4月朝10時頃、Nick と Joanna Duncan夫妻の9歳の少女Abigailが自宅の農場で隠れんぼをしている時行方不明になる。彼女がかけていた眼鏡が農場から森へ続く道で発見されたことから、警察は何者かに少女を連れ去ったと考えて、捜索隊を組織して一帯を調べる。
超常現象事件を扱うOperation Moonlightチームに所属する刑事Jennifer Knightは、一家が住む古い家は突然電球が切れたり、ドアがひとりでに閉じたりという怪奇現象がおこるということから、家族に対しては捜査の状況を、捜査本部には家族の情報を与える役割のFamily Liaison Officer(FLO)として、捜査の一員に加わる。
一家の住む農場に出向いた彼女は、家族の絆が崩壊しているに気づく。娘が行方不明になっているにも関わらず何事もなかったかのようにふるまい、にこやかにテレビのインタビューに答える母親Joanna.、悲痛な態度を見せない妻に苛立つ夫Nick、Abigailが行方不明になった時から失語症になり常に怯えたようなそぶりを見せる双子の姉妹のOlivia。
Jenniferは、Abigailが失踪した時一緒に遊んでいたOliviaが何かを知っていると感じ、Oliviaと二人きりになるチャンスを得て、Oliviaの心をほぐして手掛かりを得ようとする。そして二人きりになった時、彼女はOliviaを通してAbigailの声を聴く。『私を見つけて』というメッセージを。Oliviaの様子から彼女は自分が話したことに気付いていないと感じたJenniferは、彼女が興味ありそうな話題を持ち出し彼女が話すよう仕向ける。Oliviaはそれについて答えようと口を開こうとするが、父親が部屋に入ってきたのを見て、あわててその部屋から走り去ってしまう。Oliviaは何故か父親を恐れているように見える。JenniferはOliviaの失語症になったのは父親のせいではないかと疑う。父親が容疑者?それとも悲痛な素振りを見せない母親?それとも家に出入りしている誰か?Jenniferは 上司から連絡係に専念しろという忠告にも関わらず、事件の捜査に深入りしていく。
Jenniferは、Oliviaを通してAbigailとコミュニケーションが取れることを発見し、できるだけ二人になる機会を作ろうとする。そして、Oliviaといる時、彼女はAbigailからのメッセージを受け取るが、暗いトンネルの中にいるとか、うちへ帰りたいと言う以外、誰が彼女を連れ去ったのか、何処にいるのか、という肝心なことを聴きだすことはできなかった。また、Abigailの声はときたま彼女に囁きかけて来る死者の世界からの声なのか、それとも双子の強い絆からくる現実の世界の声なのか?彼女はAbigailの生死についての判断に悩む。そして、失踪から一日、二日と時を経るにつれてAbigailの声が弱っていき、絶望のつぶやきに代わっていくことを感じ、少女は生きていて救出を待っているのではないかという思いが湧き上がってきて、彼女は焦燥感にかられる。そんな中、農場に近接している川を捜索していた警察は川の中から身元不明の死体を発見する。
うまいひねりがあって、第1作よりも面白かった。また、彼女の特殊能力を生かして犯人や少女を見つけるというより、FLOとして家族と接触していく中から家族の秘密を探り出し、突き止めた事実に基づいて推理を駆使して犯人に迫っていく、というミステリー色が強く出ていて楽しめた。「Don't Turn Around」とどちらかを選べというならば、迷わず、この本を読むことをお勧めします。前作を読んでなくても問題ありません。
E-book(Kindle版)★★★★ 322ページ 2016年4月 299円(2017年購入)