気軽に洋書ミステリー

家にいてもすることがないおじさんは考えました。このままではボケる。そうだ!好きなミステリーを英語で読もう!英語力???

End Game(Will Robie #5) by David Baldacci

2017-11-26 12:08:32 | 読書感想

アメリカ国家や国民に対してテロを計画している組織や人物を密かに暗殺するCIAに所属する凄腕の暗殺者、Will RobieJessica Reelはそれぞれの任務を果たし、アメリカに帰国する。しかし、二人は休む間もなく、Blue Manの上司から彼が行方不明になったと伝えられ、彼の安否を探るよう命令される。

2人の直属の上司Blue Man(Roger Walton) は休暇を取り、彼の生まれ故郷コロラド州のGrandという町に帰るが数日前から行方不明となっていた。彼は政府の機密情報を数多く知っており、彼が拉致されていてテロ組織に機密情報を吐露するという最悪の事態を組織上層部は危惧していた。

2人が着いた町Grandは 広大な地域に人々が散在する小さな町で保安官と副保安官二人で治安を守っていた。保安官のValerie Malloyに会った彼らは彼女から、この町は警察などの治安機関の目が行き届かない孤立した町であり、治安機関の介入を嫌う人々が集まって様々なコミュニティを作っていると教えられる・・ナチズムの信奉者や宗教団体など、政府からの独立を主張して武装しているコミュニティ。Malloyは、警察の絶対的人手不足により彼らを取り締まることが不可能であると町の状況を彼らに話す。

警察権力を嫌うそれらのコミュニティからの妨害を受けながら、捜査を進めるRobie達は、Blue Manが失踪する5日前に、ドラッグのリハビリのため入院していたHolly Malloy  保安官の妹 を病院に訪ねていたことを知る。かってRobieは、Hollyがナチズムの男たちに襲われているのを助けてあげたことがあるが、彼女は彼に礼を言うこともなくその場を去って行方不明となっていた。

彼らはHollyが入院していた病院に行き、看護師からBlue Manは彼女の友人のJC Parryの紹介だと言って、彼女を訪ねてきたと伝えられる。事情を聴くために、二人はJC Parryの自宅を訪ねるが彼もまた失踪していることを知る。どうして彼はBlue ManにHollyに会うことを求めたのか?

Blue Manが失踪し、彼にHollyを紹介したJC Parryも・・・もし二人が拉致されたのなら・・・彼らはHollyも拉致される可能性を危惧し始める


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最初から最後まで途切れることなくアクションの連続で面白かった。ただ多くの人が死にすぎる。誰が次に死ぬのかヒヤヒヤさせる。もう少し救いがあったほうが心休まるのだけど…舞台設定(架空の町・・Grand郡は実在するが・・)は面白いところに目をつけたものと感心した。多分、アメリカならこう言う場所があると思わせる上手い設定。

CIAで最強の2人の関係がぎこちない。特にReelのRobieに対する素っ気なさ。もし彼を愛してることを認めたら・・愛する人が死ぬのを見たくない、聞きたくないと言うことなのか?もしそのことが起きたらあまりにもショックが大きくて立ち直れそうにないから?どうなるのかと思っていたら最後の場面でホッとした。

また 戦闘中にReelがフローズする場面、他のシリーズにもあったが僕にはよくわからない心情、読解力のなさかもしれないがもうすこし説明が欲しかった。


E-book(Kindle版)★★★★ 408ページ 2017年11月出版 999円(2017年購入)


City of Bones (Harry Bosch #8) by Michael Connelly

2017-11-19 10:04:58 | 読書感想

Kindle は定期的に有名作家の作品を200円以下で提供してくれる。この作品も133円、Boschという刑事は好きなキャラクターなのでチャンスと思い購入した。

期待通りテンポよくストーリーは進むので読み易く速いペースで読み終えた。最後まですんなりとは終わらない、よく出来たプロットだった。

読み終わった後に思ったことは『後悔先に立たず』。Boschを含め事件に関係した人々がそれぞれ起こった出来事を悔い、なんとかして償おうとする、やり直したいと考えるがどうにもできない。それでもBoschは、自分を納得させるための決断を最後に下す・・読者を疑心暗鬼にさせる決断を。


E-book(Kindle版)★★★★ 422ページ 2002年4月出版 133円(2017年10月購入)


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あらすじ


カリフォルニア州Losangeles、元旦4:38pm、

 深い森に囲まれた町Laurel CanyonのWonderland に住む医師から散歩させていた犬が森の中から少年のものと思われる腕の骨を咥えて戻ってきたという通報がある。LAPD、Hollywood 分署の刑事Bosch は多分動物の骨を人間の骨と勘違いしていると思いながら現場に向かう。しかし、通報者の医師から話を聞き、骨が少年の骨だと信じた彼は捜索隊を指揮し森の中を捜索し、少年の他の部位の骨や頭蓋骨を発見する。

Boschは検視医から骨は20年以上経っていると伝えられる。さらに、検視した骨から判断して、少年は10歳から12歳、数年にわたり、手術痕のある頭蓋骨を含め、何度も何度も繰り返し骨に打撃を与えるほどの殴打を受けていたと知り慄然とする。彼は絶対にこの少年を殺した男を逮捕してやると自らに誓う。

しかし、捜査する過程で警察上層部を震撼させる予期せぬ事態が起き、警察幹部は真相を解明しないまま事件を集結しようとする。そして、その責めをBoschに向け、彼に刑事を引退するよう勧告し、彼は窮地に追い込まれていく。


 Love Story, With Murders by Harry Bingham

2017-11-11 12:27:43 | 読書感想

2010年10月、ウェールズの首都CardiffのLlanishen地区で2か月前に亡くなった老婦人の家の巨大冷蔵庫の中から切断された若い女性の足首が発見される。

通報を受けて現場に到着した南ウェールズ警察署犯罪捜査課刑事Fiona  Griffithsは切断された足が履いていた靴に注目、ネットで調べてそれが10年前に流行っていた靴であることを発見する。彼女は、足首は数年前に切断された可能性が高いと考え、犠牲者を特定するには、失踪人届の古いデータまで遡って調べなければならないことを知る。彼女は冷蔵庫に収納されていた他の食品パッケージの日付をチェックして何時、足の部分が冷蔵庫に置かれたかを推理しようとする。

彼女は警察の失踪人届を深夜まで調査して、死体が、22歳、大学生、2005年8月に行方不明の届が出されていたMary Langton であることを見つけ出す。彼女はMaryが学費を稼ぐためにポールダンサーとして働いていたことを知って戸惑う。彼女の父親はポールダンスのクラブを経営している。Maryが父のクラブで働いていたら、父は事件になんらかの形で関与していたら 彼女は娘としての立場、刑事としての立場の間で葛藤する。

そして、世間がバラバラ死体発見に騒然とし始めた翌日、足首が発見された家から数百ヤードしか離れていない溜池の土手で、数日しか経っていないと思われる切断された男の右手が、それに続いて周辺でバラバラにされた死体の一部が次々と発見される。遺体の身元は材料工学を専門とする大学教授 Ali el-Khalifiと判明する。

南米の都市と異なりこの町ではバラバラ殺人などは起こらない。もし起こったとしたらそれは百年に一度しかありえない。それが同じ町で2件のバラバラ殺人、二つの事件に関連がないなどはありえない。Watkinsを捜査主任とする捜査本部は、2人の繋がりを突き止めることが事件の解決、犯人の逮捕に繋がると考えて全力を挙げる。

しかし捜査陣が二人の関係を突き止めることができず捜査が行き詰まる中、Fionaは捜査方針に飽き足らず、独自の視点で捜査を始める。そして先月、麻薬取引の罪で収監されていたMark Mortimerという材料工学の技術者が刑務所で自殺していることを突き止める。彼の勤める会社は Ali el-Khalifiと技術問題で提携しており彼とAliは知り合いである可能性が高い。彼女は捜査主任のWatkinsの許可を得て、彼の自殺に不審な点がないか、MarkとAliが知り合いであったか捜査していく。やがて彼女は彼らが親密な関係だったことを突き止める。そして彼らを結びつけているものが、仕事か仕事以外のことであるかどうか探し出そうとする。その一方、捜査本部には内密に父の盟友で父のクラブの支配人である男にクラブでLangtonが臨時に働いていなかったか、彼女の顧客にel-Khalifiがいなかったか、調べるよう要請する。やがて彼女は殺人の背後に巨大な陰謀が潜んでいることを気づき始める。

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終わり方は迫力不足、物足りなさが残る。巨悪に向かうには力不足?でも彼女の信念は、捜査する目的は殺人犯を逮捕することではなく、死者に平穏を与えること、と云うならこれで良いのかな。前作の事件の捜査も私的に継続しているよう・・この事件も続ける?いずれは、シリーズの中で決着をつけるのか?次作も読ませるための作戦?

今回は事件と絡ませて父親の仕事について、ダーティな過去が明らかになる。彼女はそのことを気にしていないようだが、刑事になる人間としての倫理観とどう調和させているのか、もう一つ説明が欲しい。

捜査は、相変わらずのルールを無視した捜査で手がかりを追って行く。でも犯人にたどり着こうとする論理は明快で彼女の行動に同調できる。ただ捜査する過程を述べることなしに、事件と関係ある重要な人物が存在すると、いきなり新事実を捜査主任ばかりでなく我々読者に告げる。その新事実を突き止める過程も描いてくれた方がワクワク感が増すと思うのだが。


E-book(Kindle版)★★★☆ 440ページ 2014年2月 266円(2017年10月購入)