気軽に洋書ミステリー

家にいてもすることがないおじさんは考えました。このままではボケる。そうだ!好きなミステリーを英語で読もう!英語力???

Her Last Day by T R Ragan

2019-01-22 18:16:36 | 読書感想

カリフォルニア州 Sacramento

Jessie Cole 34歳 私立探偵。 10年前に妹のSophieが失踪する。その一年後、彼女のように行方不明になった愛する人を探そうとしている人を助けてあげたいと思い、彼女は探偵になる。今、彼女はストーカー被害を訴えている女性の依頼を受け、ストーカー男を尾行していた件でトラブルになっていた。そんな時、彼女はBen Morrisonという事件記者から会いたいという電話を受ける。Benは10年前、自動車事故に遭いそれ以前の記憶がなかった。しかし、断片的な過去の記憶が時々蘇り、彼はその記憶が何を意味するのかわからず精神的肉体的な苦痛を受けていた。テレビでSophieの失踪事件に関するコールドケースの番組を見ていた彼はSophiの写真を見たとき彼女に会ったことがあると確信する。いつ何処であったのか思い出せないままに、彼は今もSophieを捜し続けている姉のJessieに会いたいと連絡する。

BenがSophiに会ったことがあると話していることに興味を持ち、Jessieは彼と会うことに同意する。ネットで彼の身元を調べた彼女は、彼の自動車事故と妹の失踪が同じ日だということに興味を抱く。彼女と会ったBenはこの失踪事件を記事にしたいと彼女に話し、Sophieの行方の捜索に協力を申し出る。彼女は自分たち姉妹が記事に取り上げられることが、Sophieの娘、14歳になったOliviaに与える影響について心配するが、彼女自身、母親に何が起きたのか知りたいと主張したので彼の提案を受け入れる。

数日後、BenはSophiが失踪した当日に彼女に会ったという女性を見つけたといい、Jessieに一緒に来るよう求める。飲み屋で女給をしているその女性にはJessie は今までも何回も会っていたが彼女は知らないの一点張りだった。Benは彼女の溜まっている家賃を払ってあげるかわりにSophieについて話すことに同意させていた。

女給の話によると、失踪したその夜、Sophiは店にやって来て、複数の男たちとダンスをした後店を出る。Sophieの後を二人の男がつけて行くのを目撃した女給は様子を見に外に出る。そこでは二人の男が彼女をめぐって喧嘩していた。そんな中、Sophieは持っていたボトルを割って一人の男の胸を刺す。思わぬ展開にパニックになった女給は助けを求めて店に戻り、再び格闘現場に戻ると3人とも消えていた。しかも、その場には血痕も見当たらずそのような出来事が起きた痕跡が残されていなかった。彼女は警察に通報しても彼らが事件を信じないと思い沈黙することにしたと話す。Jessie は妹がそのような暴力的な行為を行ったことにショックを受ける。しかし、今まで得られなかった手がかりを得たことに彼女を見つける希望を持つ。

そんな時、娘が行方不明になっているので探して欲しいという依頼が彼女に来る。その調査が今世間で話題のHeartless Killerと言われているシリアルキラーに彼女を導いていくことになるとは知らずに彼女はその依頼を受ける。

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誘拐ものにはつきものの緊張感が続いていて面白かった。犯人や捕らえられた人たちのキャラが良くできていた。血を見ると気絶してしまうという何とも殺人事件の探偵には似合わないJessieのキャラクターの設定も面白かった。また、Olivia、将来彼女と同じように探偵になりたいと言って、彼女の調査に興味津々、そんな彼女が探偵の片りんを見せる??ところが微笑ましい。拉致した男の狂気、彼の暴力に耐えながら、そこから脱出しようとする拉致された人たちのそれぞれの葛藤、連帯感も読みごたえがあった。


E-book(Kindle版)★★★★ 310ページ 2017年10月出版 KindleUnlimited(読み放題)


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Too Far Gone by Allison Brennan

2019-01-17 18:05:21 | 読書感想

7月 アメリカテキサス州San Antonio

メキシコマフィアのマネーロンダリングを引き受けていたJesseの育ての親のCarson Spadeは、FBIとの司法取引でマフィアのマネー情報と交換にFBIに保護されていた。しかし、最近、義理の息子Jesse が実の父親であるSeanに親近感を抱き、自分から徐々に離れて行くことを懸念したCarsonは、Jesseが再び自分のことを敬愛してくれることを期待して彼とSeanとの仲を裂くようにある計画を実行する。

Seanの妻でFBI捜査官のLucy Kincaidは人質解放のための人質交渉人の研修を受けた直後、銃を持った男が客を人質にとって食堂を占拠しているとの連絡を受け交渉人の補佐として現場に向かう。男は精神錯乱を起こしていてFBIのベテラン交渉人Leo Proctorの説得も実らず、意味不明の言葉を発し続け対話にも応じないことからSWATのリーダは突入を決断し男が銃を彼らに向けた瞬間、彼を射殺する。

Lucyは事件の背景と男の動機を捜査する警察とFBIの合同捜査チームに加わる。彼がしきりにPaul Greyの名前を引き合いに出していたことから彼女はPaulについて捜査することを主張する。彼は事件前日から行方不明になっていた。

射殺された男はCharles McMahon、アルツハイマーの研究をしている博士だった。妻や子供を愛し、善良温厚な性格だった彼は数ヶ月前から人が変わったように怒りっぽくなリ、過去の出来事を思い出せない、記憶に障害を持つようになっていた。彼は彼の豹変に耐えきれなくなった妻から離婚され、そのあとすぐ会社を解雇される。Lucyは彼の豹変はどうして起きたのかに興味を持つ。彼の自宅に向かったLucyは書斎にPaul Greyの死体を発見する。しかし、Lucyは死体の周りにい血痕が少ないことから彼は他の場所で殺されてここに放置されたと推測する。記憶に障害があるCharlesは自らPaulを殺したことを忘れているのか?それとも誰かが彼に罪をなすりつけるために彼の自宅に死体を放置したのか?Lucyは彼が殺してないほうにかける。

捜査を進める彼女はCharlesの研究助手をしていた女性が失踪していることを知る。さらに、人質現場で彼が正体不明の男と何事か話しているのが目撃されていた。男はCharlesが客たちを人質を取る前に店を立ち去っていた。

Lucyは単なる精神異常者の犯行とはいえない、事件の背後に深い闇を感じ始める。

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Seanのファンが読者に多いせいか、彼とLucyのダブルキャストのようになって、章ごとに主役が入れ替わり、Lucyの活躍を期待してる身としてははぐらかされたようでまどろっこしい。プロットも最初から結果が見え見えで先へ読もうとするワクワク感があまり感じられなかった。僕がSeanに違和感を覚えるのは、Jesseの母親Madisonに対する怒り。13年間、息子を育ててくれた彼女に対する感謝、優しさがもっとあって良いと思うのだけど?

E-book(Kindle版)★★ 473ページ 2018年10月出版 994円(2018年12月購入)


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Long Road To Mercy by David Baldacci

2018-12-16 08:44:15 | 読書感想

FBI Agent Attlee Pineは6歳の時、窓から侵入した男によって双子の姉Mercyを連れ去られるという悲惨な体験をしていた。彼女は同じような悲惨な体験をした人々のため、そして人々を犯罪から守るため犯罪者を狩るFBI捜査官となる。捜査官になって12年、 犯罪捜査という男がメインの社会で、凶悪犯の逮捕に優秀な実績を残していた。2年前、彼女はGrand Canyon国立公園に隣接するShattered Rockという小さな町に赴任する。、捜査官は彼女一人、事務員一人のという小さな事務所だが、アウトドアの生活と広大な土地に憧れていた彼女はこの地に勤務することに満足していた。姉を連れ去った犯人は捕まらず迷宮入りとなったが、彼女は腕にふたご座の刺青をして姉のことを忘れないようにしていた。しかし、最近、催眠療法を受けた彼女は事件当日のことを思い出し、連れ去った男の顔を思い出す。その男は分かっているだけでも34人を殺していることが判明し、殺人罪で終身刑を受けて連邦刑務所に収監されてているDaniel James Tor  という男。明らかにされていない犠牲者の数は3倍になると考えられていた。Mercyは明らかにされていない犠牲者の1人だった。PineはTorへの面会を要求し、彼に姉Mercy Pineは何処にいるかと尋ねる。彼はMercyのことについては何も答えなかったが、彼女との対話は楽しんでいるように見えた。彼女はいつか彼が姉のことを話すことを期待して刑務所を去るが、その帰途、パークレンジャーからグランドキャニオンで事件が起きたとの通報を受ける。

徒歩かラバ、又はコロラド川を筏でくだるしか移動手段がないグランドキャニオンにヘリコプターで到着した彼女はラバが腹を裂かれて殺され、そしてそれに乗っていた男が行方不明になっていることを知る。ラバが殺されていることは滅多にないが、この広大な峡谷で人が行方不明になり、数日後に無事発見されることがよくあり、彼女は事件を深刻に考えていなかった。

しかし、ラバの死骸には誰かに当てたメッセージと思われるJとSという文字が刻まれていて、さらに行方不明になった男はBenjamin Priest(Ben)と名乗っていたが兄のEdward Priest(Ed)に問い合わせの電話をした彼女は誰かがBenの名前を騙っていることを知る。Benと名乗った男は何者なのか?何しに峡谷にやってきたのか?そして心配した兄の電話にもなんの応答もしないBenはどうしたのか?彼女はこの事件に興味を持つ。

そんな中、Edから電話があり彼女は彼がBenのことを心配してこちらに来たことを知る。彼女はとりあえず彼を彼女の自宅に泊めることにする。深夜、気配に気づいた彼女が待ち受けていることも知らずに、彼は銃で彼女を撃とうとするが躊躇して止める。彼を厳しく追及した彼女は彼が脅迫を受けていることを知る。彼女は彼に彼の家族の安全を保障する代わりに、Benへ緊急の事態が起きたと連絡するよう要求する。そして、Benからの電話があり、Grand Canyon のホテルで夜9時に会うことを約束する。ホテルに現われたBenは今何が起きているのかを説明することを拒否する。3人は車に移動するが、彼等の乗った車が銃で重装備をした何者かに襲われてBenとEdwardは負傷し、彼女も彼らの投げた手投げ弾で意識を失う。

意識を回復した時、彼女は病院にいることに気づく。傍らで介護していた秘書のBlumによると彼女は交通事故に遭い救急車でここに運ばれてきたという。兄弟は連れ去られていた。現場に戻った彼女は事件の痕跡が消去されていることを知る。

事務所に戻った彼女にアリゾナ州のFBI事務所の統括責任者 Clint Dobbs から電話が来る。彼は早朝にFBI副長官から電話があったと話し、キャニオンで起こった事件から手を引くよう命じ、さらにしばらく休暇を取るよう命じる。

彼女は事件の背後に巨大な組織の存在を感じ、兄弟が連れ去られたにも関わらず、事件から手を引かせようとしている者たちに怒りを感じる。彼女は、上司の命令を無視し捜査を継続することを決断する。思いもよらぬ秘書の励ましもあって。彼女は休暇を取るように見せかけて、深夜Benの家があるワシントンDCに向かう。助手席にはBlumを乗せて。

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この著者の作品は男女のペアで事件に挑むのがほとんど。今回もPineの相棒にパークレンジャーのSam Kettlerが元スペシャルフォースということから彼らがタッグを組むと思っていたら、今回はなんと彼女の事務所の初老の女性が相棒となって事件を追求するという今までにはないコンビ結成で面白かった。特に、別に秘書は誰でもいいと考えていたPineが、Blumが超優秀な推理分析力を持っているのがわかって彼女を見直す場面は面白かった。

ヒロインがかっこいい。すらりとした長身というより、重量上げで鍛えた筋肉質の体形、武装した男も一瞬で倒す格闘能力、絶対絶命な状態になっても一歩も引かない、降伏するよりは死を選ぶという性格は読む側をワクワクドキドキさせてくれる。

ただ、プロットがあまりに荒唐無稽、納得いく設定ではなかった。最後の盛り上がりがイマイチだったのはそのせいかもしれない。

E-book(Kindle版)★★★☆ 417ページ 2018年10月出版 968円(2018年10月購入)


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Hallowed Ground(Julie Collins #2)by Lori Armstrong

2018-11-24 14:22:42 | 読書感想

Julie Collinsは、数か月前のある事件をきっかけに保安官事務所の事務員を辞め、幼馴染のKevinが開いている探偵事務所のパートナーとなり私立探偵になる。テレビに出てくる探偵と違い、単調な書類の調査にうんざりしている時、Tony Martinezが探偵事務所に彼女を訪ねて来る。彼女は地元では悪名高い暴走族のリーダーであるMartinezの危険な魅力に内心惹きつけられていた。彼は、JulieにネイティブアメリカンのChloeという少女を探して欲しいと依頼する。Chloeは彼の用心棒を勤めるHarveyの妹Rondelleの娘で、彼女が行方不明になってからHarveyが仕事が手につかない状態になっていると話し、Julieとは犬猿の仲であるHarveyには内緒でやって来たとJulieに告げる。Martinezは母親のRondelleの話として、親権問題でもめているChloeの父親のDonovanが保育園からChloeを連れ去ったとJulieに告げる。

Donovanは会いに行ったJulieに娘を連れ去った理由を話す。数週間前、彼は正体不明の男たちに襲われ、彼らからカジノ建設工事に関して彼らの命令に従わないとChloeの命がないと少女の写真を見せて脅迫されたと告げ、娘の身を心配したDonovanは彼らの手が彼女に及ばない場所に娘を連れ去ったと話す。最近、ネイティブアメリカンのある部族が自らの居留地の中にカジノを作ろうとしていて、彼はその建設工事の現場監督を任されていた。その土地はJulieの殺された兄Ben達、Lakota族にとって神聖な地と崇めている土地でもあった。当然、彼等部族は建設反対の運動を起こし、さらに他の場所でカジノを経営している犯罪組織や、東海岸から進出してきたマフィアなどが客を奪われることを懸念して妨害行動を起こしていた。

彼の話には説得力があり彼女がどうすべきか悩み始めた時、何者かが彼を銃撃する。彼の主張に親近感を抱き始めた彼女は目の前で彼が撃たれたことでパニックになる。しかし、現場での警察の事情聴取の後、善良な男を銃撃した犯人に対する怒りが徐々に膨れあがり、彼女は彼を介抱している時についた血塗れの姿のまま彼女が犯人だと確信する男の元に急行する。

そして彼女はカジノをめぐる複雑に入り乱れる紛争の渦中に巻き込まれていく。

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彼女のキャラクターが面白い。娘を連れ去った父親の電話に連絡するよう伝言を残しても一切電話してこないと憤るMartinezに対して、私だってギャングのリーダーである男になんて怖くて電話などしないと内心でつぶやいたり...事件現場で呆然としている彼女に、保安官が彼女を思い遣って「水でも持ってきてやろうか」と言ったのに対し、『ついでにタバコも』と答えて保安官を呆れさせたり等々。また、銃撃された瀕死の男の傍で泣きながら介抱するひ弱な女性という一面と、犠牲となった人々への想いから沸き起こる怒りから凶悪な相手に対しても怯むことなく決然と行動する強い女性の一面。その両面性を持っているところが魅力的。

テキーラ、タバコ、そしてベッドを共にする男(今回はミュージシャン)、この3つは彼女の不可欠であるよう。そしてKevinという幼なじみの男、彼女の生活に彼は絶対不可欠であるがベッドを共にしないという関係を保ち、常に彼のバックアップを期待している。しかし、今回は彼の影は薄く、代わりにMartinezが彼女の心の支えになっているように見える。二人の関係がどうなるのか、今後が気になる展開だった。


E-book(Kindle版)★★★ 344ページ 2006年11月出版 435円(2018年11月購入)

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投稿日現在、Kindle版無料! Blood Ties by Lori Armstrong

2018-11-03 11:29:33 | 読書感想

Julie Collinsは14歳の時、泥酔していた男が起こした交通事故で母親を亡くす。運転していた男がネイティブアメリカンだったことから父親は彼らネイティブアメリカンを嫌悪するようになる。しかし、父親はネイティブアメリカンの女性と浮気して、Ben Standing Elkという息子を認知していた。19歳になったBenが初めて父親の彼を訪ねて来た時、認知したことで息子との関係は終わったと思っていた父親は冷酷な態度で彼をあしらうが、JulieはBenと兄妹の絆を深く築いていく。

3年前、喉を切られたBenの死体がBear Butte峡谷で発見される。ネイティブアメリカンに対する差別意識がある地域で捜査が進まないことを懸念したJulieは、将来を約束された仕事を投げうってSouth Dakota に戻り、自ら犯人を突き止めようと保安官事務所の秘書の仕事に就く。公開されていないBenに関する捜査資料を密かに盗み見ることができると信じて…そして今、何の手がかりを得ることがなく時が過ぎて事件は迷宮入りとなる。ネイティブアメリカンが殺されたことに対する人々の無関心に彼女は苛立ち、怒り、絶望感から彼女はテキーラ、タバコ、そして男遊びを彼女の生活のサイクルとする。しかし、Benに対する想いは忘れることはなかった。

そんな時、喉を切られた16際の若い女性の死体が峡谷で発見されたという報告が保安官のもとに来る。JulieはBenと同じ手口で殺されたこの事件が彼の事件と関連しているかもしれないと思い興奮する。彼女は保安官にこの事件と併せてBenの事件も再捜査するよう要求するが、保安官はすでにBenの事件は完璧な捜査の上迷宮入りになったとして拒否する。そして彼女がこの事件について探偵まがいのことをして捜査に介入してくるなら、彼女を直ちに無給の停職処分とすると警告する。

保安官の態度に苛立ち、怒りを感じながら帰宅した彼女は、彼女を待ち受けていた、幼なじみのKevin Wells  と出会う。彼はこの小さな町で探偵事務所を開いていて、彼女は彼の要請でときどき彼の仕事を手伝っていた。保安官はそのことに不満だが、仕事を辞めるよう要求することはなかった。

Kevinは 彼が峡谷で発見された少女の行方を突き止める仕事を依頼されていたと話す。そして彼は、殺された少女は彼女とKevinの2つ年上の高校の先輩Shelleyの娘Samanthaであると話し、彼女にこの事件の調査に加わるよう要求する。少女が殺されたことで調査は終わったのではと考える彼女に、Kevinは明日、依頼人に一緒に会うよう言い、その時に理由が分かると彼女に説明する。

翌日、Kevinの事務所で彼女は依頼人と会う。依頼人はSamanthaの恋人で大学生のDavid,彼の父親は皆から嫌われている傷害事件専門の弁護士Charles LaChance。依頼人の若さに戸惑う彼女は、彼が話すSamanthaが直面していた事実にショックを受ける。2か月前、その事実を発見した彼女は衝撃を受け彼に電話し、大学から会いに戻った彼は動転した彼女を鎮めることができなかった。そして2週間前、彼女は家出して、その後、死体で発見されるまで何処にいたかわからなかった。Davidは、彼女が行方不明になる直前彼女と電話で話すが、その時、彼女は今までと違って落ち着いていたと話し、何が彼女に変化をもたらしたのか知りたいと彼らに話す。DavidからSamanthaの苦悩している問題を知らされたJulieは彼女自身が直面している問題との類似性を感じ、彼女に親近感を持つ。そして、我々の調査は犯人探しではなく、彼女がどこで何をしていたかを突き止めることだというKevinの説得を無視し、殺された彼女の無念を想い、犯人を突き止めようと事件に深入りしていく。

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満身創痍のヒロイン、手がかりを求めて容疑者と疑われる相手に心ではビビリながらも真相をつかみたいという欲求に勝てず単身乗り込んでいく。何かの場合、相棒のKevinが助けに現れることを期待して。そこで相手から無茶苦茶に殴られる、しかしめげずに捜査を続けるタフさにビックリ。

酒とタバコ、そして男と遊ぶ、弟の仇を討つという割に猥雑な生活を送っているなと思い、最初、このヒロイン好きでなかったが物語が進むにつれ彼女の芯にある信念、強さに惹かれていき、読み終わった後は次の物語を読みたくなった。とてもユニークなキャラクターで魅力的だった。

E-book(Kindle版)★★★ 373ページ 2005年出版 無料(2017年購入)


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The Room of White Fire by T.Jefferson Parker

2018-10-13 08:55:31 | 読書感想

2018年 Nominees for  Best P.I novel

California州San Diego、人探しでは有能だと評判の私立探偵のRoland FordBriggs Spenserが経営する私設精神病院から脱走した患者を探して連れ戻して欲しいという依頼を受ける。病院に向かった彼は脱走した患者の 担当医である女医Paige Huletに会い、彼に関する経歴や診断書を渡される。経歴書によると、男はイラクに従軍した元軍人Clay Hickman で帰郷した後、精神を病みこの施設に3年間収容されていた。Fordは、警備責任者から担当医師から、そして最後はBriggsから、男を見つけたらまず第一に自分に連絡して欲しい、他の人にはそのあと知らせて欲しいと言われたことに、なぜ彼らが皆、誰よりも先に男の所在を知りたいのか興味を持つ。

Clayが逃げ出した現場を検証していたFordはSequoa Blainいう19歳の女性に話しかけられる。彼女はClayが脱出するのを手助けしたと言い、Clayは脱出した後、彼女の車に乗って去ってしまったと話す。彼女はClayは狂人には見えなかったと言い、またClayは彼女に『自分はDeimosを業火(White fire)の中に投げ込むという使命を持っている。それを実行するための方法も考えている』と話していたとFordに伝える。Fordは彼女と携帯の電話番号を交換し、彼は精神的に病んでいて暴力的になることがあるから彼から連絡があった場合、必ず自分に連絡をするよう説得する。しかし、彼女はその後Clayと再会した時、彼と一緒に行動することを決意する。時折、Fordからのメールに近況を報告しながら。

Fordは、病院内でClayと親しかったEvanという男から、Sequoaが話していたようにClayは自分はDeimosをwhite fireで滅ぼすと再三話していたことや、Deimosという名は、ギリシャ神話の恐怖の神ではなく彼が軍人だった時に知った男のニックネームだということを知る。またClayは経歴書に書いてあったイラクに従軍したのではなくルーマニアに従軍していたと話し、経歴書が偽造されたのかEvanが嘘をついているのかFordを混乱させる。そしてClayの経歴を調べていたFordは、彼の除隊前の2年間の軍歴が空白であることに不信を抱く。

Clayが業火で焼き滅ぼすというDeimos とは誰なのか、何故、彼はDeimosに怒りを覚えているのか?そして彼はどのような手段を考えているのか?Fordは彼と行動を共にするSequoaの携帯に彼と会いたいというメッセージを送り続ける。

そんな中、Fordは彼の行動を監視している車に気づく。

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このミステリーのテーマは、「国を守るためにはテロリストからテロの情報を得るために拷問は許されるのか」という重いテーマ。拷問のシーンが事細かに描かれ、読むのが辛くなる時がある。人間として許されない行為をしたという苦悩から精神に障害を起こした男。しかし、9.11で多くの犠牲者を出した米国民はテロに対する怒りと恐怖を持っており、再びテロを起こさせないためテロリストからテロの情報を引き出すためには拷問も必要悪だと主張する人々もいる。自国を守るため戦争に赴いたFordはこの問題をどのように決着させるのか、彼の態度がなかなか分からずイライラさせられる。しかし、終わり方としてはまあまあ満足な結末だった。

ただ重いテーマの割には抒情ミステリーという感じ。2年前に亡くなった妻のことが忘れることができず、何かにつけて彼女への想いがつづられている。そのせいかストーリーに緊迫感があまり感じられなかった。Best P.I novelとしてはちょっと物足りないな。

E-book(Kindle版)★★★ 343ページ 2017年出版  1083円(2018年10月購入)


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Split Second (King & Maxwell #1 ) by David Baldacci

2018-09-29 17:11:06 | 読書感想

シークレットサービスの護衛チームのリーダーMichelle Maxwellは、護衛中の大統領候補John Brunoが予定外の病死した友人の葬儀への参列を主張し、さらに葬儀場で未亡人と二人にして欲しいという要望を渋々受け入れるが、彼女が目を放したその葬儀場で未亡人に扮した女によって彼を誘拐されてしまう。彼女はBrunoを護衛の監視外に置いてしまったことを厳しく叱責され、公的休暇を命じられる。誘拐の捜査はFBIが行うと上司から厳命されていたが、彼女は独自に事件の捜査を行う決心をする。彼女はBrunoは彼の友人の葬儀に参列しなかったら誘拐されなかったことに着目、友人はBrunoの遊説に併せて殺されたのではと推測し、Brunoの側近に内通者がいると考えていた。テレビのニュースで事件の経過を追っていた彼女は、合間に入り込んできたWrightsburgで起きた殺人事件のニュースに興味を惹かれる。事件について記者たちからインタビューされている男が、8年前、護衛の任務中に大統領候補を暗殺された元シークレットサービスのSean Kingであることに気づいて。Michelleは、自分と同じような過ちを犯したと思われる大統領候補暗殺事件に興味を持ち、また自宅待機に退屈していた彼女はこの事件についても捜査を始める。

当時の事件の捜査資料やビデオを調べた彼女は、ある出来事によってSeanが、一瞬、大統領候補の周囲から目を逸らせた事実を発見する。彼女はSeanもその現場にいたと思われる人々もその出来事を捜査官に話していないことに疑問を持ち、彼女の推理が正しいことを確認するため、今は廃墟となっている事件現場のホテルに向かう。現場を検証した彼女は自分の推理が正しいことを確信し、ホテルに残されていた従業員名簿から今も近くに住む従業員を調べ、従業員たちから当時の様子を聴きだそうとする。そして従業員だった女性の証言からSeanがある事実を隠し続けていることを突き止める。彼女は、自分の事件と同じように、暗殺は単独で行われたのではなく大統領側近に協力者がいたと考え、自分が突き止めた事実、推理を確認するためSeanに会いに行くことを決意する。

ヴァージニア州、CharlottesvilleとLynchburgの間にある小さな町Wrightsburgに住む、Sean Kingは、護衛をしていた大統領候補が暗殺された後責任を取ってシークレットサービスをやめ、弁護士の仕事をしている。しかし、つい最近、自分が雇っている調査員が彼の事務所で殺される事件が起き、しかも殺しに使われた銃は彼の所有するものと鑑識され、警察は一応彼のアリバイを認めているが、逮捕されるかどうかの微妙な立場に置かれていた。

そんな時、Michelleが8年前の暗殺事件について彼の行動に疑念を持ってやってくる。彼は彼女を一目見た瞬間、今、話題になっている大統領候補誘拐事件の責任者として彼と同じように後悔の重荷を負っているだろう彼女に親近感を抱く。彼は彼女が調べた事実を教えることを条件に彼女の疑念に正直に答えていく。そして二人が情報交換している最中、彼女が証言を得た女性が殺されたという知らせが入ってくる。Seanは女性はなぜ殺されたのか、8年前の事件と関係しているのか興味を持ち、直ちに女性の家に向かうことを主張し、8年前に自分の人生が終えた現場にMichelleと共にもどり、暗殺の背後に隠された真実を突き止める決心をする。

Seanと共に女性が殺害された現場に戻ったMichelleは、そこで思いがけずBrunoを誘拐した男を目撃する。彼女は現場にいた警官に彼を追跡するよう要求するが一瞬しか見ていない彼女の証言を警官は信ぜず、男は逃走してしまう。しかし、Seanはシークレットサービスは一度見た顔は決して忘れないよう訓練されているとして彼女の言葉を信じる。やがて、二人は8年前の事件と今回の大統領候補誘拐事件とは繋がりがあると確信していく。

二人はそれぞれの事件の関係者に事情を聞きに行くが、それを知った犯人はSeanとMichelleの命を狙って行動を起こす。

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大統領候補が絡んでいる事件をテーマにしているわりに明らかになる動機が、そんなものかとガッカリさせる。

やがて、二つの事件に繋がりが見えてくるのだが、その背後に潜む首謀者がなかなか特定できず、8年前の事件の関係者、現在の誘拐事件の関係者が片っ端から調べられていくので、2人が調べる人物がどちらに関係していたか出て来る関係者が多くて混乱してしまう。

静のSeanと動のMichelle、二人のキャラクターは魅力的。Michelleが事件についてあれこれ動き回ることによって、Seanもそして犯人も振り回される。最後のクライマックス、Seanに危機が迫ったとき、Michelleが助けに現れる。⇒ふつう、男女コンビのとき 女性がピンチになって男が助けに現れるというパターンが多いけど この本では逆になっていておもしろい。


Paperback 481ページ ★★★ 2003年出版


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The Winner by David Baldacci

2018-09-16 10:04:30 | 読書感想

Georgia州 のRikersville郡、スラム街に住む LuAnn Tylerは学生時代から将来は映画スターかモデルになると言われていた20歳の美女だが、生まれてから一度も町を出たことはなくレストランの女給でギリギリの生活をしている。そんな彼女の生活の心の支えとなっているのが、同棲中の男Duane Harveyとの間に生まれた八ヶ月の娘Lisa

数日前、彼女はJacksonと名乗る男から一日、百ドルの短期の仕事の誘いを受ける。金額に惹かれて彼女は就職の面接に行くが、そこで彼女は彼から思わぬ提案を受ける。彼は彼女にナンバー式宝くじを買うよう求める。そして その買った宝くじを一億ドルの当たりくじにしてみせると。あり得ないと半信半疑の彼女に男は宝くじ当選発表の生中継の番組を見せ、見事そのナンバーを当てて見せる。彼女は何らかの違法な手段を使っていると考えて断ろうとするが,宝くじは誰かに当たるのだから、たとえ彼女が宝くじを当てても誰も損はしないし、Lisaに彼女と同じような人生を送らせていいのかと言われて拒絶することを躊躇した彼女は2日間の返答の猶予を与えられる。

Duaneは、彼女が稼いだお金を酒代にして、働かない。そればかりか、他の女と寝たりする。 そんな男との生活に嫌気をさして、彼に別れを告げようとして家に帰った彼女は、Duaneがドラッグの取引のもつれで殺されている場面に遭遇。彼女もDuaneを殺したドラッグ組織の男に殺されそうになるが、反撃して逆に男に重症を負わせてしまう。自分もドラッグ取引に関係していると疑われ拘留され、愛娘が一人ぼっちになることを心配した彼女は、警察に電話せず、この町を去ることを決意する。そして半信半疑のまま宝くじを買い、Jacksonに連絡し、彼の指示どおりに行動する。 やがて、宝くじの発表日、彼女は見事一億ドルの当選者(The Winner)になる。

しかし、警察が彼女を殺人事件の容疑者として指名手配していることを知ったJacksonの指示で、彼女は偽名で国外へ逃亡し、二度とアメリカには帰ってこないという言質をとられる。 10年後、海外での逃亡生活に疲れたLuAnnは密かにアメリカに戻り、母親のふるさとVirginia州のCharlottesvilleに豪邸を買い、偽名で生活するようになる。

だが、娘との平穏な暮らしを楽しんでいた彼女に、彼女の本名がLuAnn Tylerだと見破った新聞記者が接触してくる。彼は宝くじ当選者の取材をしていて、彼女の当選には何か仕掛けがあったのではと疑っていた。また、LuAnnの土地の境界のフェンス工事を受注した、過去の経歴が謎の男Matt Riggsも 警察に拒否反応を示すLuAnnの過去に興味をもつ。そしてLuAnnが帰国していることを知ったJacksonは、自分が仕組んだ宝くじのことが公になることを懸念して 彼女と娘を殺すことを考える。

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ヒロインの貧しい生活から超リッチな生活への劇的変化、そして破滅への恐怖、600ページもある長編だけど、以下の点が気になり、ハラハラワクワク飽きることなく読み続けられる。

まず、公衆の面前で、しかもテレビ中継のあるなかで どうやって自分の希望するナンバーを出して一億ドルの当たりくじにすることが出来るのか?

彼女は正当防衛とは言え、人を傷つけたにも関わらず警察に出頭せず逃げ続けていたが 彼女は無罪放免になるのか?

彼女が得た一億ドルのお金は不正によって得たお金、今、彼女はそのお金でリッチな生活をしているが、Jacksonの犯罪が公になったとき、彼女は当選金を返却し、また無一文の生活にもどってしまうのか?

Jacksonについては いまどきこういう設定はないだろうというところもあるが ハラハラどきどきさせてくれたので良しとしよう

Paperback ★★★★ 628ページ  1998年出版


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Fear Nothing (Detective D.D.Warren 7) by Lisa Gardner

2018-08-29 12:14:23 | 読書感想

朝9時、Christine Ryan(28歳)という女性が殺されているという110番通報がある。現場についたボストン警察の主任刑事D.D Warrenは、異常な現場に慄然とする。犠牲者はベッドの上でおだやかそうな死に顔を見せていた、しかし、胴体は100か所以上、表皮をメスのようなもうで薄く剥がされて全身血まみれになっていた。そして、死体の傍らにはシャンペンが、血まみれの死体にはバラの花が置かれていた。現場の捜査が一段落した後、署に戻ったD.Dは夜10時、明日からの捜査に備えて捜査員を帰宅させる。何か見逃したことがないか気になり、D.Dはひとり現場に戻るが、同じように現場に舞い戻っていた犯人が彼女の背後から忍び寄り、彼女は階段から突き落とされる。

D.Dは命に別状はなかったが、階段から落ちたことにより右肩に損傷を受け、右腕や肩を上げることができず、3か月の病気療養を命じられる。彼女は、夫のAlexの助けがないと、育児ばかりでなく自分で着替えることもできなかった。また、四六時中襲ってくる痛みに耐えられず。署が推薦した痛み専門の医師Adeline Glenの診察を受ける。

43歳のAdelineは生まれた時から痛みを感じない特異な体質を持っていた。彼女の父親は8人の女性を監禁拷問したうえ殺害、被害者の皮膚を剥いで小瓶に保管していた殺人鬼Harry Day、事件が発覚して警察が逮捕に向かった時、彼は自ら死を選ぶ。その後、Adelineは3歳上の姉Shana Dayとともにフォスターホームに引き取られる。そしてAdelineが3歳の時、彼女は姉Shanaにナイフで腕を切られるが、痛みを感じない彼女は血が流れるままに姉を見つめていたが、傷に気づいた女性によって病院に運ばれる。以来、姉とは離れ離れになる。彼女は無痛症を研究していた医者の養子となり、養父の下で痛みの研究をし痛み専門の医者となる。一方、姉のShana Dayは14歳の時に12歳の少年を殺して刑務所に収監されるが 刑務所内でも二人の看守を殺し、30年近く刑務所にいるサイコパス。今は亡き養父に反対されたが、彼女は毎月第一月曜日 姉のShanaを刑務所に訪ねていた。

D.Dを診察したAdelineは、痛みに名前を付けるようアドバイスする。そして名前を付けた痛みに対して不満不平をぶちまける。それによって 彼女はその痛みをもっと扱いやすくできると。D.Dはそんなことで痛みを緩和することはできないとAdelineに不満をぶちまけるが、患者のそんな対応に慣れている彼女から実践方法を教わった彼女はその治療法に納得する。

そんな中、長年のパートナーであるPhilが療養中のD.Dを訪ねてきて同じ犯人の犯行と思われる殺人事件が発生したと彼女に告げる。D.DはPhilが刑事である彼女を訪ねてきたのではなく、犯人と遭遇した目撃者として犯人の手掛かりを求めてやってきたことを知る。しかし、彼女は背後から襲われたため、犯人の姿を目撃しておらず、犯人が男か女かもわからず、有力な情報を与えることはできなかった

やがて、犯行の手口を警察のデータベースにかけた結果、Harry Dayという男によって、40年前におなじ手口の犯行が行われていたことが判明する。そして、D.DはAdelineが男の娘であることを知る。犯人はHarry Dayを崇拝する犯罪愛好者?彼は死んでいるが同じく殺人犯で父の行為を称賛している娘は無期刑で収監されている。犯人は娘と何らかの方法で接触してHarryの手口を彼女から指示されたか?DDはShanaと会う必要性を感じる。しかし、捜査に協力的なAdelineはShanaは自分以外の人間とは交流していないと断言する。Shanaは面会の条件としてAdelineの同席を要求する。彼女は刑事の質問には答えず、Adelineに事件を解決したいのなら、自分を釈放させ、彼女の部屋に住まわせるよう要求する、さらにShanaはAdelineに犯人の最期の標的は彼女であると忠告する。

そんな中、犯人は大胆にもDDの家に侵入して不可解なメッセージを残していく。

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このシリーズは副主人公というか事件に関係してくる女性のキャラクターとその生き方が、こちらが引き込まれてしまうほど魅力的に書かれている。今回もその特異な設定、父親は女性の体から数百片の皮膚を切り取っていた殺人鬼、姉は14歳の時に少年を殺して以来刑務所に収監されているサイコパス、自らは痛みを感じない体質。特に幼児の時、父親が1歳の彼女の腕を切り刻んでいる時、痛みを感じない彼女がじっと父親を見つめている描写はすごく印象に残った。

また無痛症というものが 患者(?)にとって大変なことがよく分かった。ミステリーによく出て来る無痛症の人物は殺し屋などで、殴られても刺されても平然として相手を殺す無敵な人間だと思っていた。しかし、この本を読んで考えが変わった。切り傷などに気づかず感染症で亡くなる者や、自分が痛みを感じないため人が怪我しても痛みに同情しないため社会から孤立していく者。そのため成人になっても生きている確率は20パーセント。

その体質のためか結婚も恋人も作らず孤独な生活を送るAdeline。14歳から30年にわたって刑務所に収監されているが、囚人仲間や看守とも交わらず孤高に生きるShana、社会の中と外にもかかわらず姉妹には共通の孤立感がある。彼女の生き様、そしてサイコパスと言われている姉にも読み進むうちに意外な一面が見えてきて、読み終わった後ジンとくるものがあった。

E-book(Kindle版)★★★ 376ページ  2014年1月出版 133円(2018年3月購入)




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Absolute Power by David Baldacci

2018-08-11 19:30:00 | 読書感想

プロの泥棒のLuther Whitneyはある豪邸に忍び込み寝室の奥にある隠し部屋の金庫室で金や貴金属を物色中、豪邸の所有者の妻Christy Sullivanが帰宅、男と密会する場面に遭遇してしまう。男はあろうことか大統領Alan J.Richmond、そして二人はちょっとしたことから諍いを起こし、激昂した女が近くにあったレターナイフで大統領に手傷を負わせるが、異常に気が付いたシークレットサービスによって女は射殺される。

殺された女の夫は地元の名士で大統領の有力なスポンサー、事態を公にできない大統領とその側近の国務長官Gloria Russellはシークレットサービスに命じて 自分たちの痕跡をなくすよう指示する。彼らは彼女が侵入した泥棒に出くわし、驚いた泥棒によって殺されたように見せかけるように細工する。

Lutherはその一部始終を金庫室から見ていた。Lutherは彼らの隙をついて部屋から脱出する時 女が大統領を殺そうとして使った大統領の血痕が付いているレターナイフを持ち出す。しかし、逃げ出すがところをかれらに目撃されてしまい 彼が殺人現場にいたことが知られてしまう。

大統領は Lutherが証拠品となるレターナイフを持ち出したことを知り、シークレットサービスに彼の殺害と証拠品の奪還を図るよう命じる。彼は目撃した男が泥棒であることから、男が警察に目撃情報を漏らすことはないと考える。また 被害者の夫が大統領の有力なスポンサーであることを理由に 殺人の捜査を担当する警部Seth Frankに捜査情報を与えるよう要請する。

Frankは現場が信じられないほどきれいに掃除されていて犯行の痕跡を残していないことから居直り強盗の仕業と考えることに疑問を抱く。そんな時、シークレットサービスのBill BurtonがFrankに会いに来て、自分を捜査の一員に加えて欲しいと要請する。彼は大統領から捜査状況を逐一知らせるよう命令されていた。Frank は彼が捜査の妨害、介入しないことを条件に彼に捜査状況を知らせることに同意する

Lutherは逃げる後ろ姿は見られたかもしれないが、顔は見られていないことを確信するが、シークレットサービスの捜査官が自分の正体を突き止めるのは時間の問題だと考え、自宅を引き払い、海外へ逃亡する。しかし、逃亡先で、事件に関して大統領が不倫相手の女性の夫の傍で泥棒に入った男が殺人犯であると断言して犯行を糾弾しているニュースを見て憤りを感じる。彼は女性が殺される場面を目撃しながらも自分が捕まることを懸念して、女性を助けなかったことを悔やんでいた。彼はこのままでは女性の無念が晴らせないと感じ、帰国することを決意する。彼は彼女の無念を晴らすために全知全能を傾けることを決意する。帰国した彼は一人娘Kate Whitneyの元恋人で弁護士のJack Grahamに自分が逮捕された場合の弁護を依頼する。

Jack は彼が勤める法律事務所の重要な顧客である会社の一人娘Jennifer Baldwinと婚約しており、そのおかげで32歳でパートナーになり年収100万ドル 大統領が出席する夕食会にも出席するなど 上流階級の仲間入りが約束されている地位にいた。しかし、彼は別れた恋人のKateにまだ未練をもっていた。Jackは突然のLutherの依頼、彼の怯えた様子に戸惑いながら、彼の弁護士となることは 刑事事件は扱わないという法律事務所の方針に反することになるが JackはLutherのただならぬ様子に彼にただならない事態が起きていると感じ、Kateに連絡して彼が直面している事態が何か探ろうとする。

やがてFrankは彼の地道な捜査によって、Lutherがその犯罪現場にいたことを突き止める。FrankはLutherの愛娘で検事でもあるKateに会いに行き、彼を逮捕することに協力を求める。Kateは父親が犯罪者ということで子供時代受けた虐めから父親を許すことが出来ず親子関係を断絶していた。そして自らは検事となり犯罪者を裁く道を選んでいた。彼女は、実の父親の逮捕に手を貸すことに躊躇するがFrankの強い要請を受け、子供の時から関係を断っていた父親に会いたいと伝言を留守電に残し、会合の場所をFrankに連絡する。その情報を得たシークレットサービスはLutherを殺すべくその場所に向かう。Lutherは初めて娘からの会いたいというメッセージを受け、断絶していた親子関係が修復できることに幸福感を覚えながら警察が張り込んでいる会合場所に向かう。

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Baldacciのデビュー作品(1995年)。翌年、クリントイーストウッドの主演で映画化された。

予期せぬ事態に遭遇して、それに対処していくそれぞれの人間模様が面白かった。事件をきっかけにさらに自分の地位を向上させようともくろむ国務長官のGloria Russell。大統領を守るという自分の職務に忠実な行動をしたためにどんどん泥沼に嵌っていくシークレットサービスの二人。大統領の殺人を告発するには自分の窃盗を認め、収監されることが前提となり、さらに前科3犯の彼の証言を警察が信じるか、悩むLuther。実の父親を自ら罠に嵌めて逮捕させたことに後悔、自分の行為を悔やみ続けるKate。居直り強盗の殺人と思われるわりには殺人現場の異様な状態に違和感を覚え、粘り強い地道な捜査でLutherを突き止めるFrank。大金持ちの娘と婚約し、輝かしい未来が約束されているにも関わらず、その生活になじめないと感じているJack。ただ、これらの人物の様子が細かく描写され、ストーリーのスピード感が落ちて読む側も退屈になる部分もある。

LutherはJackたちの身を案じて 殺害したのが大統領だと言ってないのでJackたちはなかなか 殺人犯を特定できない、一方、大統領の側はJackたちの存在に気が付いて その行動を監視している。しかも、相手は大統領の命をうけたシークレットサービス、盗聴はお手の物だし、射撃の腕も一流、ページをめくるたびにJackたちは徐々に窮地に追いつめられていくハラハラする展開は面白かった。

最後は どうするのか、アメリカの恥になるから大統領の犯罪を公に隠して、大統領に自殺するよう仕向けて終わらせるのか、それとも 大統領を逮捕するのか、エンディングをどうもっていくのか 興味津々で読んでいった。


 Paperback 505ページ ★★★ 1996年出版


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