気軽に洋書ミステリー

家にいてもすることがないおじさんは考えました。このままではボケる。そうだ!好きなミステリーを英語で読もう!英語力???

The Last Child by JOHN HART

2010-05-23 18:34:15 | 読書感想

ノースカロライナ州のある町の警察署の捜査主任のHuntは 少年が車を運転しているのを目撃する。
少年の名前はJohnny Merrimon 、ちょうど一年前に双子の妹 Alyssaは何者かに誘拐されていた。
JohnnyのHuntを見る目は冷たかった。Huntは この誘拐事件の捜査主任として Johnny達家族に必ずAlyssaを見つけ出してあげると約束して この事件に没頭したが その約束を果たせずにいた。

Alyssaが誘拐されたことから Johnnyの家族は完全に崩壊していた。父親のSpencerは 母親のKatherineから 学校にAlyssaを迎えに行くことを忘れていなければ娘は誘拐されなかったと責められ 自責の念に耐えられず家を出て行った。Katherineはアルコールと薬物で娘のことを忘れようとして無気力状態になっており、今は町一番の金持ちの愛人になっていた。

Johnnyは 再び 家族が結束するには 妹のAlyssaを無事に連れ戻すことだと考えて 母親も警察も誘拐犯は管轄外の地域に逃げたと考え、捜索をあきらめてしまった中 犯人は意外と身近にいるという信念を持ち、地図を片手に町内の家を一軒一軒訪ねては 妹の消息を尋ね歩いていた。
Huntのもとには Johnnyの不躾な行動について苦情がきていたが 彼の心情を考えて黙認していた。

そしてAlyssaの誘拐から 約一年経った今、学校の校庭からTiffanyという12歳の女の子が誘拐されるという事件が発生する。
そんな中、Huntは、バイクに乗った男が 車に追突されて橋の上から落下する場面にJohnnyが遭遇したという通報を受ける。
男は瀕死の状態の中、「自分は誘拐された少女を見つけた。」とJohnnyに話したという。
半信半疑のままに 現場に向かったHuntは男が死んでいるのを発見する。Johnnyは 男が言ったのはAlyssaのことだと興奮しているが・・・男が言った少女は Alyssaなのかそれとも Tiffanyなのか?男の身元は? 車を運転して男を殺したのは誘拐犯か?
Huntは 捜査主任として再び この事件の捜査に乗り出す。

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暗い話だなぁ。
この本を読んだとき 受験で教わった『行く川の流れは絶えずして・・・』という文を思い出した。
常に物語のなかに川が出てくる。
かなしい出来事があっても 人はそのことを思い続けてとどまっていることはできない。川の流れのように 悲しみを後に残して進んでいかなくてはいけない。

読んだ人の多くが 少年のJohnnyを主人公にして感想を書くのだろうけど この少年暗いな。どうも いまいち気が乗らない。
むしろ 刑事のHuntのほうが 捜査に全力を挙げるあまり 妻には出て行かれ、息子にはほとんど口を聴いてもらえない。そんなに頑張ったと Johnnyに言いたいけどAlyssaを見つけ出さない限り何もいえない。そのつらさが感じられて共感をもてる。

 


The Real Enemy( Kindle版) by Kathy Herman

2010-05-11 22:32:23 | 読書感想

一ヶ月前、メンフィスの警察からテネシー州の東部、スモーキーマウンティンの麓の田舎町の警察署に署長として赴任してきたColleen Jessupは メンフィスの時代に数々の事件を解決してきたことから同僚からBrill(brilliantの略)と呼ばれていた。彼女は このニックネームが気に入っており この町でもBrillと名乗ることにしていた。Brillは この町で初めての女性署長として 女性がこの職を務めることができるかという周りの危惧を払拭させる機会を待ってはりきっていた。

しかし、仕事に熱中するあまり彼女の家庭はうまくいってなかった。夫のKurtは 彼女たちがメンフィスにいる時、Brillが仕事に夢中になって自分をかまってくれない寂しさから浮気をしていた。クリスチャンである彼女は そんな夫の行為を絶対に許すことができなかった。しかし、9歳の娘Emilyのため 離婚はせず、娘の前では夫のKurtを愛しているふりをしていた。Kurtは 浮気を後悔しており、彼女の愛を取り戻そうと必死なのだが・・・

そんな中、タイヤ工場の監督が食事に出たまま 帰ってこないという110番が入る。彼の妻も会社の同僚も 彼が自ら行方をくらますはずがないと主張、彼らの話から 何らかの事件に巻き込まれた可能性が高いと見て 自ら陣頭に立って捜査に当たるが 翌日には 小学校の女性教師が そしてその翌日には青年医師が、次の日は女性不動産経営者、その次の日は小学生・・毎日、次々と町の人々が行方不明となっていく連続誘拐事件に発展していく。

誘拐された人たちは 年齢も職業もまちまち顔見知りでもないことから、 犯人は無作為で誘拐していると思われ 人々は 次は自分ではと考え、パニック寸前の状態になっていく。 

全米のマスコミが この異常な事件の注目するなか、捜査責任者として、また自分の捜査手腕を町の人々に認めさせる絶好の機会として、Brillは、これらの被害者達には かならず何らかのつながりがあると信じて彼らのプロフィールを検討し、誘拐犯に近づいていこうとする。

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町で最初の女性署長、部下も市長たちもその能力に半信半疑、そこに起きた連続誘拐事件に彼女が挑む。

面白そうだなぁと思って、しかも2ドルだったので購読したのだが 家族愛に関する話が7割、ミステリが3割という割合かな。
物語のほとんどが 浮気したことを後悔して Brillの愛を取り戻そうと必死のKurtの奮闘振りが書かれていて かなり読むのに退屈だった。

ただ、誘拐された人々がなぜ誘拐されたのか、の謎解きは面白い!また、犯人と対決したとき 彼女の犯人に話しかけた言葉は 他のミステリ小説には出てこないうまい言葉、感動した。
ミステリとしては テンポが遅いのでいらいらしたが最後まで読むと それなりに面白かった。

主人公は敬虔なクリスチャンとして描かれているが、著者もクリスチャンじゃないかな。最後の終わり方や、ミステリーとしては めずらしく下品な英語がでてこない。


Caught(Kindle 版) by Harlan Coben

2010-05-03 12:18:04 | 読書感想

児童性愛者を摘発する瞬間を撮り放映する番組『Caught』のレポーターWendy Tynesは,インターネットで児童性愛者がアクセスしてくるという児童たちのチャットルームで自らが13歳の少女になりすまして,学童クラブ(Community Center)に勤めるDan Mercerを 誘き出し児童性愛者として告発する。

しかし、裁判でおとり捜査が問題になり、Danの家で発見された児童ポルノ写真などもテレビカメラに動転して その場を逃げ出したDanを追っていったWendyが 警察が捜索する前に彼の家に無断で入り込み彼に罪をかぶせるために意図的においたものとして 判事は訴えを却下する。

訴えが却下される少し前、Wendyに 放映以来、世間から身を隠していたDanから『自分は罠にかけられた、会って話がしたい』と電話が来る。彼の有罪を確信しているWendyは、彼の自信ある口調に躊躇しながらも会見を拒否するが 彼は会う場所をメールで送ってくる。

Danから電話があったことを上司に告げに行ったWendyは Danへの訴えが却下されたことを告げられ、彼女の取材方法が問題だったとして解雇される。

そんな中、最愛の息子が児童性愛者の犠牲になった元連邦保安官のEd Graysonが訪ねてくる。Edは WendyにDanの居所を探し出して、自分にその場所を知らせて欲しい と頼む。彼の様子から 彼がDanを殺そうとしているのは明白なので Wendyは頼みを断る。

解雇になった身軽さから Wendyは Danの言い分を聞いてみようと考えて彼に会うことを決意する。
放映されたことからDanは 周りから犯罪者とみられ暴行をうけたり 嫌がらせの電話を受けたりしてひどいありさまだった。しかし、彼は Wendyに 自分は無実であり、罠にはめられたと主張し、冷静にその根拠を述べ始める。が、その時、マスクをかぶったEdが現れ、Danを射殺する。
あわててその場を逃げ出したWendyが警察を伴って戻ってきたときは Danの死体は消えていた。
警察はEdを尋問するが 死体がないことから殺人事件として立証できずEdを放免する。
世間では 捜査の不手際から無罪にしてしまった児童性愛者のDanを 彼の犠牲になった親のEdが処刑したとして Edに同情的だった。

しかし、Danの元妻のJennaは Danは児童性愛者ではないとして 彼が殺されたのはWendyのせいだと彼女のもとに怒鳴り込んでくる。
Wendyは 自分がDanのもとに行くのをEdにつけられ、彼がDanを殺すのを手助けしたのではと後悔していた。しかし、Danの有罪は信じていたので JennaがDanと別れた理由は 彼の児童性愛傾向が分かったからではないかと、逆に彼女に質問する。
Jennaは 彼女が別れた理由は Danには大学時代に何かがあって それが原因となって 彼は人に心を開かないところがあると話す。

Danと会ったときの 彼の穏やかな話し方、態度に 彼が児童性愛者であるとの確信が揺らぎ始めたWendyは、彼の大学時代について調べようと決意する。

そして 同窓会名簿などで彼の大学時代のルームメイトを探してみると、彼のルームメイトの4人のうち3人が ここ半年以内に セックススキャンダルや麻薬売買、横領などで Danと同じように職を追われていることが分かる。
これは偶然なのか?ほぼ同じ時期に、学生時代のルームメイトが 続けざまに人生に挫折する偶然がありえるのか?
Wendyは Danの自分は罠にかけられたという言葉を思い出し、この一連の偶然は誰かが彼らに仕掛けた罠なのか調査を始める。

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この本のテーマは最後にある人が言う言葉。
その言葉に登場人物それぞれが悩み、苦悶する。
ミステリーとしても 最後に大きな仕掛けがあって楽しめるが 一般の小説としても このテーマは重いし、我々の心に響く。


Kindleの良い点。

2010-05-02 14:18:37 | 英語

*辞書機能
何と言ってもこの 分からない単語にカーソルを合わせると画面下に意味が表示されるのは有難い。
僕は、一ページに分からない意味の単語が3,4個以上、必ずある。家にいるときは 辞書などで調べるのだけど、電車などで読んでいると 分からないままに次のページに進んでいって物語の展開が分からなくなるときがある。

不満なのは 意味が英語で書かれていること。よくわからないときがある。できたら英和辞書がオプションでつけられるといいな。

*メモ機能
カーソルをメモしたい単語に持っていってクリックするとブックマークができ便利。

僕は本を細切れに読んでいくので 出てくる登場人物が誰だったのか忘れてしまう。そのとき このマークを付けておくと メニューの「My Notes & Marks」をクリックすれば マークした名前が出てくる文が表示されているので誰かが分かる。また、Locationと書かれたところをクリックすると マークしたぺーじに戻って読むことが出来る。

*読みやすい
老眼気味の僕は 小さい字で書かれている本は弱い。たとえば、アメリカ人なら誰でも読んでいるという『To Kill a Mockinbird』を購入したのだけど その字の小さなことにがっくり。読むのを断念。

その点 Kindleは字の大きさを自在に変える事ができるので 老眼の僕には大助かり。
また 確かに目が疲れない。PCだとアマゾンのサイトで本のあらすじが英語で書かれているのを読もうとすると途中で疲れてしまう。

*メモを取りやすい
本だと 気に入った文をメモしようとする時や単語の意味を調べる時に 文や単語が載っているぺーじを開いたままにしておくのが大変。特に分厚いPBだと ぺーじ押さえに これといった物がなく、片手で押さえてメモを取るなどしていた。