気軽に洋書ミステリー

家にいてもすることがないおじさんは考えました。このままではボケる。そうだ!好きなミステリーを英語で読もう!英語力???

Demolition Angel by Robert Crais

2010-06-20 20:14:37 | 読書感想

この本はおもしろい。

いきなり爆弾処理の場面から始まり 処理に当たった処理班の男が死亡してしまう。
この事件の捜査にあたるCarol Starkeyという女性刑事が魅力的。かって 爆弾処理班に所属していたが 3年前に処理に失敗して 同僚は死に,自分も心臓停止状態になるが奇跡的に蘇生する。身体には そのとき受けた傷跡が醜く残り プールなど人前で自分の肌をさらすことを避けていた。恋もあきらめ 彼女に残された生きがいは犯罪者を逮捕することだけ。

しかし、同僚は死に自分は生き残ったという事実は 彼女に罪悪感を感じさせ、その辛さを忘れるために彼女は酒に頼るようになって 仕事中でも酒を飲むようになっていた。
しかも 酒飲みの事実を部下に知られてしまい 上司に密告される。仕事を取られたら 彼女には 生きるすべがない、自分は大丈夫と上司を必死に説得する。

もと爆弾処理班に所属していたころの知識をもとに 丹念な捜査をしていった彼女は この事件は Mr.Redという連続爆弾魔の仕業であると断定する。
そして 彼もチャットに加わるというインターネットサイトに偽名で書き込みをし Mr,Redを罠にかけようとするのだが・・・・

とにかく 彼女の孤独感、仕事に対する必死さが いたるところであらわれていて 彼女を応援したくなる。
犯人が全米で犯行を行っているため 事件をFBIなどに取られることを心配し 自分に最後までこの事件をやらせて欲しいと訴えたり、違法な取調べをして警官の職を追われることを心配したり、彼女の警官の職を首になったら 自分の生きがいはなくなってしまうという必死さが胸をうつ。


Priiest by Ken Bruen

2010-06-13 17:27:56 | 読書感想

親友の一人娘を自分の不注意から殺してしまったことにより 茫然自失の状態になってしまい  精神病院に収容されていたアル中探偵のJack Taylorは 5ヵ月後、やっと自分の心の闇から脱け出して 退院をみとめられる。
かっての仕事のパートナーNi Iomaire(Ridge)に住まいを提供してもらい 自ら警備員の仕事を決めた矢先、Jackはかっての依頼人だった老婦人が亡くなり 彼に相当の財産を遺贈していたことを知る。そして、彼の過去の探偵としての業績にあこがれてやってきた探偵志望の若者Codyの熱意に押され ふたたび探偵業務を始めることを決意する。そんな時、母親の相談役をしていた牧師Malachyが訪ねてきて、 世間で話題になっている牧師の殺人事件の調査を頼まれる。

事件は アイルランドの西部の都市Galwayの教会の牧師が殺され、懺悔室にその牧師の首が置かれていたというショッキングな事件、警察の捜査にもかかわらず犯人がわからないまま 現在に至っていた。
牧師Malachyは 警察がつかんでいない手がかりとして 数年前、殺された牧師は 牧師の補佐役として教会に仕えていた子供達に性的虐待を行っていたとして 被害をうけた男たちから訴えられていたことを話す。 訴えは教会の失墜を恐れた教会幹部によってないないに処理されていた。牧師Malachyは 彼らが犯人である可能性を調べるようJackに頼む。
Jackは 牧師の腐敗振りに怒りを感じながらも かって彼の亡き父親が牧師を尊敬していたことを思い出し、自分が牧師を助け、この事件を解決したら 父は彼のことを誇りに思うだろうと考え事件の調査に乗り出す。

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ミステリーとしては 山場らしいものもなくたんたんと進んでいくのだけど、 このJackの語り口がとても魅力的。
舞台がアイルランドという見知らぬ国のため 地名にも文化にも知識がなかったが Jackの語りの中からアイルランド人気質や文化が分かってくる。そして、それが変化しつつあることも・・
自分の愛する国アイルランドが そしてアイルランド人がアメリカなどの文化に侵食されて変わっていく中、自分だけが変わらず流れから取り残されてしまった 彼の孤立感が独特の調子で語られていく。

面白かったかどうかというとイマイチかな。