米陸軍軍人Sam Wingoは中東の荒野を起爆装置をつけた2トンの荷物をある地点まで運ぶように命令されていた。彼は不測の事態が起こった場合は自爆するように厳命されていた。20時間のドライブの後たどりついた地点に待ち受けていたのは、CIAのエージェントと称する男をリーダーとする銃を構えた数人の白人だった。男は彼に銃を向けながら計画が変更されたと言い、彼に車から出るように要求する。仲間だと言いながら銃を突きつけて積み荷を要求する男たちに疑惑を抱いた彼は、起爆装置を見せて積み荷もろとも自爆すると脅して、単身、その場を脱出する。彼は 最愛の息子を残してここで死ぬわけにはいかなかった。彼は何としてでもアメリカに戻ることを決心する。しかし、Samは積み荷を放棄したことで AWOL(absent without leave)無断離隊者として軍から行方を追及されることになってしまう。
Sean KingとMichelle Maxwellは、事務所に車で戻る途中、10代の少年が雷雨の中、何かに怯えるように路肩を走っているのを目撃する。少年が銃を持っているのに気づいたSeanが止めるにもかかわらずMichelleは彼が気になって後を追う。
やっと捕まえた少年は彼女が元シークレットサービスの私立探偵と知ると自分の名前をTyler Wingoと名乗った。
Tylerを自宅に送っていった二人は,待ちかまえていた兵士と継母の話から彼の父親がアフガニスタンで戦死したという事実を聞いた後、彼が家を飛び出していったことを知る。
Michelleは、Tylerの継母や兵士たちに対する反抗的な態度に興味を示し、困ったことがあったら連絡するように彼に名刺を渡す。
また、Michelleは子供が家を飛び出して行ったにもかかわらず彼を探しに行かず家にいた継母と軍人たちに不信感を覚える。
翌日、MichelleはTylerから彼らを雇いたいという電話を受ける。二人と会ったTylerは父親に何があったか調べて欲しいと依頼する。
Seanは未成年に雇われるわけにはいかないことや外国での調査権限がないことを理由に断ろうとするが、何故かこの件に積極的なMichelleに負けて調査することに同意する。
彼との話し合いの中で、二人は戦死した兵士の遺体は棺に入れられて米本土に空輸されて遺族との面会を許されるのが一般だが、今回はその手順が行われないことに疑念を抱く。
またSeanは、国防省の知人にSam について問い合わせたが彼は、新聞にはSamの戦死公報が載っているにもかかわらず、Samの生死についあいまいな返答しかしなかったことに不信を覚える。
そして調査を開始したMichelleの前に軍警察の職員だと称する男が現れて、この調査を即刻止めるよう警告する。
そんな軍のSamに対する異様な対応の背後に何があるのか二人は興味をひかれる。そんな中、、二人はTylerから彼が父親からのE-mailを受け取っていたことを知らされる、彼が死んだと言われる後に! 二人はSamが生きている可能性が高いことを知る。
SeanはSamについての情報を得るために国防省高官と再婚した元妻のDanaと連絡を取り、彼女に夫からSamについての情報を聞き出してくれるように頼む。
しばらくして連絡してきたDanaから、Samはある荷物をある場所まで運ぶという極秘任務の遂行中、運んでいた荷物とともに消息不明で軍が行方を捜しているという情報を得る。彼は何を運んでいたのか?また 荷物がどこにあるのか?その話し合いの最中、3人は、銃を持った3人組に襲われる。
軍でない何者かに彼らが監視されていることを知ったSeanは、彼らを襲った者が、Samが息子と接触することを期待してTylerも監視し拉致する可能性を考え、二人で彼のプロテクターとなることを決心する。
**********************************************************************************
犯人は途中でわかるのだが、犯人の目的がなかなか明らかにならない。そして、明らかになった目的は他のミステリーでも見たことがない、独創的な発想でおもしろかった。
そして、窮地に陥った二人が脱出するところは読みごたえがある。
父親と息子の愛情、裏切り者として糾弾されている父親の無実を信じ続ける軍人の息子、ある政治スキャンダルでスケープゴートにされて自殺に追い込まれた両親のため復讐を誓う軍人の息子、立場こそ違え、子供の父親の対する絶対的な信頼がよく描かれている。
二人のコンビは快調、
自分が運転するときは、めいっぱいスピードを出すくせに、Seanが運転するともっとスピードを落として運転しろといって彼を呆れさせるMichelle。二人で車で出かけるときはSeanは断固、自分の車で行くことを主張する、Michelleの車はゴミ置き場となっているのを知っているので。しかし、彼女に言いくるめられて渋々彼女の車に乗る場面などユーモアたっぷり。
後先のことを考えずに危険な事態に突っ込んでいくMichelle,彼女の無鉄砲さに困惑しながらもカバーに回るSean、本当に良いコンビ。
現代の探偵業にはドラゴンタトーのSalnder、やNYPDのMalloryなど、コンピュータに精通した人間が必要なようで ここではEdgerという男が二人を助けている、次回からは彼らの事務所の一員となりそうだ。
このシリーズアメリカでTVドラマ化されたようだ。でも1シーズンで終わり。どんな感じのドラマだったのか?見たいような、見たくないような。自分の中でこしらえた二人のイメージとあまりに違うとがっかりするから。
★★★★ Kindle 1002円