気軽に洋書ミステリー

家にいてもすることがないおじさんは考えました。このままではボケる。そうだ!好きなミステリーを英語で読もう!英語力???

The Forgotten Man by Robert Crais

2010-08-15 11:23:56 | 読書感想

恋人の息子の誘拐事件を解決してから(うーん、先にこちらの本を読めばよかった)数ヶ月、その影響で仕事もせずにボゥーとした日を過ごしていた私立探偵のElvis Coleにロス市警の刑事Kelly Diazから電話がかかってくる。
男が銃で撃たれた場面に遭遇したDiazは 男は身元を証明するものを持っておらず、 その男が死の直前 彼がColeの父親であると話したので 心当たりがあるかどうか遺体を見て欲しいとColeに頼む。
しぶしぶ殺害現場に出向いた彼は 死体を見て父親ではないと断言する。

しかし、Coleは父親が誰であるか知らないで育っていた。Coleの母親は妄想壁があり 頻繁に家出を繰り返していた。あるとき,家出から戻った母親はColeを身ごもっていた。物心がついた頃Coleは 父親はサーカスの曲芸師だと聞き 父に会いに家出を繰り返すが 結局 それは母の妄想言だと分かり 以後は父親のことは忘れていた。

彼の外見が自分とまったく異なることから 父親でないと断言したが、彼が何故 父親だといったのか?、男の身体には自ら彫ったと思われる十字架の刺青がいたるところに見られることの異常さに興味を惹かれて ColeはDiazの了承の下に、この男に身元について調査してみることにする。

殺人現場に落ちていたキーカードから Coleはロス市警の刑事Carol Starkeyなどの協力の下、殺された男が泊まっていた宿をつきとめる。男は偽名で泊まっており、身元を証明するものは何もなく、ただColeの活躍を書いた新聞記事のコピーだけが残されていた。そして、彼は時折、コールガールをホテルに呼び、一緒に神に祈ることを求めていた。
体中にクロスを彫ったこと、常に神に懺悔を繰り返す態度?彼は何に対して懺悔をしていたのか?自分の息子(Cole?)を放置していたことか?それとも 何か犯罪に関係したことなのか?
彼が殺されたのは Coleに関係があるのか?それとも 犯罪に関係して殺されたのか?
彼は何者なのか?Coleはさらなる調査を開始していく。

一方、ある小さな町のガソリンスタンド従業員のFrederick Conradは 経営者のPayne Kellerが突然、いなくなったことでパニックになっていた。彼は Payneの安否よりもPayneが誰かに彼らが行った犯罪を話すことを恐れていた。
彼は Payneが頻繁に教会の牧師と会っていたことを知り、彼が牧師に自分たちの秘密を懺悔したことを危惧して 牧師を殺す。
Payneの家を捜索した彼は Payneがロスに向かったことを知る。
彼が泊まっていた宿を突き止めたはFrederick はPayneが殺されたことを教えられ、同じように宿を突き止めたColeが彼を殺したと思い込み しつようにColeの命を狙い始める。

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Coleシリーズの前作『The Last Detective』を先に読むべきだった。この本を読んでしまうと 前作のストーリや犯人などがわかってしまう。著者は 飛び飛びに読んでいる人のことを考えたほうがいいな。
・・・でも スタンドアローン作品だと思っていた元爆弾処理班の女刑事Carol StarkeyがColeシリーズに出てくるようなので前作も読むかな。けっこう、このキャラが好きなものだから。

物語の冒頭で、一家の惨殺事件が起きる。一人の少女だけが難から逃れる。が その少女の孤立感を描写した箇所が良い。この本は読まなければという気にさせる。

また Coleが否定したにもかかわらず、StarkeyやPikeが彼から死体の写真を見せられると 写真を見て Coleを見て また写真を見るという行為が Coleを居心地悪い状態にする描写はユーモラスで良い。

物語は この身元不明の男の正体が徐々にわかってくるにつれて緊迫感が増してくる。そして Frederick の正体も、犯人にもビックリ。よくできていると思う。ただ、Coleの少年時代のことを書いた部分は飛ばし読みした。少年時代の出来事が 今のColeに影響を与えているとは思えないから。

 

 

 


True Blue by David Baldacci

2010-08-01 17:20:52 | 読書感想

ワシントンDCで麻薬取引などの潜入捜査をしていたMace Perryは 何者かに拉致され薬漬けにされ意識朦朧とした状態で拳銃強盗の仲間にされて捕まる。 裁判で有罪を宣告された彼女は2年間刑務所生活を余儀なくされる。
出所した彼女を出迎えに来たのは 彼女の姉でDCの警察署長でもあるBeth Perry
Bethは 妹のために仕事まで用意してあげるが Maceは 自分を罠にはめた者を探し出して名誉回復を果たし 警察官に復職することを切望していた。

そんな中、Bethに 市内でも有数の弁護士事務所で冷蔵庫の中から 女性弁護士Diane Tolliverが殺されているのが発見されたという連絡が入る。現場に向かおうとするBethにMaceは同行させて欲しいと頼み込む。
Maceは 罠にはめられて有罪判決を受けた警官が汚名を回復する手段として 世間で話題になる大きな事件を警察に先駆けて解決すれば復職が可能であると考えていた。

Maceは 殺された女性の同僚の弁護士であり、死体の発見者でもあるRoy Kingmanに接近し 情報を得ようとする。二人は 共に学生時代バスケットの選手として活躍していたことを知り、親しくなる。
Maceは 経済取引を扱う弁護士で犯罪関係とは疎遠だというRoyに 弁護士仲間に犯人と思われる人がいないか 調べるように頼む。
そんなRoyのもとに 殺されたDianeから意味不明のE-mailと本に隠されてキーが届けられる。

Maceと会ったRoyは 事務所の捜索の様子を報告するが それを聞いたMaceは かって起こった事件を思い出し、似たようなことがあるかどうか確認するために 彼の事務所に向かい 事務所ビルに潜んでいた犯人と思われる男を捕まえる。
男は Royも顔見知りの退役軍人でホームレスの男だった。

Royは 彼の事務所は犯罪者の弁護を引き受けないという規則にも関わらず、男の依頼で彼の弁護を引き受ける。
しかし、彼の荷物の中から 女性の所持品が見つかり 彼の有罪は決定的と思われるが・・・・

死の直前にDianeがRoyに送ってきた意味不明のメールとキーは 殺人事件と関係がないのか?
犯人を捕まえた自分は これで復職できるのではと 期待しながらも メールの件が解決できない不安にかられるMaceは ある場所で重大な発見をする。
そして その直後、彼女は命を狙われることになる。

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姉は その地区の警察署長、妹は落ちこぼれ どこか内田康夫の小説を思い出させる設定。
でも この姉妹愛の絆の強さは読んでいて気持ちがいい。また RoyとMaceの関係も コンビとしてはおもしろい。強引なMaceに引きづられて それは法律に違反すると知りつつもMaceの行為を黙認してしまう、腕力はないが なんとかMaceのピンチを救おうとする行為は微笑ましい。

しかし、 犯罪のトリックが よくあるケースでちょっと不満。しかも そのことに関して これでもかというぐらいにしつこく述べているのにもうんざり。内容が内容だけに人前で読むのが気が引けてしまう。

また MaceとRoyが ストリートギャングに殺されそうになるが 集団のボスとRoyが バスケットの試合をしてRoyが勝ったなら二人を解放するという展開も 3流映画のようで どうもだな。
最後はどきどきする展開で エッと思わせる展開があってよかったけど 物語としては 一気に読むほど面白くなかった。