2015 WINNER of the Edgar Best First Novel
雪解けが進む3月のPennsylvania州北東部、Holebrook CountyのWild Thyme 郡区の警察官Henry Farrelは診療所の医師Lizから銃撃を受けた患者がいるとの報告を受け、診療所に向かう。
わき腹に散弾を受けて治療してもらっていたDanny Stiobhardの話によると老農場主Aub Duniganの土地の道の整理をAubの従兄弟Kevinに頼まれてやっていたところをAubに撃たれたと話す。
Kevinに同行を頼み、Aubを訪ねたHenryに、Aubは、侵入者に発砲したことを認める、さらに、昨日、自分の土地に若者の死体があるのを発見したと告げる。死体は至近距離から散弾銃で撃たれ殺されていた。雪の中に遺棄されていたため死亡時期を特定するのは困難だったが、死後1、2ヶ月経っているとみられた。若者は地元の人間ではなく、身元を特定することはできなかった。
Henryの要請でやってきた郡保安官のNicholas Dallyは若者が散弾銃で殺されていることから、今日、散弾銃でDannyを撃ったAubを容疑者として拘束する。
Henryは KevinからDannyに仕事を依頼していないと聞き、Dannyが何故Aubの土地に無断で入ったのか、彼から事情を聴くよう助手のGeorgeを差し向ける。
そして、夜、Geogeから連絡がないのを不審に思って、Dannyの家に向かったHenryは、彼に銃を突きつけられる。彼はHenryをGeorgeのパトカーが止まっている場所に連れていき森に消える。車の中には頭を銃で撃たれたGeorgeの死体があった。
DannyとGeorgeは、以前から女性をめぐってもめており、前夜も、バーで喧嘩しているのが目撃されていたため、DannyがGeorgeを殺したと思われた。
Henry達は、保安官の指揮で近辺の森などの捜索を行うがDannyの行方を突き止めることはできなかった。
DannyはAubの土地で何をしようとしていたのか?発見された死体について関係があるのか?Georgeを殺したのは彼なのか?身元不明の死体は誰か、何故、ここに遺棄されたのか?
小さな片田舎だった町が、シェールガスの発見により、人々が、利権の譲渡で大金を得ることができる状況に活気づいている中、ほとんど経験したことのない殺人事件に、Henryはわずか10人にも満たない捜査員に混じって、2つの殺人事件を丹念に捜査していく。
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townshipのofficerという聞き慣れない言葉にとまどった。役職がよく分からなかった。sheriffと同等の関係と説明してあったように思ったが、どうも捜査の主体は保安官で、彼は現場の保存、見張りなどの補助をしているように見える。日本だと駐在所のお巡りさん?
部下が殺されたにもかかわらず、部下を亡くした悼み、犯人に対する怒りなどが伝わってこず、たんたんと語る口調に物語にのめりこんでいけなかった。また、延々とつづく情景、心情描写は文学的で、ミステリーとしては、ちょと退屈、ストーリーのテンポが遅い。
読み終わった後も(読み飛ばした?)若者の死体、警官の死、2つの事件の関連性が見えてこなかった。犯人の動機も、いまいち分からなかった。
★★ Kindle版 288ぺーじ