月 299円(2017年購入)



 Don't Turn Around by Caroline Mitchell

2017-06-18 09:58:35 | 読書感想

子供時代に悲惨な経験をした男がいる。悪霊は彼の世の中に対する恨みにつけこみ、彼の心を乗っ取り殺人を繰り返させる、20年後、同じように子供時代悲惨な経験をした女性がいる。女性は刑事になり、悪霊が起こした事件を捜査する。死者の声が聞こえる彼女以外、この事件を解決できないと信じて。悪霊は、少女時代の彼女の悲惨な経験を彼女に思い起こさせ、彼女の心の闇に入り込もうとする。悪霊は 次々と人の心に入り込みさらなる殺人を行いながら、彼女の能力を讃え、二人が一体となることを語り掛ける。彼女は悪霊の力に圧倒されながらも、彼の犯行を止め、彼を排除する方法を探っていく。

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面白いタイトルだったので購入した。最初は連続殺人を捜査するミステリーと思って読み進めていたら、死者の声を聴くことができる女性刑事ということが分かり、徐々に異常な事態になっていく。しかし、ヒロインのキャラに惹かれるものがあって、彼女がどうなるのか、こういうものの終わり方はどうなるのか気になって結構いいペースで読み終わった。事件の解決の仕方はミステリーファンとしてはかなり不満、パラノーマルファンとしても、よくありそうな終わり方でもう一捻り欲しかった。ただ、悪霊とヒロインの対決という話なのだが、悪霊は誰かの身体に乗り移っているので、その誰かを特定していくのはミステリーとして充分楽しめるし、悪霊の次なる標的は誰か、彼女はそれを阻止できるかどうか、ドキドキさせる。

とにかく、ヒロインJennifer Knightが魅力的で次の作品も読みたくなった。

著者が作った架空の町、ロンドン近郊の町Haven市の刑事、32歳、独身。彼女は死者の声を聴くことができると上司のDI James Allisonに話したことによって 彼から精神科のカウンセリングを受けるよう命令される。精神科医はストレスによるものだと彼女に話し、彼女の話を信じない。これ以上、死者の声が聞こえると話せば失職することを懸念して、彼女はだれにも話せない。

異常なほどのきれい好き、朝、遅刻してでも家の掃除してからでないと出かけないし、同僚の刑事のネクタイにシミがついていると我慢できずにシミを取ってあげたりする。

妹の家族に献身的、特に甥や姪に対する愛情、妹には煙たがられるほど一生懸命。

また彼女とWillの刑事コンビ、彼らの友情、信頼感は読んでいてほのぼのする感じを与える。

 

E-book(Kindle版)★★★☆ 317ページ 2015年4月出版 399円(2017年6月購入)



The Fix (Amos Decker Series #3) by David Baldacci

2017-06-07 19:26:34 | 読書感想

ワシントンDC、通行人で賑わうFBI本部,Hoover Buildingの前で初老の男と女がすれ違う。男はすれ違いざま銃を取り出し、背後から女を射殺、その後、その場で自殺する。

男はWalter Dabney、61歳、FBIやDIAなど国家情報機関や捜査機関を取引先とする会社のオーナー。会社経営は順調で豪邸に住み、愛妻と4人の娘に恵まれて公私ともに何不自由ない人生を送っていると思われた。だが、男にはギャンブル癖があり、その借金を補うために仕事で得た国家機密をテロ組織や敵対国に売っている事実が発覚し、DIAが密かに捜査していた。

女はAnne Berkshire59歳、代用教員として学校で教えながら、週に2,3回ホスピスを慰問する初老の女性が理想とする模範的な生き方をしていると思われた。だが、彼女は、教員の給与ではとても支払えない超豪華な邸宅に住み、高級乗用車を所有する裕福な生活。10年前までは経歴をたどれるが、それ以前、彼女が何をしていたか、どこにいたかFBIのデータベースでも突き止めることができないミステリアスな一面を持っていた。

 男の数十メートル背後を市民とFBIエージェントで構成するFBI特殊捜査班に所属するAmos Deckerが歩いていた。Deckerは男が女を射殺、そして自殺する瞬間を目撃していた。事件は、DabneyがFBIと取引していることからFBIの管轄になり、彼ら特殊捜査班が事件を担当することになる。男は女性を知っていたのか?それとも自殺する道連れとしてたまたますれ違った女性を殺したのか?彼らはふたりの身元を調べ、ふたりの繋がりを探ろうとするが、教師と会社経営者という2人に何の接点を見出すことができずにいた。しかし、Deckerは不自然な私生活やミステリアスな過去をもつ女性がたまたま彼の標的となったという偶然を信じず、彼らの間には何らかの繋がりがあると信じていた。

 そんな時、DIAエージェントのHarper Brownが彼らの捜査に介入してくる。彼女はDabneyのスパイ容疑について話し、彼の漏らした情報がテロリストに渡ると9.11のような大惨事が起こると警告し、この事件を早急に解決する必要があると主張し、彼らに事件から手を引くように要求する。Deckerは、9.11のような事態が起こる可能性があるなら各捜査機関が協力して事態を打開した方が良いと主張し、共同で捜査を進めるよう彼女を説得する。

彼は、見聞きしたことをすべて記憶できる能力を駆使し、この事件について彼が記憶した事実を一つ一つ頭の中で検証し、事件を解決する手掛かりを探ろうとする。

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全て見聞きしたことを記憶できる能力で事件を解決する。でも、彼が見聞きしたことはすべて本の中に書かれているとしたら、読んでいる我々も同じように手掛かりを与えられている?ということは、昔の推理小説のように全ての手がかりは本の中に提示されていて、我々も彼と同じように真相に辿り着ける⁇うーん、微妙だな・・・。事実が二転三転、思いがけない展開になる。ただ、国家機密が盗まれたという割に緊迫感が乏しい展開だった。でもラストはドキドキさせてくれるうまい終わり方だった。


E-book(Kindle版)★★★ 2017年4月出版 560ページ 959円(2017年購入)


Last Breath (Erika Foster#4)by Robert Bryndza

2017-05-27 13:08:23 | 読書感想

DCI,Erikaシリーズの4作目。最初は1作目と同じような設定。Erikaは何故かデスクワークに回されていて、一作目で彼女によって捜査主任(SIO)を更迭されたSparksが出世して殺人課(Murder Investigation Team)の責任者Superintendentになっている。彼女は殺人課に異動願いを出しているがSparksのため認められず鬱々とした日々を送っている。

また、相変わらず被害者に対する犯行の手口は残虐。ただ今回は誘拐された女性が生きている可能性があり捜査の進行にドキドキ感がある。犯人は女性を拉致しても、すぐには殺さず残虐な拷問を加えることに楽しみを持つ異常性癖者。女性が殺される前に救出できる可能性がある。Erikaたち捜査員の行動ばかりでなく、犯人が女性を拉致監禁する行動も、そして拉致された女性の生きようとする行動も描写されていて、緊迫感が終盤に向かって盛り上がっていき面白かった。また、今回は犯人にたどり着く手がかりがうまく配されている。

E-book(Kindle版)361ページ★★★★ 2017年4月出版 399円(2017年5月購入)

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冬のロンドン、ゴミ集積所で若い女性の惨殺死体が発見される。殺人課に所属している刑事DI、Petersonは事件発生の知らせを受け現場に向かう。彼とベッドを共にしていたDCI,Erikaも彼と共に現場に向かうが、彼女は捜査部門から外され、Bromley Police Stationの調査部門に異動させられていた。彼女はデスクワークに飽き、再び殺人課に戻りたいという申請を出していたが、彼女を忌み嫌う、殺人課の責任者であるSparksによって拒絶されていた。彼女は捜査主任が雪のため現場に着くのが遅れるという電話のやり取りを聞き、捜査主任が到着するまでの現場保存の補助として現場に行くと主張して渋るPetersonを説得する。


現場で死体の検分をしていた彼女は、しばらくしてやってきたSparksから捜査の邪魔になるから直ちに立ち去るよう命令される。悔し涙をこらえて立ち去ろうとした彼女は、死体を発見した目撃者を見つけ独断で彼等から事情聴取を行う。翌日、聴取を行なった1人からSteven Pearsonというホームレスの男が死体が発見されたゴミ容器の中を覗いていたり怪しげな行動をしていたという電話を受ける。彼女は直ちにその情報を捜査主任のMelanie Hudsonに伝える。しかし、HudsonはすでにPerasonを逮捕したことを告げ、sparksから命令されているはずだと言って事件に介入しないよう彼女に警告する。だが、事件に興味を持った彼女は秘かに検屍官に会いに行く。検視官から死体の状況を聞いたErikaは、犯人は、4日間、被害者を殺す前に監禁し、さまざまな拷問を加えたうえ、太腿動脈を切断して失血死させるという殺害手口に注目し、ホームレスの麻薬常習者が残虐で巧妙なこのような手口を思いつくか疑いを持つ。彼女は警察のデータベースから同じような犯罪手口があったか調べることを試み、去年の8月、20歳のJanelle Robinsonが同じ手口で殺されていたのを突き止める。彼女はこの調査結果をHudsonに知らせるが、Perasonが犯人であると断定して捜査を終結しようとしているHudsonは、その知らせを無視する。彼女は真犯人は、世間の関心が薄れるのを待って、再び犯行を行うことを危惧する。そして自らこの事件を解決することを決心し、初めて自分の主義信念を曲げる、或る行動を取る。そして、そんなErikaの危惧を裏付けるように、犯人は次の標的となる女性を搦めとるための罠を仕掛け、その女性を拉致監禁することに成功する。


The Girl in the Ice by Robert Bryndza

2017-05-16 19:37:07 | 読書感想

治安の悪い南ロンドン、1月朝9時、Forest HillのHorniman Museumの凍ったボート池の厚い氷の下からAndrea Douglas-Brown の絞殺死体が発見される。23歳の若く美しいAndrea Douglas-Brownは、社交界の花形であるが4日前から行方不明になっていた。彼女の死体には、両手を縛られた跡や髪の毛を引き抜かれた跡など過度な暴力を振るわれた痕跡が見られた。

Erika Fosterは、前任地Manchester Metropolitan Policeで6人の少女を殺した連続殺人犯を逮捕するなどのすばらしい逮捕実績を誇り、39歳の若さで捜査主任警部(DCI)に抜擢される。しかし、彼女が主導するチームが麻薬製造工場を襲撃した時、彼女の事前の調査が不十分だったために、彼女の夫を含む襲撃チームの5人を死亡させていた。彼女は部下の刑事や夫を亡くしたショックから休職していたが、数か月ぶりにLewisham Row Police StationのAndrea Douglas-Brown殺人事件の捜査主任として復職する。


Andreaが行方不明になった時からこの事件を捜査していた前捜査主任警部のSparksの不服な態度と対峙しながら、ErikaはAndreaが最後に姿が確認された駅から死体が発見された場所までの足取りを突き止めるように指示、特に、彼女の服装から考えて、Andreaは駅からMuseumまでのLondon通りに面したパブに立ち寄った可能性が高いとみて、再度聴き込みを行うように指示する。

Erikaはたまたま知り合ったこの付近を根城にしている売春婦Ivy Norrisから、他の証人が話していたパブThe Glue Potについての情報を聞き出そうとするが、彼女は知らないと答える。しかし、答えた時の怯えた様子や動転した様子から彼女は何かを知っていると彼女は確信する。The Glue Potには何かあると感じた彼女はそのパブに向かう。そこで彼女は、その夜勤めていたバーテンの女性から、Andreaが店に来ていたこと、Andreaが黒髪の男と会っていたことを聴きだす。しかし、警察で男の似顔絵を作るに協力するよう話すと、不法移民である彼女は逃走する。

翌日の捜査会議で、Erikaは、Glue Potでの聞き込みについて話し、Andreaが会っていた男について調べるよう指示するが、不法移民である女性の証言の信憑性について刑事たちの懐疑的な態度に会う。さらに、彼女の上司MarshはThe Glue Potは不法移民を働かせている場所、売春婦がたむろしている場所として知られており、Andreaがそこにいたという事実は彼女と家族の名誉に関わるとして慎重に捜査するよう警告する。Andreaの父親Simonは貴族の称号を持つ政財界に影響力を持つ防衛産業のオーナーだった。Simonは自分が捜査責任者であるかのように捜査に介入して、一般の被害者と同じく普段通りの捜査を進めようとするErikaを解任して、彼の意向を汲んで捜査しようとするSparksを捜査主任に戻すようMarshに要求していた。イギリスの階級社会において、Erikaは事件関係者が貴族である時の捜査の難しさに直面する。

そんな中、Sparksは元交際相手だったMarco Frostの名前を容疑者としてあげる。Andreaが殺された夜、Andreaと彼は、彼女の死体が発見された場所から近い場所で開かれたパーティーに招待されていた。Sparksは、Andreaが彼との交際を絶った後も、Frostはしつこく彼女につきまとっていたことなどを根拠としてFrostの犯行に自信を持っていた。上司のMarshは、Andreaが会っていた黒髪の男について捜査すべきとするErikaの主張に耳を貸さず、Frostのアリバイの有無についての捜査に専念するよう彼女に命令する。
だが、事件について市民に情報を求めるための記者会見当日、Frostのアリバイが証明されたと言う電話を部下のMossから受けた彼女は、抑えられない衝動にかられ、上司の意向に逆らって独断でAndreaがパブで会った男の情報を求める発言を会見の席で行ってしまう。会見後、上司の出頭要請を無視してその場から逃げるようにして去ったErikaは、自分の行為に信念を持ちながら万が一間違っていたらという不安にかられ、その精神的葛藤から自宅に帰ると眠りこんでしまう。

電話の呼び出し音で目覚めた彼女はIvy Norrisが殺されたことを知らされる。彼女の会見をテレビで見たIvyは、ErikaにAndreaが会っていた男についての情報を100ポンドくれたら教えるという留守電メッセージを残していた。急ぎ署に出向いた彼女は、自分が捜査から外され停職処分を受けたことを知る。
やがて、Sparksを中心とする捜査本部はFrostのアリバイがインチキだったことを突き止め、彼をAndrea殺しで逮捕する。停職中のErikaは、Simonも同席した捜査本部の記者会見を見て、この逮捕を知る。ErikaはIvy殺しとの関連性を否定した彼等の捜査に納得できず、バッジを取り上げられた捜査権限がない一市民としての限界を感じながらも、事件の真相を突き止めようとしているのは自分だけだと信じ、密かに捜査を続ける。そして、ここ2年間で、AndreaやIvyと同じ手口で殺された3人の売春婦がいることを突き止める。彼女は4人の売春婦とAndreaの殺人は同一犯であるとして捜査のやり直しを求めようと、Marshに会いに行く。そんな彼女の様子を殺意を抱きながら監視している男の視線に気づかずに…

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久しぶりの仕事に、最初は25年の捜査経験から自信満々、意気軒昂として捜査に乗り出すErikaだが、政治力ある被害者の家族に疎んじられ思い通りの捜査ができず、ついには被害者の家族の要請に負けた上司からも疎んじられ停職にまで追い込まれてしまう。そのどん底から這い上がっていく過程が痛快だった。彼女が再び、捜査主任に復帰したときに、刑事達に話した言葉は胸を打つ。
ただ、彼女が追い詰められていく中盤までの展開は盛り上がるのだけど、最後の詰めの展開がちょっと迫力不足でものたりなかった。

Erikaのキャラクターは魅力的だった。捜査主任という地位にありながら、チームに指示することに飽き足らず、自ら一人で現場に出向き捜査をすすめる傾向がある。チームで動く刑事というより探偵が向いているかもしれない性格。権威に媚びず、自分の捜査方針が正しいと信じたら上司に対しても一歩も引かない。また他人に対しては内面的弱さを見せないが、衝動的に行動してしまい、後でそのことを後悔して自責の念に駆られることがままある。誰も話し相手がない、彼女の孤独感がいたるところで感じられる。

E-book(Kindle版)★★★★ 394ページ  2016年2月出版 199円(2017年5月購入) 


Where It Hurts by Reed Farrel Coleman

2017-04-29 11:14:35 | 読書感想

Nominated for the 2017 Edgar Award for Best Novel

ニューヨーク州 Suffolk郡、クリスマスを控えた12月。
寂れたホテルの空室を住まいにして、ホテル客の送迎用の車の運転手をしている元警官Gus Murphyはある朝、Thomas Delcaminoという男の訪問を受ける。Thomas Delcamino(Tommy D) は車泥棒、盗品の売買などで警官だったGusが何度も逮捕した男 だった。
Tommyは、4ヶ月前、彼の息子が拷問された上に殺されてゴミ溜めに放置されていた事件について話し、元警官だったGusに事件を調査して欲しいと頼む。彼によると、事件を担当した刑事は父親と同じく小悪党である息子の捜査に乗り気でなく、ほとんど捜査をしていないと告げる。
GusはTommyが自分が息子を亡くしたことを知っていて彼に頼みにきたと考え、激昂して彼の頼みを断る。2年前、突然、最愛の息子を心臓発作で亡くしたショックで彼は全てを失っていた。妻と娘、警官の仕事、神への信仰。今も彼は息子を失ったショックから立ち直れず無気力に生きていた。

一夜明けて、彼はTommyに対して彼のとった行為を反省していた。息子を残酷な手段で殺され、誰も彼の無念を晴らしてくれる人がいない彼の苛立ち、孤立感、Gusは誰よりも彼の気持ちを理解できた。彼はかっての同僚の警官Pete McCannに事件について聞こうとするが、彼は事件に関わらないよう警告される。彼はTommyに対してとった彼の態度を詫びるためTommyの自宅を訪ねるが、彼は銃で頭を吹き飛ばされて死亡しており、Gusもまた彼を殺したと思われる男たちに銃撃され足を負傷する。Gusからの連絡を受け現場に来た元パートナーだった刑事Al Roussisに、彼は犯人の1人は黒人だったことや被害者の家の室内が荒らされていたことから彼らが何かを探していたこと、この事件は息子の事件と関連がある可能性が高いと主張する。しかし、刑事はGusの証言に関心を示さず、事件の関連性を否定し、彼もまたPeteと同じく彼がこれらの事件と関わらないように警告する。

警察の事情聴取を終え、自宅のホテルに戻った彼を、Tommyの友人だったというSmudgeという男が待っていた。SmudgeはTommyから彼に渡すように頼まれたと言って彼の息子の事件についての資料と依頼料と思われる3000ドルが入ったバッグを手渡す。彼は、事件の情報を得るために資料に書かれた人物の1人、彼も顔見知りの情報屋に会いに行く。そこで彼はまたも事件から手を引くよう忠告される。町のチンピラが殺されたというよくある事件を何故、皆手を引くように忠告するのか?かっての警官としての直感が彼の捜査への好奇心をかきたてる。そんな時、何者かが彼の自宅に侵入し家探しを行う事態が起き、彼は否応なく事件に巻き込まれていく。彼が事件の調査を進める中、彼は彼の勤めるホテルの前で地元マフィアの3人組に捕まり、銃を突きつけられる。その時、彼はここ2年間感じなかった生への欲求を感じる。この窮地を脱して生き抜き、この事件の真相を突き止めたいという欲求を。

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息子が殺されたのなら殺した男を逮捕するのに全力を上げ、無念を晴らすことができるが、突然の心筋梗塞で息子を失った怒りや悲しみなど心の持って行きようがないやるせなさから生への執着をなくし、2年経った今も無気力に日々を過ごしていた男が、息子を無残に殺された男の無念さに共感し、彼の依頼を受けて捜査を進めるうちに自分を再生していくストーリー。よくあるパターンだが、息子のことで苦悶している暗い展開から彼が事件にのめりこんでいくにつれて過去を払拭していく過程は読んでいて心地良い。

ドラッグマフィアや故買屋など町に巣食う犯罪組織から暴力や脅迫を受けたりしながらも屈せず、また元同僚だった刑事達からも援助を得られず、孤立無援になりながらも、捜査を続けていく彼のタフさが魅力的だった。

また、独特の人生観で、彼が出会う人物や場所について、また事件の捜査方法について語る彼の口調が心地良い。

E-book(Kindle版)★★★★ 353ページ 2016年1月 1688円(2017年購入)


 No Man's Land by David Baldacci

2017-04-09 10:06:32 | 読書感想

海外の任務を終え帰国した軍警察CID所属のJohn Pullerは軍の伝説的英雄である父親を見舞いに行く。そこで彼は同じくCIDに所属するTed Hullの訪問を受ける。Hullは、30年前に起き、迷宮入りとなったPullerの母親が失踪した事件について、彼の父親が母親を殺したと告発する手紙が軍に届けられたと彼に話す。30年前、彼の母親が行方不明になった時、彼の父親は海外にいたと主張していた。しかし、Hullは当時の状況を調査した結果、母親の失踪したと思われる5時間前には彼の父親は国内にいたことを突き止める。Hullは、彼の証言と事実が食い違っていることを指摘し、この事件の捜査を再開すると伝える。

事態に当惑したPullerは兄のRobertに電話し、CIDがもたらした事態について説明する。2人は父親に弁護士をつけることや、失踪当時の様子について話し合い、Pullerは、母親が夕飯の後、外出して行方不明になったことを知る。彼は家族が関与する事件を身内が調査することは、CIDの上司が認めないという兄の忠告にもかかわらず、この事件を調査することを決心する。彼は、休暇届けを出し、母親は何処に行こうとしたのか?母親に何が起きたのか?母の失踪の真相を突き止めるため、当時彼らが住んでいた町Fort Monroeに向かう。

一方、10年の服役を終え、仮釈放されたPaul Rogersは行くべき場所、目的を持っていた。そこへ行き、目的を果たすために、彼は金を、武器を調達する、邪魔する者は殺しながら。彼は盗んだ車で、30年間心に秘めていた目的を達成するためにFort Monroeに向かう。

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何の手がかりのない高い壁を素手でよじ登っていけたり、常人の数倍のパワーと速さで行動できたりする、頭を含め全身に手術跡がある人間離れした男Paul Rogersが登場して、ミステリーというよりSFぽい感じでちょっと戸惑ってしまった。そして、この男の目的が謎でなかなか明らかにされない?この男がPullerと出会ったとき、彼はPullerの敵となるのか、そしてその時、スーパマンのようなこの男とPullerはどのように立ち向かうのか?興味津々だった。

また、Pullerが母親の失踪の真相に近づくにつれて、彼の前に立ちはだかる敵の正体が強力であることがあきらかになる。彼は、事態を静観するしか手立てがなく、どうにもならない状態に追い込まれていく。彼と同じく読んでいるこちらもストレスを感じ始めた途端、予期せぬ展開になり、読後感を爽快な気分にしてくれた。

E-book(Kindle版) ★★★☆ 431ページ 2016年11月出版 842円(2017年購入)

John Pullerシリーズ
1、Zero Day 2,The Forgotten 3, The Escape  4,No Man's Land


Make Them Pay(Lucy Kincaid12) by Allison Brennam

2017-03-28 18:54:31 | 読書感想

結婚式を2週間後に控えた朝、FBI捜査官Lucy Kincadeと婚約者Seanが住む邸宅にSeanの姉Eden Roganが訪ねて来る。彼女と彼女の双子の兄Liamはヨーロッパに住んでいてSeanとは疎遠になっていたが、彼は二人に結婚式の招待状を出していた。SeanはWitness Protectonの保護下にある彼の息子Jesseに会いに行っており、連絡が取ることが不可能な状態の中、LucyはEdenに滞在先として自宅を提供する。

LucyからEdenがSeanとLucyの自宅に滞在していることを聞いた上司のNoah Armstrongは彼女の来訪に疑問を感じる。LucyはEdenとは初対面だったがNoahは彼女のことをよく知っていた。6年前、彼は2人が古美術品を盗んでは、収集家に売り付ける犯罪を何度も繰り返していることを突き止めたが、具体的な証拠をあげることができず彼らを逮捕することはできなかった。彼は、彼女の巧みな人心掌握術に何度も騙された経験があった。今回も、彼女は結婚式に参加するために来たのではなく、何か他の目的があってSeanの留守を狙って来たという疑惑を彼は持っていた。NoahはEdenに会い、直ちに立ち去るよう要求するが弟の結婚式に参加すると言って拒否される。疑念を持ったままEdenのもとを去ったNoahは彼女が兄のKane Roganを恐れていることを察知し、彼に連絡を取り彼女の目的を探ろうとする。

そんな中、昼食を取りにSiobhan Walshと一緒に自宅に戻ったLucyは、待ち構えていたEdenの双子の兄に捕まり、Seanの金庫に入っていた600万ドルの債権とともにメキシコに拉致される。彼らは、決してLucyに危害を加えることはないというメモをSeanあてに残していく。しかし、彼女が拉致されたその場所は先月、彼女がNoah達と乳幼児売買を行なっていた犯罪組織を摘発した場所だった。そして、組織の再建を図る犯罪組織のボスJasmineはLucy達に対する復讐を誓っていた。

メキシコにいたKaneはNoahの電話でEdenがSeanの家にいると聞き、Edenが滞在する理由が、彼がSeanに一時的に保管を頼んだ債権であることを即座に理解する。彼はFBI本部に戻ったNoahに、Seanの家に戻りEdenから目を離さないように要求する。そして、彼はSeanやLucyに連絡を取ろうとするが留守電になってしまい、二人と連絡が取れないことに苛立ちを感じる。Seanの家を再度訪れたNoahは、LucyとSiobhan WalshがEdenとLiamに拉致されたことを知る。そして、そのことはすぐにKaneをはじめJackなどKincadeやRogan家族の知るところとなる、息子との面会を終え帰宅したSeanを含めて。彼らは、EdenとLiamがLucyを傷つけることはないと思いながらも、Lucyがメキシコに拉致されていることを犯罪組織が知った場合、彼女の身が危険になることを危惧して、一刻も早く彼女を救出するべく行動を起こす。

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もっとLucyが活躍することを期待していたのだが、拉致されてジタバタしているだけで、いつもの推理力や行動が見られず残念。今回はKaneやNoahの活躍がメインだが、Lucy救出作戦はよく練られていて読み応えがあり、面白かった。

自分たちの正当性を主張しあう家族同士の揉め事に巻き込まれてLucyが誘拐されるが、誘拐した方も危害を加えないと断言しているので、Lucyの身にたいする危機は感じられないと思いたいのだが、彼女が壊滅状態に追い込んだ犯罪組織が彼女に復讐を企てている。Lucyが監禁されている場所は彼女の縄張り。このまま、単なる家族間の争いで終わるはずがないという期待感、ドキドキが先へ先へと読ませる。

犯罪組織の女ボスJasmine、Kaneの恋人Siobhan Walsh、Edenなど女性の強さが目立った。Seanも含め、そんな女性たちを愛する男たちの心情もよく描かれている。

E-book(Kindle版) ★★★☆ 416ページ 2017年3月 825円(2017年3月購入)
Lucy Kincaid Series(出版順 2010年12月28日~)
(1)Love Me to Death (2)Kiss Me,Kill Me (3) If I should Die (4)Silenced (5)Stalked (6)Stolen (7)Cold Snap (8)Dead Heat (9)Best Laid Plans  (10)No Good Deed  (11)Lost Girls  (12)Make Them Pay


The Ex by Alafair Burke

2017-03-16 19:04:53 | 読書感想

2017年MWA、Best Novel候補作


2015年6月、朝 7時、ニューヨークのハドソン川沿いにある運動場で銃の乱射事件が起こり、3人の市民が犠牲になる。捜査を担当したNYPDは、事件発生時現場付近にいたJack Harrisを殺人罪で逮捕する。彼の上着からは硝煙反応があり、またJackは犠牲者の1人、Malcom Neeleyを殺害する十分な動機を持っていた。

3年前、後にPen Stationの大虐殺と名付けられた銃乱射事件があり、13人の死者と多数の怪我人が出る事件が起きる。Jackの最愛の妻Mollyも犠牲者の1人だった。犯人は母親の自殺によって精神的障害を負った15歳の少年、Todd Neeley。Toddは 通勤客でにぎわう駅で父親のMalcomから買い与えられた3丁の銃を乱射した後、自ら自殺する。Malcomは、息子の精神的障害を癒そうとしてToddに銃を買い与え、射撃場に頻繁に彼を連れ出していた。
Jack達、犠牲者の遺族は、精神的問題のあるToddに銃を買い与えた父親に怒りを覚え、彼の保護責任を問う集団訴訟を起こすが、先月、訴訟は却下されていた。Jackは却下の決定に不満を感じ、Malcomに対する怒りを募らせていた。

刑事専門弁護士Olivia Randallは、父親を助けてほしいと言うJackの娘Buckleyからの電話を受け、元婚約者だったJackと20年ぶりに警察署で会い、彼の弁護を引き受けることにする。彼女は、20年前、Jackとの婚約を破棄するときに彼女が行ったことに、今なお罪悪感を感じていた。彼女は5年間の交際を通して、彼の人の好さ、善人ぶりを熟知していた。提示されている不利な証拠にも関わらず、彼女は、彼が乱射事件を起こすことなどあり得ないと信じ、彼は誰かに嵌められたと考えていた。

彼女は、彼の無実を証明するため、乱射事件が起きる時刻に運動場で彼と会う約束をしていた謎の女性の正体を突き止めるべく全力をあげる。だが、ここ20年間のJackの行動を調べ始めた彼女は、かってJackが彼女を殺すことを考えていたことなど、彼が彼女の知らない暗い一面を持っていることを知る。Jackが善人であるという彼女の信念が揺らぎ始めるが、彼女は感情に左右されることなく、次々と発見される事実に基づいて彼の有罪の有無を判断することを決意する。

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Jackが無実だと思わせる証拠が見つかった、と思うと逆に有罪が確実だと思う事実が発見されたり、最後まで彼が犯人かどうかわからず一気に読ませてくれる。最後は予想外の展開で衝撃的、でもちょとしんみりした終わり方。

ヒロインOlivia Randallのキャラは刑事弁護士としての能力はクールで魅力的。検事が提示した証拠、反論のしようがないと思う相手の論理を見事に覆す弁論の巧みさ。Jackの言っていた女性が実際に存在することが証明され、彼の無実が証明されたと思ったら、いやそんなに簡単じゃないよという論理を展開する。証拠や事実に対する分析力、思考力が見事で小気味が良かった。
ただライフスタイルでは、よくわからないキャラ。婚約したにもかかわらず、それを相手に破棄させようとして他の男と関係を持つ?反省していると思いきや、今も妻子ある男と不倫している。


E-book(Kindle版) ★★★☆ 283ページ 2016年1月出版 887円(2017年購入)


What Remains of Me by Alison Gaylin

2017-03-05 18:06:38 | 読書感想

2017年MWA、Best Novel候補作

ハリウッドの映画関係者の子供たちが大半を占める高校に通う17歳のKelly Lundは15歳の時、最愛の双子の姉を事故で亡くして以来、誰1人、友と呼べる人がいなかった。彼女以外の誰もがリッチな服装をしている中で、自分1人みすぼらしい恰好をしていることを皆に揶揄されて、孤独感を強めていた彼女は、最近転校してきた映画スターSterling Marshallの娘Bellamyからパーティに招待される。そして、Bellamyを通して、父親同士が親友であるという有名映画監督John McFaddenの息子で子役タレントでもあるVeeとも友達になる。その日から、彼女は真面目で孤独な少女から、ドラッグやパーティ、そして危険な遊びに参加する少女に変身していく。

しかし、彼女は青春を楽しむ友達を得たが、映画関係者の子供達とは付き合うなという母親の忠告を無視したため、母親から絶縁される。そして、KellyがVeeの父親で映画監督であるJohnを射殺し、刑務所に収監された時、彼女は唯一の友達BellamyとVeeから絶縁される。

そんな中、Kellyは、唯一刑務所の彼女のことを気にかけ接触を続けていたBellamyの弟Shaneと獄中結婚式を挙げる。そして、釈放されてから5年、彼女とShaneはハリウッド郊外に邸宅を構える。やっと落ち着いた人生を送れると考えていた彼女にさらなる試練がやってくる。Shaneの父親で映画スターのSterling Marshallが自宅で殺される事件が起きる。手口は30年前のJohnが殺された時と同じ。警察もマスコミもKellyの犯行と疑う。そして彼女の最大の理解者であったShaneも彼女の犯行を疑い、彼女から離れていく。

孤独と絶望に陥った彼女に、30年前、法廷から出てきた彼女の姿をMona Lisa Death Smileと名付けた著名な新聞記者Sebastian Toddが接近してくる。彼は彼女がJohnを殺した犯人ではないと信じていると話して、彼女にある手掛かりを与える。その手掛かりをもとに事実を調べ始めたKellyは、彼女の家族の衝撃的な秘密を発見する。

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この本を読んでいて感じるKellyの心の叫び。
please don't leave me,Mom. I don't have anybody else. P140より
She cried everything she'd lost with John's death... p152より
" Don't leave my life"、"What makes you think I'd do that?",
"Everybody else dose." P209より
 

母親、友人、そして夫、皆が彼女を見捨てていった。にもかかわらず、彼女はBellamyが彼女の唯一の友達であるとまだ信じて、いつかまた彼女とVeeとBellamyの3人で語り遊ぶことを夢見ている。なんか健気で応援したくなるキャラ。

現在の事件と過去の事件が交互に語られていく。過去の事件は、事件の4ヶ月前から事件当日までカウントダウンしていくが、彼女の犯行を裏付けるような事実が次々と明かされていきその日が近づくにつれ、緊張感が高まっていく。さらに 現在の殺人事件、いきなり彼女に不利な証拠が立て続けに提示されて、どうなるのかドキドキさせる。予想外の結末、伏線、小道具がうまく活かされていて、真相が最後までわからず、面白く読めた。
ただ、この小説作法はあまり好きでない。今、読んでいる部分は過去なのか現在の出来事なのか混乱してしまう時がある。

E-book(Kindle版)★★★★ 375ページ 2016年1月出版 1119円(2017年購入)