気軽に洋書ミステリー

家にいてもすることがないおじさんは考えました。このままではボケる。そうだ!好きなミステリーを英語で読もう!英語力???

Long Road To Mercy by David Baldacci

2018-12-16 08:44:15 | 読書感想

FBI Agent Attlee Pineは6歳の時、窓から侵入した男によって双子の姉Mercyを連れ去られるという悲惨な体験をしていた。彼女は同じような悲惨な体験をした人々のため、そして人々を犯罪から守るため犯罪者を狩るFBI捜査官となる。捜査官になって12年、 犯罪捜査という男がメインの社会で、凶悪犯の逮捕に優秀な実績を残していた。2年前、彼女はGrand Canyon国立公園に隣接するShattered Rockという小さな町に赴任する。、捜査官は彼女一人、事務員一人のという小さな事務所だが、アウトドアの生活と広大な土地に憧れていた彼女はこの地に勤務することに満足していた。姉を連れ去った犯人は捕まらず迷宮入りとなったが、彼女は腕にふたご座の刺青をして姉のことを忘れないようにしていた。しかし、最近、催眠療法を受けた彼女は事件当日のことを思い出し、連れ去った男の顔を思い出す。その男は分かっているだけでも34人を殺していることが判明し、殺人罪で終身刑を受けて連邦刑務所に収監されてているDaniel James Tor  という男。明らかにされていない犠牲者の数は3倍になると考えられていた。Mercyは明らかにされていない犠牲者の1人だった。PineはTorへの面会を要求し、彼に姉Mercy Pineは何処にいるかと尋ねる。彼はMercyのことについては何も答えなかったが、彼女との対話は楽しんでいるように見えた。彼女はいつか彼が姉のことを話すことを期待して刑務所を去るが、その帰途、パークレンジャーからグランドキャニオンで事件が起きたとの通報を受ける。

徒歩かラバ、又はコロラド川を筏でくだるしか移動手段がないグランドキャニオンにヘリコプターで到着した彼女はラバが腹を裂かれて殺され、そしてそれに乗っていた男が行方不明になっていることを知る。ラバが殺されていることは滅多にないが、この広大な峡谷で人が行方不明になり、数日後に無事発見されることがよくあり、彼女は事件を深刻に考えていなかった。

しかし、ラバの死骸には誰かに当てたメッセージと思われるJとSという文字が刻まれていて、さらに行方不明になった男はBenjamin Priest(Ben)と名乗っていたが兄のEdward Priest(Ed)に問い合わせの電話をした彼女は誰かがBenの名前を騙っていることを知る。Benと名乗った男は何者なのか?何しに峡谷にやってきたのか?そして心配した兄の電話にもなんの応答もしないBenはどうしたのか?彼女はこの事件に興味を持つ。

そんな中、Edから電話があり彼女は彼がBenのことを心配してこちらに来たことを知る。彼女はとりあえず彼を彼女の自宅に泊めることにする。深夜、気配に気づいた彼女が待ち受けていることも知らずに、彼は銃で彼女を撃とうとするが躊躇して止める。彼を厳しく追及した彼女は彼が脅迫を受けていることを知る。彼女は彼に彼の家族の安全を保障する代わりに、Benへ緊急の事態が起きたと連絡するよう要求する。そして、Benからの電話があり、Grand Canyon のホテルで夜9時に会うことを約束する。ホテルに現われたBenは今何が起きているのかを説明することを拒否する。3人は車に移動するが、彼等の乗った車が銃で重装備をした何者かに襲われてBenとEdwardは負傷し、彼女も彼らの投げた手投げ弾で意識を失う。

意識を回復した時、彼女は病院にいることに気づく。傍らで介護していた秘書のBlumによると彼女は交通事故に遭い救急車でここに運ばれてきたという。兄弟は連れ去られていた。現場に戻った彼女は事件の痕跡が消去されていることを知る。

事務所に戻った彼女にアリゾナ州のFBI事務所の統括責任者 Clint Dobbs から電話が来る。彼は早朝にFBI副長官から電話があったと話し、キャニオンで起こった事件から手を引くよう命じ、さらにしばらく休暇を取るよう命じる。

彼女は事件の背後に巨大な組織の存在を感じ、兄弟が連れ去られたにも関わらず、事件から手を引かせようとしている者たちに怒りを感じる。彼女は、上司の命令を無視し捜査を継続することを決断する。思いもよらぬ秘書の励ましもあって。彼女は休暇を取るように見せかけて、深夜Benの家があるワシントンDCに向かう。助手席にはBlumを乗せて。

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この著者の作品は男女のペアで事件に挑むのがほとんど。今回もPineの相棒にパークレンジャーのSam Kettlerが元スペシャルフォースということから彼らがタッグを組むと思っていたら、今回はなんと彼女の事務所の初老の女性が相棒となって事件を追求するという今までにはないコンビ結成で面白かった。特に、別に秘書は誰でもいいと考えていたPineが、Blumが超優秀な推理分析力を持っているのがわかって彼女を見直す場面は面白かった。

ヒロインがかっこいい。すらりとした長身というより、重量上げで鍛えた筋肉質の体形、武装した男も一瞬で倒す格闘能力、絶対絶命な状態になっても一歩も引かない、降伏するよりは死を選ぶという性格は読む側をワクワクドキドキさせてくれる。

ただ、プロットがあまりに荒唐無稽、納得いく設定ではなかった。最後の盛り上がりがイマイチだったのはそのせいかもしれない。

E-book(Kindle版)★★★☆ 417ページ 2018年10月出版 968円(2018年10月購入)