気軽に洋書ミステリー

家にいてもすることがないおじさんは考えました。このままではボケる。そうだ!好きなミステリーを英語で読もう!英語力???

『森の死神』ブリジット・オベール

2006-02-17 16:59:25 | 読書感想

☆あらすじ
エリーズ(ヒロイン)は、爆弾テロに巻き込まれて四肢が麻痺しており、しかも、目も見えず、しゃべることもできない。

エリーズができるのは聞くことと人差し指をあげることだけ。そんな彼女に、公園で知り合った少女は、ここ数年起こっている、男の子にたいする連続殺人の犯人の正体を知っていることを話す。

少女の教えてくれた情報を警察に知らせたいと切望するヒロインだが、他の人に伝えるすべがない。
少女の情報どおり その後も殺人を重ねる殺人犯に地団太を踏むエリーズに 殺人犯の凶刃が襲う!

☆感想
ミステリのプロットとしては、ストーリにちょっと抵抗を感じる部分がある。しかし、四肢が麻痺した探偵の設定は、ユニークで良かった。

しゃべることが出来ないヒロインは、殺人犯と対峙しても、逃げることも「助けて!」と叫ぶこともできない。うーん、何とかならないのかというヒロインのもどかしさが 読んでるこちらにも乗り移ってくる。

ただ、しゃべることが出来ないヒロインに、知人たちがこぞって自分たちの生活の愚痴をこぼすのを「はい、はい、それはたいへんね」と心の中で言いながら聞いてあげたり、看護人がワインを飲ませてくれないことに不満をもったり、四肢が麻痺したのにけっこう明るく前向きに生きようとしている。

エピローグは麻痺した身体を治す手術を明日に控えたヒロインの独白で終わる、手術の結果を書かないところがいいな、
こういう場合、僕は勝手に成功すると思い込んで、よかった、よかったで読了感をあじわう。