気軽に洋書ミステリー

家にいてもすることがないおじさんは考えました。このままではボケる。そうだ!好きなミステリーを英語で読もう!英語力???

A Dangerous Man by Robert Crais

2020-01-05 16:02:04 | 読書感想

自称世界一の私立探偵と名乗るElvis Coleの相棒Joe Pikeは銀行から出てきて車に乗り込もうとした時、顔見知りの銀行員の女性Isabel Rolandが車で拉致されようとしている瞬間を目撃、彼女を助け、拉致しようとした2人組を警察に引き渡す。自分の身に起きたことに立ち直れず、ショックを受けて、怯え、戸惑うIsabel にPikeは自分の電話番号を教える。

3日後、Pike は留守電にIsabel から「大至急、話したいことがある」という切迫したメッセージがあることに気づき電話するが、彼女は電話に出ず留守電メッセージにつながる。翌朝、彼は刑事の訪問を受ける。刑事は、Isabel を誘拐しようとした2人が、昨日、釈放されるがその日の夜に銃殺されたと告げて、彼のアリバイを尋ねる。彼はIsabelの電話は彼らの釈放に怯えたためだと推測する。彼は彼女が電話に応答しないことに不安を抱き、彼女の家に向かい、彼女が行方不明になっていることを知る。

近所に住む親友のCarlyによると、行方不明にになる前、彼女はパニックになりながら自分を誘拐しようとした2人組がまた自分を誘拐しようとしているとCarly にメールを送っていた。Pikeは彼を訪ねてきた刑事にIsabelの失踪について連絡するが、刑事は2人の釈放を知らされたIsabel が自発的に家を去ったと考えていて、誘拐事件と捉えていなかった。しかし、Carly は親友の自分にIsabelから何の連絡もないのは絶対におかしいと言い、Isabel は2人組に誘拐されたと主張し、Isabel が彼女にメールで送ってきた家の前を通る2人組が乗った車の写真を見せる。

Pikeは、写真の2人は、以前彼女を誘拐しようとした2人組とは彼らが殺された時間、場所から考えて、別人であることに気づく。以前、誘拐されかけた時、Isabel は誘拐しようとした男から「俺たちはお前の秘密を知っている」と言われ、自分には秘密などないと思っている彼女は戸惑っていた。誘拐に失敗した男達を処刑する冷酷さ、すぐに代わりの2人を用意する周到さ。Pike はIsabel の誘拐の背後に大規模な犯罪組織の存在を意識する。Pike は、彼らの言うIsabel の秘密が何であるかを探り、彼女の救出に全力をあげることを決意し、Coleに助力を要請する。

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PikeとColeの固い友情は良いな。どちらかが助けが欲しいと求めると一瞬の躊躇もなく快諾して駆けつける。そして自分が知った情報はすぐに相方に知らせる。1人だと一歩、一歩しか進まない捜査も2人で情報を共有することによって3歩進む感じで、Isabel を誘拐しようとしている犯人側の意図が明らかになっていく過程が止まることなく進み、どんどん先を読みたくなリ読むペースを早めた。終盤のクライマックスは2人が死ぬことはないだろうと思いながらもどきどきする展開で面白かった。

用意周到に準備して、危ないと思うと一歩引いて、次の手段を考える沈着冷静なHicksのキャラ、窓口に月1回ぐらいの割で訪れるPike にほのかな恋心を抱くIsabelのキャラも魅力的だった。特に、Isabelと親友のCarlyの無事を喜び合うキャッキャッした会話は微笑ましくて楽しい。そして、襲われてパニックに陥っているIsabel を落ち着かせようと考えるが、その言葉が思い浮かばないPikeは彼らしくて良い。


E-book(Kindle版)★★★★☆ 336ページ 2019年7月出版