気軽に洋書ミステリー

家にいてもすることがないおじさんは考えました。このままではボケる。そうだ!好きなミステリーを英語で読もう!英語力???

first family by David Baldacci

2010-01-03 20:11:19 | 読書感想

元シークレットサービスの出身で今は二人で私立探偵を開業しているSeanMichelleはファーストレディ(大統領夫人)Jane Coxの弟の妻であるPum Duttonから仕事の依頼を受ける。

仕事の内容を聞くために Pumの自宅を訪れた二人は 誘拐犯と遭遇し銃撃戦となる。犯人が逃走した現場には 頭を強打され意識不明の夫Tuckと薬を嗅がされてこん睡状態の二人の子供、そしてPumの死体があった。Pumの死体からは血を抜かれた痕跡があり、何語ともわからない解読不可能な文字が腕に書かれていた。そして 今日が12歳の誕生日である娘Willaが誘拐されていた。

数日後、二人は大統領夫人のJaneからWillaを無事に取り戻して欲しいと依頼をうける。
Seanはかって 大統領が上院議員だったころに スキャンダルになるような出来事をかばってあげて Janeから感謝されたことがあった。

Seanたちは 、犯人たちは 何のためにPumの血を採っていったのか?腕にかかれた文字は何を意味するのか?誘拐犯は3人の子供のうちWillaを選んだのはなぜか?Pumが二人に依頼したかった仕事は何か?
FBIやシークレットサービスの冷たい視線を受けながらも マスコミが注目している中、二人は独自の視点から捜査を進めていく。

***感想 ***
SeanとMichelleのシリーズである前作の「Simple Genius」は 今ひとつという感じだったが 今回は面白く読めた。
659ページという長編なので 正月休みに読もうと楽しみに取っておいた本。犯人も含めて登場人物が魅力的なので ページ数を感じることなく どんどん読み進んでいける。
 

普通の誘拐小説とは一味違う犯人像が面白い。誘拐の首謀者Sam Quarryが 誘拐を実行した男たちが 娘を誘拐するときに その母親を殺したことに激怒して、なんと仲間の一人に責任を取らせて処刑してしまったり、植物人間になってしまった最愛の娘の傍らに座って 彼女が好きだった小説を朗読してあげたり 男の犯行に気づいていない使用人の親子に自分の全財産を譲るという遺書を書いていたり、 読んでいるうちに この犯人を憎めなくなってしまう。

しかし、そんな男が、何故 このような犯行を実行したのか 読み進むうちに、誘拐の目的がだんだんと分かってくる。
当然、誘拐犯とSeanたちとの対決があるが この結末もすごく良い。

また、誘拐された娘Willaと犯人の側にいる男の子Gabrielのキャラクターがすごく良い。
 Willaは12歳とは思えないほどしっかりしていて、誘拐されて閉じ込められても いたずらに怯えて泣くこともなく 脱出する方法を考えたり Samに家族の安否を尋ねたり することがないと本の差し入れを頼んだり、Samがいずれ家に帰すと言うのを 犯罪者は平然と嘘をつくから信用できないと どうどうと反論したり SamとWillaのやりとりは、実はSamもそう思っているようだけど、微笑ましい。

また、Samが家政婦として雇っている女の一人息子のGabrielも純真無垢、人間は悪いことをしてはいけないと信じていて、Samも そんなGabrielを自分の犯罪に巻き込まないように配慮していている。

途中、途中でMiichelleの母親が殺されたという事件があり、その捜査の過程が描かれていく。どうも 前回などで起こったMichelleの突然の異変の解明のために入れられたエピソードのように見える。けど、今回は前作のような ひどい状態のMichelleにあうこともなく Michelleファンとしてはホットした。
まぁ、今回のようなMichelleでずっといて欲しいな。