気軽に洋書ミステリー

家にいてもすることがないおじさんは考えました。このままではボケる。そうだ!好きなミステリーを英語で読もう!英語力???

Keeper of the Bride by Tess Gerritsen

2013-11-24 09:36:56 | 読書感想

 結婚式当日 式場の教会で花婿の到着を待つNina Cormierは花婿の介添え人の男から花婿が結婚をキャンセルするという伝言を伝えられる。式の参加予定者が去った後、教会の駐車場の車の中で身動きもせず呆然としている彼女の目の前で教会が爆破される。

 現場に出向いたPortland警察のBomb SquadのチーフSam Navarro刑事は遺留品から先週倉庫が爆発された事件と同じ犯人の仕業と断定する。もし、式がキャンセルされなかったら式に参列した人々が犠牲になっており、NavarroはNinaに命を狙われる心当たりがないか尋ねる。Ninaは自分の惨めな状況に配慮することなく、犯人を逮捕することしか念頭にないと思われるNavarroの態度に反発しながらも 自分が狙われた可能性を指摘されたことに困惑する。

 Navarroは爆発直前に結婚をキャンセルした花婿のRobert Bledsoeの行動に注目する。彼はこの爆弾についての情報を得ていたのか?
Ninaは 同居していたRobertの家へ私物を取りに車で向かう途中、何者かに襲われ車ごと道路からつき落とされる。現場を調べたNavarroは車内に銃弾を発見し、彼女が狙撃されていることを知り、教会の爆弾は彼女の命を狙ったものであると確信する。

 また、教会の事務係から結婚式の当日の早朝、新郎、新婦あてにプレゼントが届けられており、その中に爆弾が仕掛けられていたと思われ、二人、もしくはどちらかを狙ったものだと考えられた。Ninaは命を狙われる覚えがないと言い張っているので、NavarroはRobertに心当たりがないか尋ねようと、彼の家に向かうが、すでに彼が殺されていることを知る。目撃者によると殺害者はNinaを道路から突き落とした男と同一人物、次は彼女が狙われると確信したNavarroは彼女の元へ緊急ランプを点灯させながら車を走らせる。

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Tessの本にしては157円と安いなと思って読んでいる途中でこれはHarlequinだなと気づいた。そういえば彼女はHarlequinの作家からミステリー作家になったという話を聞いたような気がする。
ハーレクインのお決まりの大金持ちの娘、彼女を悪漢からまもるタフな男。そしてハッピーエンド。というパターンに基づいたストーリー。
自分を守ってくれるのは 刑事としての仕事であるからか 好きだから守ってくれるのか思い悩むヒロイン
彼女に恋心を抱きながらも刑事としての倫理に悖ると彼女との距離を保とうとする刑事。
 

 恋愛に関する部分はくすぐったくなるほど甘チョロいが、まあ でもさすがTessだけあって プロットの展開が早く先が気になって一気に読ませる。ミステリーとして十分楽しめた。


★★★  Kindle版 331 ページ 157円 


Don't Close Your Eyes by Lawrence Kelter

2013-11-17 09:53:40 | 読書感想

ニューヨーク、5月の深夜3時、ManhattanとRoosevelt Islandを結ぶケーブルカー内で女性の乗客と運転士が殺される事件が起きる。犯人はケーブルカーが着いた瞬間に改札係の男を不意打ちして その場から逃げ去った。
運転手は背後から銃で撃たれて、女性は口と鼻を手で塞がれての窒息死、女性の口には「Look Back」と書かれた紙切れを詰め込まれていた。さらにその後の捜査で島側の改札係の男Seth Greenも射殺されているのが発見される。
捜査を担当することになったNYPDの女性刑事Stephanie Chaliceは殺害方法から運転手は巻き添えで犯人の標的はWall Streetに事務所を構えるEllen Rednerという女性弁護士にあったと推理する。また、財布などが放置されていたことから強盗などでなく彼女の命を狙った計画的犯行だと。

 そして、その夜、高級マンションのエレベーター内に41歳のSamantha Harrisという女性が口にボロ切れを詰め込まれて殺されているのが発見される。殺害方法はEllenと同じで、口と鼻を手で塞がれて呼吸困難にされての窒息死。彼女が所有していたと思われるPCには「Are You Looking Back?」という犯人からのメッセージが残されていた。Stephanieはケーブルカーの運転ができたりEVの操作に精通していることから犯人は機械に詳しい修理工であると考えて、過去の犯罪者の中から修理工の犯罪者の洗い出しを膨大な犯罪資料をもつFBIに要請する。
また被害者ふたりの頬に犯人の唾液が着いていることがわかり、その唾液の分析から犯人がLSD常習者であることがわかる。
Stephanieは 毎夜見る悪夢に関して 秘かに精神科医のNigel Twainからカウンセリングを受けていたが、彼が 患者の診療にLSDの効用を述べていたことを思い出し、彼に捜査中の事件の犯人についての意見を求める。Twainは犯人の目的はStephanieであると断言する。

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出だしの書き出しはうまく、ぐっと、物語に引き込まれていく。
しかし、ヒロインの登場からがらっと文の調子が変わり男性雑誌の連載小説のような軽い感じになり、そのギャップに違和感を感じる。
捜査のために男と会っているのか、自分の好みであるかどうかを見るために会っているのか突っ込みたくなる。また、自分がスカートを着ていると、どれだけ男たちに注目されているかが語られていて 捜査に対するやる気がみえない。
プロットはよくできているなぁと思う部分もあるが、ヒロインの犯人を追いつめていく行動力、推理などがいまいちで物足りない。

 Kindle版 ¥292円

 


Stalking Susan by Julie Kramer

2013-11-10 10:01:41 | 読書感想

結婚2周年の記念日に警察官であった夫が殉職して以来、精神疾患に陥った36歳のテレビリポーターのRiley Spartzは 3ヶ月の休職のあと仕事に復帰した。精神的落ち込みから立ち直るため、またこのところ目立ったリポートをしてなかった彼女は、上司や仲間たちに自分の存在をアピールするためにもビッグスクープを欲していた。
そんな時、彼女が新人だった頃から顔なじみで、彼女に秘かに捜査情報を教えてくれていた殺人捜査課の刑事Nick Garnetは、今は刑事をやめてショッピングセンターの警備主任になっていたが、彼女にこっそり警察から持ち出した未解決の古い犯罪資料のコピーを渡す。

その中にSusan ChenowithSusan MorenoというSusanという名前をもつ女性が1991年、1992年と一年離れているが11月19日という同じ日に殺されているという新聞記事があるのに気づく。それぞれの事件は別々の事件として扱われていたが、同じ日付け、同じ名前の女性が殺されているということで、以前、Garnetは、名前と日付の一致を述べて、ふたつの事件に関連がある可能性を主張したが、捜査主任は関連性を認めず、彼は捜査を断念していた。

Garnetは、もし、彼女がふたつの殺人事件を関連づけることができたら大スクープになると話し、彼女がふたつの殺人事件を調査するように仕向ける。

 資料を読み始めたRileyは 二人の被害者には殺害方法、貧民住宅街に住んでいた被害者の死体が高級住宅街の側に放置されていたことなど、さまざまな共通性を感じ取りスクープになりそうな予感に興奮する。
Rileyは同僚のコンピュータお宅のLee Xiongに事件の概要を話し、データベースにアクセスして11月19日に殺されたSusanという名前の犠牲者が他にいないかどうか調査するよう頼む。

被害者の両親などのインタビューなどを始めたRileyは上司のNoreen Banksから後90日で雇用契約が切れる、再契約して欲しいのなら視聴率の取れる事件を追求するよう求められ、彼女のSusanについての調査を認めながらも、視聴者から告発のあったペット葬についての潜入取材を厳命される。

RileyはインタビューのときにSusan Chenowithの母親からもらったSusanの写真で彼女が殺されたときに着ていたはずのレインコートが翌年に殺されたSusan Morenoが着ていることを発見し、さらに、彼女が殺された日に彼女と話した警官は 娼婦である彼女はレインコートなどは着ていなかったと断言し、Rileyはふたつの事件が関連しており、シリアルキラーの犯行であること確信する。

そして、調査を頼んだXionからのメールでRileyは1990年11月9日にSusan Reddingという名前を持った女性が殺害されていたことを知る。さらに、1994年11月19日にSusan Niemczykが自殺していることを。
前者は犯人が逮捕されており、後者は自殺であったが。

 今年の11月19日が近づく中、11月の最初の日曜日のニュース番組で「Deadly Anniversary is Approaching」というタイトルのもとRileyは殺害され又は自殺した4人のSusanという女性の奇妙な整合性について話し、さらにシリアルキラーの可能性についても言及する。報道は38%という高視聴率を記録し、Susanという名前の女性達にパニックを起こすほどの反響を起こし、報道局長のNoreenはさらなる調査をRileyに厳命する。Rileyは、その先に待っている奈落に気づかずに、高揚感に包まれる。

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この主人公のキャラクターがとても良い、一人称で話は進むのだが、語り方が心地よかった。事件の進展の合間合間に自分のことや亡くなった夫のことなど語られていくが、語り方がうまく興ざめすることなくRileyの辛い心境や職場内の関係などわかり、彼女がなんとかスクープをゲットするよう応援したくなる。

 

作者はテレビの関係者であることが 読んでいると推察できる。例えば、被害者の両親にインタビューするときなど視聴者を意識して悲しみにくれて涙するところを撮らないと意味がない考えて思惑通り泣いてくれるようインタビューで誘導していく。自分の局が放映するまでは他の局のインタビューは受けないように頼んだりと、放送界の裏側がわかって面白かった。

調査が進むにつれて手がかりが出てきて、それぞれの殺人をつなげるという小道具のだし方がうまい。そして、ひねりもうまく利いている。また、昔のミステリーによくあった被害者などの一覧表を作っていてくれるのは、物語を頭の中で整理するのに便利であった。プロットもちょっと昔のミステリー風だった。

★★★★

 


Find Me  by Carol O'Connel

2013-11-04 12:12:44 | 読書感想


 NYPDの刑事Malloryが不在の中、同僚のRikerはMalloryのアパートの部屋でSavannah Sirusという女性の死体を発見する。検死医は自殺だと断定するが Malloryは自分の部屋で女性が自殺したのを知っているのか、彼女と女性との関係は?疑問を解消するために、彼女が行く先々のガソリンスタンドやレストランなどで使用したクレジットカードの使用履歴を下に、RikerはMalloryの後を追う。

 Malloryは、父親Peyton Haleが愛着をもって書いた国道66号線(R66)の案内の手紙を参考に 彼がランドマークとして書き留めた場所をたどりながら、シカゴからカリフォルニアへ向かうR66のドライブを続けるべく、シカゴに向かっていた。

 そんな中、R66の起点、シカゴ博物館の近くの工事現場で腕が切断された男の死体が発見される。男は手足を釘で固定され、その切断された腕の部分には子供の物と思われる骨が置かれていた。
 R66の起点のランドマークである博物館の玄関にあるGreen Lionに着いたMalloryは 殺人事件のことを知り現場を見に行く、すでに現場検証も終わり立ち入り禁止のバリケード以外、見張りの警官もいない現場に入った彼女は、犯人が使用した釘は工事現場の釘を真似て犯人が造ったものと思われ、犯人は用意周到に準備して、この犯行を行ったと確信する。
Malloryはこの事件の担当が旧知のKronewaldと知り 自分が気づいたことの伝言を電話を受けた警官に頼みR66の旅を続けることにする。

 父親の書いた次のモニュメントが見つけられず途方に暮れて入ったレストランで、Malloryは、彼女が警官であると知ったApril Waylonという女性から 数十台の車で移動している仲間に合流するのを助けて欲しいと頼まれる。携帯電話は電池切れで電話することができず、また、誰かが自分の車を尾行してくるようで、怖いので守って欲しいと。最初は無視したMalloryだったが 彼女の携帯から密かにバッテリーが抜き取られていたことや、彼女の車のタイヤのバルブが徐々に空気が抜けるように細工されていたことから彼女の話を信じ、通り合わせた警官に彼女の仲間への合流を助けてやるように要請し彼女を委ねる。

イリノイ州の州境近くのレストランに入ったMalloryは、そこに放置されていた車に蠅が群がっているのを不審に覚え、警察に通報しトランクの中から切断された腕を発見する。その腕は、シカゴで発見された死体の一部であると判断し、捜査担当のKronewaldに電話する。そして、Malloryは、被害者の車のタイヤが交換されていることや、携帯電話のバッテリーが盗まれていることを発見し、April Waylonが同じ犯人に狙われていると考え、至急、彼女の行方を探し保護するように助言する。

また そのレストランでMalloryは Aprilが合流しようとしていた精神科医のPaul Magritteをリーダーとする数十台の車を連ねた集団に出会う。
 一年前、FBI捜査員のNahlmanは上司のDale Bermanから全米の未解決の白骨遺体の発見場所を記した資料を渡され犯罪パターンを見つけるように命令される。Bermanは、この資料からシリアルキラーを見つけだし、自分の能力を上層部にアピールすることを狙っていた。

 数百にも及ぶ資料の中からNahlmanは白骨が発見された地点の八つからR66の道路沿い、20マイルおきに少女の死体を埋めているシリアルキラーの存在をあぶりだし、発見された場所をもとにして、未発見の少女の死体が埋められている可能性がある場所をマッピングしていった。次いで、FBIはBermanの指揮の下、州警察の協力を得て、彼女が指摘した場所を次々と発掘し、多くの少女の白骨死体を回収していた。

そして、白骨遺体の身元確認の問い合わせをした親がPaul Magritteの主催するMissing Childrenの親のケアをするサイトの会員だったことから、FBIがR66で子供の遺体を発掘していることが ネットを通じて知られることになった。Paul Magritteとその会員たちは子供の消息が分かるかもしれないという希望をもってFBIを追ってR66を車を連ねてシカゴからカリフォルニアへと西進していた。
 
 Malloryはシカゴで殺された男とストーカーされたApril Waylonがかれらのメンバーであったことを知り、かって少女を殺していたシリアルキラーがその親であるメンバーを標的としていると考え、Paulにグループを解散するよう警告し、さらに保安官に彼らの警護を要請する。

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以前の作品で彼女の母親について書かれた作品がある。今回は父親Peyton Haleについて。できたらそちらを先に読んだ方が良いと思う。(4作目 Stone Angel「天使の帰郷(邦題)」)

死体がたくさん出てきて読んでる方も頭の中で整理するのが大変。MalloryがR66をドライブするのは彼女らしくない。
親への愛情などは 、人並みの感情を一切持たない彼女の性格に合わないような気がする。
Rikerの考えるように自分たちを見捨てたことに対する復讐のためなら納得いくのだが。
それとも徐々に彼女の性格も人並みになっていくのだろうか、それはあってほしくない。

 どうも読み終わった後、消化不良のような感じを抱く。Malloryも殺人事件にのめりこんでいくかと思うと父親が書き記したノートに記されたR66沿いのあるランドマークを見に行ったりして シリアルキラーにも興味がないようで、いまいち捜査にのめりこんでいかない。最後になってやっと、という感じかな。

行方不明になっている子供を探し続ける親たちの姿は胸を打つ。Aorilがストーカーに怯えながらも「子供を探して家に連れて帰るのが親の務めだ」と言って旅をやめないのは胸がジンときた。

★★★★