セキュリティ会社に所属し、紛争地域で要人を警護する任務に就いていたJolaineは11歳の少年Grahamを守るためにFBIに雇われる。
Chechenで核兵器の技術者だった彼の父親Bernardはアメリカに移住して、NATOが始めたソ連崩壊時に所在不明になった核兵器の場所を特定する作業に従事していた。ある日、Bernardは同じChechen人でロシアからの独立を目指すChechen過激派の友人Gregoryからロシアに対する報復のため核兵器の情報を教えるように脅迫される。彼は家族の身を案じ彼に同意するが、FBIに自分の窮地を電話する。FBIは彼に二重スパイになることを要求する。息子の身を心配する両親のためにボディガードとしてJolaineを雇うことを条件にして。
以来3年間、Jolaineは一家の家に住み込み学校の送り迎えなど四六時中、彼の安全を図っていた。ある夜10時、Jolaineは玄関のドアが激しく叩かれる音に気づく。夜遅い訪問者に戸惑いながらも玄関に向かう彼女に、「自分が出る」と言いながら父親のBernardが銃を構えて玄関に向かう。さらに妻のSarahも彼に従って。Bernardが銃を構えていることや普段は寝ているはずのSarahがドアを叩く音に身構えている事態の異常さにJolaineは動転する。
ドアを叩いていた男は胸に銃弾を受けたGregoryだった。息絶え絶えのGregoryは「自分たちの計画が知られた、これがそうだ」と言いながら、彼に一片の紙片を渡す。救急車と叫ぶBernardに対して妻のSarahはJolaineにすぐに息子を連れて逃げるように命令する。
Jolaineは息子を守るために雇われていた、事態の展開に呆然としながらも息子のGrahamを起こし、同じように事態が飲み込めない彼を連れて家を出ようとするが、Gregoryを追ってきた男たちが現れ銃撃戦になる。Jolaineは夫婦が応戦している中、両親の身を心配するGrahamを強引に家から連れ出し、車で脱出しようとする。その際、銃で胸を撃たれたSarahを救出し、3人でその場を脱する。
傷の手当てのために病院に行くことを主張する二人にSarahは病院に行くことを拒否し、知り合いの医者だという男に連絡する。たどりついた場所は何かのアジトのように思われた。秘密のエレベーターで着いた場所には立派な手術設備があった。手術を受ける前にSarahはGregoryがBernardに渡した紙切れをGrahamに見せ、その内容を記憶するように命令する。
Grahamは一度見聞きしたことはすべて記憶できる特殊な能力を持っていた。
Jolaineはその紙切れのためにGregoryが死んでいることから、その内容を記憶することはGrahamを危険にさらすと考え、やめるよう説得するがSarahは大切なことだとしてGrahamに記憶するよう強要する。
さらに あらかじめ教えておいた指示を実行するように彼女はGrahamに話す。指示通り、相手に会って覚えた内容を教えろと。JolaineはSarahにその紙切れの内容が何を意味するのか教えるように要求するが無視され、彼が指示通り行動すれば命の危険はなくなると言い、それまで彼を守れと命令される。
JolaineはGrahamを誰から守るか、何処に向かうかも分からぬまま、彼を連れて銃創の手術をするSarahのもとを去る。
行くあてのないままに、二人は道路際にあったモーテルに泊まる。GrahamはJolaineが買い物に出かけた隙に、彼女が禁じていたにも関わらず指示にあった電話番号に電話してしまう。電話に出た相手の対応に不信を抱いたGrahamは途中で電話を切るが、居所を逆探知されてしまう。二人は銃を持った数人の男たちに襲撃されるが、Jolaineは実戦に基づく冷静沈着な対応によって撃退する。しかし、銃撃戦を住民によって通報され、警察が来る前にその場を脱出する。Jolaineは 銃撃した男たちの一人から、Grahamが指示に従わない限り、ロシア、アメリカ、中国などすべての国が彼の命を狙ってくると告げられる。Grahamに指示とは何か?問いつめながら車を運転するJolaineは、パトカーに止まるように命令される。
同じ夜、チャリティパーティに出席していた、人質救出を専門とする民間警備会社を経営するJonathanは親友のFBI長官Wolverineの使いだというMaryanneと名乗るFBI捜査官に話を聞いてほしいと頼まれる。
彼女によると今夜、核兵器の専門家Bernard Mitchellから救急事態の連絡を受け、捜査員が駆けつけてみると、たくさんの銃弾の痕と血痕、そして彼が殺されているのが発見される。また、妻と息子、子守女の3人が行方不明になっていた。彼女によるとこのような事態になった場合、ある番号に電話して指示を受けるようにProtocolを与えているが、彼らから連絡がないと話す。
FBIはBernardをChechen過激派の情報を探る二重スパイにしていた。
FBIはChechenの過激派にBernardが与える情報を信用させるために複雑なコードを打ち込まない限り作動しないように作り変えた核兵器の所在を教えていた。しかし、Bernardは、最近、FBIとの接触を断っていた。FBIは彼がChechen側に寝返った可能性を憂慮しはじめていた。さらに、最悪なことにBernardは核兵器を作動させるコードを手に入れたと確信していた。そして、そのことを知ったロシア情報部が核兵器を作動させないためにBernardを襲ったとFBIは確信していた。
そして、コードをBernardたちに教えたり、彼がコードを得たという情報をロシアに与えた内通者が政府機関にいると思われた。政府機関が信用できない今、FBIのWilverineはこのような事態に実績のあるJonathanに窮地に陥っていると思われる彼らを捜し、保護してほしいと依頼する。
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水戸黄門のようにストーリーがパターン化している。善人である少年が悪人にこれでもかというほどに虐待され、あわやというところで善人の味方Jonathanたちが現れ、かっこよく悪人をやっつけ、彼を救う。水戸黄門のように結果は分かっているので安心して楽しめる。
しかし、結果までいく途中で、はらはらドキドキさせてくれるので、このシリーズ、つい読んでしまう。
少年を守るJolaineという女性、なかなかカッコいい、と思っていたら途中からパワーダウン、Jonathanたちを引き立てるためにはしかたないのか?
★★★ 448ページ(本の長さ) Kindle版