気軽に洋書ミステリー

家にいてもすることがないおじさんは考えました。このままではボケる。そうだ!好きなミステリーを英語で読もう!英語力???

Best Laid Plans by Allison Brennan

2015-12-20 10:32:48 | 読書感想

2ヶ月前の事件の後、上司Justinから2週間の公的休暇を取らされていたFBI捜査官Lucyは、Justinから現場に復帰するよう電話で命令され、直ちに現場に向かう。
Justinによると、モーテルで10代の少女を買春したHarper Worthingtonという男が性交渉中に心臓発作で死亡したという事案、一見、事件性はないように思われた。しかし、Harperは政府の防衛部署と取引している会計監査法人の所長で、妻のAdeline Reyesが下院議員であることが分かり、FBIが捜査を担当することになる。買春相手の少女は、男が死んだことに怯えて、男の金と携帯電話を抜き取ってその場を去っていた。

Lucyは、検死官のJulieからHarperの死について、いくつかのの不審な点を指摘され殺人の可能性が高いと告げられる。Lusyはそのような状況で死んだ男に同情を感じなかったが、仕事でダラスに出張したHarperがわざわざ買春のために飛行機でSan Antonioに来て、またすぐにダラスに戻る計画をしていたことを知り、彼の行動に疑問を感じる。

Lucyは男の死に立ち合っていたと思われる少女から当時の状況を聴くために少女の身元を突き止めるべく全力をあげる。
そして、Lucyは彼女が持ち去った携帯電話のGPSから、携帯電話が近くのホテルに放置されているのを発見し、ホテルの監視カメラから少女と客の映像を確認する。映像を見ていたLucyのパートナーのBarryは客の男をJames Everetという不動産業者と断言する、彼はHarperの知り合いで、Adelineの選挙資金の支援者でもあると。これは、偶然なのか?それともHarperの死と関係あるのか?鍵を握る少女の行方を追うLucyはHarperの死の背後に深い闇の存在を感じ始める。

そんな中、DEAのBradがLucyを訪ねてきて、二人が参加して壊滅させたメキシコマフィアの生き残りの男が組織の再構築を画策していることを話し、彼の顔つきを知っている唯一の人間、Lucyの命を彼が狙っていると彼女に警告する。
また、Lucyの恋人Seanは、Lucyが彼女を精神的破綻に追い込もうとする人物の存在に怯えていることを知る。そんな恐怖を忘れるために、捜査にのめり込んでいくLucyを見て、Seanは自分の持っている能力、人脈を利用して彼女を守るために全力をあげる決意をする。

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この本を購入した時の情報から、この本のページ数は560ページと思っていたので、435ページ辺りでEpilogueの章になって、あれっ?て思ってしまった。小さな出来事で始まった物語がどんどん広がって行き、先の展開が予測できず、わくわくドキドキしながらクライマックスへと導かれていく。うーん、面白い!でも560ページと思って読んでいたので、更なるどんでん返しがあるのかなぁと思っていた。、早めの終わり方に、ちょっとガックリ。まだ、未解決の問題が残っていて 次回作に持ち越しという感じ。

ただプロットは、タイトル通りよくできていて面白く読めた。特に、Lucyの好敵手と思われるキャラが登場するが、二人の対決は面しろかった。

 ★★★★ Kindle版 438ページ


Touch & Go by Lisa Gardner

2015-12-13 17:22:44 | 読書感想

Bostonの高級住宅街で大手建設会社の社長夫妻Justin Denbe,Libby Denbeと娘Ashlynが誘拐される事件が発生する。警備会社に勤めるTessa Leoniは、早朝、建設会社からの依頼で事件を独自に調査するよう、上司から命令される。
現場に着いたTessaは、捜査官にJustinがGPS付きのジャケットを着ていることを伝え、GPSトラッカーで彼の居場所を突き止めるようとする。しかし、誘拐犯にGPSの存在を察知され、GPSはNew Hampshire州北部の廃屋の側に放置されていた。FBIと共に事件を担当することになったNew Hampshire州保安官のWyatt Fosterは、GPSが放 置されていた場所に人質の死体がないことに安堵し、人質が生きていると確信する。だが、州北部の広大な原野の中にいると思われる人質を探し出すことはに絶望感を抱く。

Tessaは誘拐犯人が家族全員を拉致したことから、身代金目的の誘拐ではないと考える。身代金が目的なら夫のJustin1人を拉致すればいいはず、さらに、誘拐犯が家族の貴金属を放置して行ったことから、彼女は個人的な恨みから、家族は誘拐されたと推測する。
そして、誘拐犯人が家の警報装置を解除していたことや、部屋の配置を熟知していたことなどから、身近な人間が事件に関与していると確信する。

Tessaは、会社内や家族の周りの人物で、彼らに恨みを抱いているものがいないか調査していく。
だが聞き取りを始めると、一家を知る誰もが彼らに好意的で、Justinの社員からの人望、愛妻ぶり、娘に対する溺愛ぶりを語り、また、妻のLibbyの夫に対する献身ぶりを褒め、Denbe一家は誰もがうらやむ理想的な家族だと、Tessaに断言する。

しかし、一見、幸せそうに見える家族の暗部を身をもって知っているTessaは、粘り強く聞き込みを続け、やがて、彼ら家族の世間に知られたくない秘密を暴き出していく。さらに、順調そうに見える会社の窮地も。

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前作で与えたTessaの強烈なキャラに惹かれて、シリーズの続編であるこの本を読むことにした。だが、Tessaは、前作の一人称から今回は三人称に変わっているせいなのか、一人称で語られる、人質に囚われたLibbyのキャラが強く印象に残った。子に対する絶対の愛が胸を打つのかも。

ただ、Tessaが警察官時代を含めて誘拐事件は初めて、29才という若さと経験不足ということから、捜査に当たる刑事達から最初、軽んじて見られていたが、徐々に能力が認められて彼女の意見が捜査方針に取り入れられていく様子は、Tessaファンとしては溜飲が下がる思いがした。

また、Libbyの身辺を調べるのに行きつけの美容院に行ったのは、女性ならではの視点。ちょっと思いつかなかったが、聞き込みの内容を読んで、なるほどなぁと納得。

誘拐事件の結果は、ある程度予測できるのだけど、それでもどういう顛末になるのかハラハラさせてくれて、面白く読めた。

ただ、この作者は、どうも捜査官同士をくっつけすぎる。D.D.WarrentとBobbyの元恋人同士、今回のシェリフのWyattとFBI捜査官Nicoleも元恋人という関係、そしてTessaとWyattもデートの約束をしている。男女コンビが好きなのかな?

 ★★★★ 384ページ Kindle版


Love You More by Lisa Gardner

2015-12-06 17:35:17 | 読書感想

雪が降り積もるBostonの3月の日曜日、ここ数日、吐き気を伴う体調不良に悩まされていたBoston警察の殺人課捜査主任D.D.Warrenは、休日を自宅で過ごそうと考えていた。そんな時、元恋人で相棒である州警察の刑事Bobby Dodge から、州警察のパトロール巡査Tessa Leoniが夫Brianを殺害、彼らの6才の娘Sophieが行方不明になっている事件が起き、彼女がこの事件を担当することになると教えられる。警察は直ちに娘Sophieの行方について公開捜査を実施していた。

現場に着いたD.Dは夫のBrian Darbyが胸に3発の銃弾を受けて殺されていて、妻のTessaが夫の暴力に耐えかね、正当防衛で夫を殺したと主張していることを知る。それを裏付けるかのように彼女の顔はひどく腫れ上がっていた。そして、尋問したD.DにTessaは一刻も早く娘を捜して欲しいと懇願する。しかし、D.Dは彼女の証言にいくつかの不審な点を覚える。暴力的な男のあしらいに慣れている警察官の彼女がいきなり銃で夫を射殺したこと。さらに、彼女の手に防御痕がないことなど。また娘が行方不明になっているにも関わらず、警察に捜索を依頼することをせずにまず上司に電話したことにも。Tessaが娘の安否を気にするなら真っ先に警察へ電話をするはずなのに・・・

D.Dは行方不明のSophieの所在を突き止めることを最優先に捜査をすることを決定する。彼女は何者かがSophieを誘拐したということに疑問を感じていた。夫婦が争っている時に、娘が誘拐されるという可能性はほとんどないとして。彼女は夫婦のどちらかが娘を殺した可能性が高いと推理していた。
彼女はSophieとBrianの仲、母娘の仲がどうだったのか、また、BrianとTessaの身元を徹底的に調べるよう指示する。
やがて、D.DはTessaの衝撃的な過去の出来事を、Brianの世間に隠したい悪癖を暴き出していく。

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印象に残るTessaの言葉がいくつかあって、もう一度読み返してしまった。Tessaがこれから母親になろうとしている女性に与える言葉、そこには彼女の娘に対する愛情が溢れている。そして、父親、友達に与えた言葉、それぞれ胸にジー ンとくる。

読みどころは、DD、BobbyのコンビとTessaの知恵比べ、DDの推理がTessaが築いた正当防衛の根拠を次々と打ち破ってTessaを窮地に追いやっていく。Tessaのモノローグを読む限り、彼女にも考えがあると言っているが、なんだか、一方的に押されていると思ったら!!女性でこれだけ強烈な行動を起こすヒロイン(?)は初めて読んだ。D.D.Warrenには悪いが、断然、Tessaを応援したくなる。次のTessaの作品も読みたくなった。

 

Kindle版 ★★★★ 351ページ