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気軽に洋書ミステリー

家にいてもすることがないおじさんは考えました。このままではボケる。そうだ!好きなミステリーを英語で読もう!英語力???

 Her Last Goodbye by Melinda Leigh

2017-10-16 14:55:18 | 読書感想

ニューヨーク州の小さな町Sccarlet Fallsの10月、Morgan Dane元地方検事補佐の弁護士事務所に生後4か月の乳児を連れたTim Clarkが仕事の依頼にやってくる。彼の 20代後半の 妻Chelseaは、 先週の金曜日ワインパーティに行くと家を出た後、今日で5日間、行方不明となっていた。

彼によると捜査を担当するシェリフは、彼を容疑者として疑い、妻の行方よりも彼に対する捜査に重点を置いていると述べ、先月Morganたちが真犯人を突き止めたのを見て仕事の依頼に来たと話す。乳児をあやしながら妻の失踪について話すTimの様子を見て、3人の幼児を持ち一人で子育てする大変さを知っているシングルマザーのMorganは彼の依頼を受けることにする。

彼女は、Chelseaが幼児二人を置き去りにして失踪することは考えられず第三者が彼女を誘拐したと考えるが、Chelseaが自らの意思で失踪した可能性、さらに夫のTimが自らの犯行を偽装するために彼女を雇った可能性も排除せずに調査することを決心する。彼女は探偵のLanceを相棒として、彼女の友人、Timの会社の同僚などから最近のChelseaの様子や夫妻の仲がうまくいっていたのか、また捜査を担当している保安官から捜査状況を聴きこむ。そして、MorganはChelseaの車が放置されていた場所で彼女のネックレスを発見、彼女が誘拐されたという確証を得る。彼女はChelseaの周辺に容疑者がいないかどうか調べると共にネットで性犯罪の前科を持った者が近隣にいないか調べ、容疑者を絞っていく。徐々に絞られていく容疑者の数に危機感を抱いた誘拐犯はMorgan、そして彼女の家族に対して敵意を抱き反撃してくる。

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Morganのキャラクター、なかなか魅力的、最初、情報を提供することを嫌がっていたシェリフから、うまく捜査情報を引き出してしまう調査手腕は見事でかっこいいと思っていると、女性的なひ弱さを見せる部分もある。事件の捜査の方針などは彼女が主導権を取って進めているようでかっこいいのだが、How could she possibly take care of three children and her grandfather? The answer was,she couldn’t ,at least not alone. She needs help.(215ページより引用)独り立ちする女性のかっこいい姿を期待して女性が主人公の物語を読んでいる身としてはガッカリ。2人は結婚するのかな?

探偵事務所所長のSharp,Morganに恋心を抱く探偵のLance,そして弁護士のMorgan、3人のチームワーク、事件を検討するときの会話は、うまく事件を整理してくれて心地良かった。

ストーリーの流れは面白く、飽きることなく読めるのだが、ストーリーの中にLanceがMorganを、MorganがLanceを想うロマンティックな部分がかなり在り、ミステリー好きだけどロマンティックな部分はあまり興味ない僕はちょと白けてしまう。ロマンティックな部分は添え物程度で書かれていて欲しい。

E-book(Kindle版)★★★☆ 328ページ 2017年9月出版 読み放題(又は¥602)





The Last Move by Mary Burton

2017-10-09 15:34:32 | 読書感想

テキサス州San Antonio 州間高速道35号線、11月26日 12:35 a.m、男は女性がガソリンスタンドに寄った時、密かに女性の車のタイヤに穴を開ける、そして男は女性の車を尾け、車が走行不能になるのを待って、上着に取り付けた小型カメラのスィッチを入れ、女性の車に近づき声をかけ、車の窓越しに女性を射殺する。

シカゴ警察署の殺人課刑事Theo Mazur は、元妻のSherryがSan Antonioに彼等の娘Alyssaと引っ越すと聞き、娘と遠く離れて暮らすことを嫌い、6ヶ月前にSan Antonio警察に異動してくる。午前8時、殺人事件発生の報告を受け、現場に着いた彼は、現場保存していた警官から、事件の発見、通報者は被害者の夫であることを知る。被害者はGloria Sanchez ,夫は Martin Sanchez 4つの自動車販売店を経営している。夫は妻から車が故障したという電話があり現場に向かい、妻の死体を発見したと彼に話す。女性が殺された場合、殺人者の3分の1は夫や男友達であることから、MazurはMatinを容疑者の1人として考えていた。歳が15歳も離れていること、結婚指輪を嵌めていないことことなど二人の結婚が上手くいっていなかったと感じながら。

現場検証していた彼は、殺人犯が、殺害の一部始終を撮影したビデオが添付されたテキスト、Dr.Kate Hayden,you did not catch meというテキストを 現場に残された携帯電話に送ってきたことに戸惑う。そして彼は、州間高速道35号線沿いに、この事件と同じ手口で女性を射殺する事件が5件続けざまに起こっていたことを思い出す。しかし、the Samaritanと名付けられた犯人は、6か月前にFBIによって逮捕されていた。その男を逮捕したのがFBIのプロファイラーのDr.Kate Haydenだった。犯人がDr Kateと名指ししていることから彼は今度の事件とthe Samaritanの事件の関連を調べるため彼女に協力を要請する。

ユタ州 Salt Lake City 11月26日 、FBIプロファイラーKateは病院の訪問時間、上司の命令を無視してSara Fletcherに会いに行く。彼女は、誘拐犯によって棺桶のようなボックスに34日間閉じ込められていた18歳のsaraを発見、救出する。彼女が発見された農場に置かれていた遺留品などから犯人は農場の所有者の従兄弟Raymond Drexlerと思われた。彼女は閉じ込められていたショックから立ち直れないでいるSaraに会い、彼の写真を見せて誘拐したのが彼であるという証言を得る。Kateは、Saraを救出した現場で、箱に入れられた4人の少女の遺体を発見していた。彼女はDrexlerが次なる犯行を企てることを懸念して相棒のエージェントと共に彼の行方を追う。

そんな時、KateはSan Antonio警察のMazur刑事から、彼女が担当したthe Samaritanの事件と似た手口の殺人事件がテキサス州San Antonioで起きたと告げられ、彼の強い要請を受け現地に向かう。その地は彼女の生まれ育った場所であり、忌まわしい思い出がある場所でもあった。殺害の手口を見た彼女は手口が類似していることに驚く。彼女はSamaritanは6か月前に逮捕し、今刑務所に収監されているDr.Charles Richardsonであると確信していた。彼女は、事件は模倣犯の犯行だと楽観していたが、犯人が使用した銃の弾道検査とSamaritanの弾道検査とを照会するよう要請し、銃が同一のものかどうかの確認を求める。彼女は殺人に使用した銃の発見、回収ができずにいた。やがて、今回使用された銃とSamaritanが使用した銃が同一のものであることがわかり、彼女は窮地に陥る。そんな時、州間高速道35号線で新たな殺人事件が発生する。現場検証した彼女は、殺人犯の標的が彼女であることを知る。

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Kateのキャラクターは読んでいるこちらが心地良くなるほど、自分の仕事に自信を持っている。もしかしたら誤認逮捕だと、みじんも感じない。自分の逮捕した男が犯人だという信念に揺るぎがない。感情を表に出さない。常に無表情を装い、容疑者に接する。意思の強さには相棒のMazurも感服するほど。

Mazurとの関係もプロ同士という感じで良い。お互いの器量を見極め、事件関係者への事情聴取も或るときはMazur,ある時はKateと阿吽の呼吸で役割分担していく。

2人の家族の問題を織り交ぜながら、徐々に犯人に迫っていくプロットは良くできているが2番目の殺人に関しては不満が残る。前半は興味津々、後半は興味半減してしまった。


E-book(Kindle版)★★★ 328ページ 2017年9月出版 Kindle読み放題(又は¥485)



Dead Woman Walking by Sharon Bolton

2017-10-01 10:13:02 | 読書感想

イングランドとスコットランドの国境付近、9月の朝6時、Jessica Laneは大好きな修道女の姉Isabelの40歳の誕生日のサプライズプレゼントとしてNorthumberland National Parkの気球旅行に招待する。空からの壮大な景観に興奮する姉を見て喜んでいた彼女は、眼下の廃墟と思われる建物で少女が男に殺されるのを目撃する。Jessicaはその男を携帯で撮るが、目撃されたことに気づいた男は気球めがけて銃弾を放ち、操縦士を射殺する。操縦士を失った気球は迷走し、やがて墜落する。姉を含む12人の乗客のほとんどは墜落のショックで亡くなるが、Jessicaは木の枝に引っ掛かり、命を取り留める。事態に呆然としている彼女は、少女をそして操縦士を殺した男が墜落現場に現れ、生き残った乗客を石で殴り殺していくのを目撃する。樹上の彼女に気づかず、生存者がいないことを確認した男は足早に去る。木から降りた彼女は姉の遺体の傍にしばらく留まった後、男が戻ってくるのを恐れて現場を離れる。

  Ajax Maldonado警視は公園で気球が墜落して、乗っていた13人全員が死亡したという報告を受ける。現場に着いた彼は気球から投げ出され高圧線で黒焦げになった乗客の死体などを見て衝撃を受ける。彼らは、操縦士を含めて13人の乗客中、11人の乗客の死体を発見するが操縦士とJessicaという女性の死体が発見出来ずにいた。しかし、彼は墜落の際に2人は気球から投げ出されたと考えて、捜索範囲を広げれば死体を発見できると楽観していた。

しかし、事故の記者会見を開いた直後、Jessicaの写真をテレビで見た食堂のオーナーから電話があり、彼女がたった今まで食堂にいて、テレビを見た後、すぐに立ち去ったと連絡してくる。彼は、彼女が生きていたことに驚くとともに、何故、彼女は救助を待たずに現場を離れたのか?何故、警察に連絡しないのか?という疑問を持つ。その答えを得るために、彼は彼女を見つけることに全力を挙げる。


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すごく面白かった。気球墜落事故から生き残った彼女が警察にも行かず何故逃げ続けるのか?その謎を解明していく、よくできたプロットと捻り、彼女の行く先々に現れる殺人者、最初から最後までドキドキワクワクさせてくれる。ストーリーが良くできていて、これ以上、感想を書けないのが残念。


Jessicaの姉に対する想い、if I lost you,I think it would be the end of me.(55ページより)、修道院にいる姉を毎月必ず訪ね、彼女の仕事の様子、悩みなどを打ち明け、姉のアドバイスを受けることを20年以上続けている。本当に姉が大好きで頼りにしていたことが伝わってしんみりさせる。


E-book(Kindle版)★★★★★ 364ページ 2017年4月出版 550円(2017年購入)



 Under the Harrow by Flynn Berry

2017-09-17 13:13:16 | 読書感想

Winner of the Edgar Award for Best First Novel 2017


金曜日の午後、ロンドンに住むNora Lawrenceは田舎町に住む姉Rachelの家に電車で向かう。姉との会話を楽しみにしながら姉の家に着いた彼女は、異常な事態に呆然とする。家に入った彼女は、階段のトップから吊り下げられた姉の愛犬、血まみれで横たわっている何か所も刺し傷のある姉の死体と遭遇する。

事態に呆然としたまま彼女は刑事からの事情聴取を受ける。しかし、彼女は警察の捜査をあまり信用していなかった。15年前、17歳だったRachel はパーティーからの帰り道、男に襲われ重傷を負う。しかし、警察は彼女の言い分を信用せず、彼女が売春目的で男に近づき、男に乱暴に扱われたと考え、事件の捜査を行わなかった。Rachel は襲撃した男が放任されていることに怒りを覚え、自ら犯人探しに乗り出す。パーティー会場に残り、姉を一人で帰宅させたことに自責の念に駆られたNoraの協力を得ながら。事件から10年間、二人は新聞に女性を狙ったレイプや暴行事件の記事を見つけると裁判の傍聴などをして姉を襲撃した男の仕業かどうかチェックし、犯人を捜し続けていた。しかし、5年前Winshawのこの家に引越してきた時、Rachelは事件の事は忘れることにしたとNoraに告げていた。

彼女は この事実を刑事に話すが、警察の捜査は当てにせず、自ら犯人を探し出す決心をする。彼女は姉の行動、考えについては他の誰よりも自分が周知していることに自信を持っていた。だが、刑事から殺された犬は警護用に訓練されており、彼女は自分の身に危険を感じていたのではないかと言われ、さらに最近、姉が女性をレイプした罪で服役している男に会いに行ったという事実を告げられ、彼女は、姉が彼女に秘密にしていたことがあると知りショックを受ける。彼女は、姉がまだ彼女を襲った男の捜査をしていることを知り、最近の女性暴行事件の記事を捜し、逮捕された犯人の15年前の事件と今回の事件のアリバイの有無を調べる、さらに姉の交友関係のリストを作り、それぞれ各人のアリバイを調べ始める。


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刑事が事情聴取するために彼女を警察署に車で連れて行くとき、刑事が自分を襲うために人里離れた場所へ向かっているのではと疑い、襲ってきた場合に備えて密かに武器として使うためにペンを手に隠し持つなど、彼女の常人には無い思考、行動、不気味?さの魅力に惹きつけられてしまった。その性格から物語の展開が読めず、逆にそれがワクワクさせる。そしてその期待通り思いがけない展開になり面白く読めた。ただ、最後のインパクトがもう一つかな。

また、他の人の感想にある読む側を混乱させるという現在と回想の混在は、徐々にその手法に慣れあまり気にならなかった。

E-book(Kindle版)★★★☆ 220ページ 2016年6月出版 637円(2017年9月購入)



Rain Dogs(Detective Sean Duffy)by Adrian Mckinty

2017-09-07 12:23:21 | 読書感想

Winner of the 2017 Edgar Award (Best Paperback Original)

1987年2月8日、IRAによる警察官に対するテロが頻発する北アイルランド。

北アイルランド警察庁(RUC)の犯罪捜査課(CID)の捜査主任Sean Duffyは、同棲していた女性から別れを宣告され一人暮らしになって落ち込んでいる時、部下のLawsonからCarrickfergus Castleという古城で女性の死体が発見されたという報告を受ける。現場に到着した彼はまるで密室のような死体発見の状況に戸惑う。

死体が発見された城の出入り口は正門のみ、城の管理人は場内に見学者がいないことを確認した後、夜6時に正門を閉め、さらに夜10時に城内を見回りし不審者がいないことを確認していた。しかし、今朝、城内を見回った管理人は、内庭に頭部挫傷した女性の死体があるのを発見し、警察に通報、Lawsonが駆け付けるまで正門を閉じていたと証言する。

死亡した女性はロンドンのフィナンシャルタイムズの女性記者Lily Bigelow。鑑識によると女性の死亡時刻は深夜。Duffyは彼が到着する前に正門から出入りした人間はいないことを確認した後、場内を警察犬も使って徹底的に探索し、誰も潜んでいないことを確認する。彼は、彼女は昼間見学者として入り、管理人の目を逃れてどこかに隠れ、深夜、城の屋上から飛び降りた考え、彼女は殺されたのではなく自殺したと断定する。ただ、死亡時、靴の履き方が間違っていること、遺書が書かれていると思われる彼女の手帳が発見されていないことに違和感を持ちながら。

やがて、彼の違和感が現実の問題となる。死体を調べた臨床医は、死因は墜死ではなく頭を殴打されたことに因る暴行死であり、彼女は殺された後、殺人者によって自殺とみせかけるために城の屋上から落とされたいう報告書をDuffyに送ってくる。

殺人者はどのようにして現場から消えたのか?城内は彼ら捜査員が事件後くまなく捜索して誰も隠れていないことは確認していた。彼は正門 の出入りがわかる監視カメラの映像を再チェック、誰も出入りしていないことを確認する。彼は、彼女を殺すことができるのは、城に居住する管理人の男しかあり得ないという結論に達し彼を逮捕し、検察庁へ送る。

しかし、管理人が犯行を頑なに否定し、司法取引にも応じない態度を見て、彼は彼の犯行について疑念を感じ始める。彼はかって密室殺人を解決した経験がある。もし、これも彼が殺人者でないのなら密室殺人になる・・・どのようにして殺人者は彼女を殺して出て行ったのか、彼は、再度、密室殺人のトリックについて挑む決心をする。そして、何故、彼女を殺されたのか?殺害の動機は何か?彼女の交友関係、仕事関係についての捜査を始める。そして彼は、彼女が読者の匿名の情報を基に、上司には内密にして、北アイルランドで行われている会社役員や政治家による児童買春についてのセックススキャンダルを取材していたことを突き止める。密室の謎が解けないままに、彼は彼女の取材メモに書かれたセレブたちに会い事情聴取を進めていく。そんな彼に政府上層部から捜査を止めるよう圧力がかかってくる。

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仕事中でも一杯やるほど酒を愛し、振られた女性に未練を残しながらも捜査中に出会った女性をデートに誘おうとする女好き?なんとも愛らしいキャラと思うと、刑事としての捜査に対する情熱はすごい。気になることは徹底的に検討する。自分ばかりでなくMcCrabban(Crabbie) Lawsonの二人の部下の意見も聞きながら納得するまで。

城の門を閉じたら密室になる場所での殺人。どういうトリックか興味をもっていたが、警察犬などを投入して、城には管理人以外誰もいない完璧に密室状態だということは証明したが、肝心の密室トリックの証明、事件の終わり方はがっかり。

E-book(Kindle版)★★★ 345ページ 2016年5月 692円(2017年購入)



ホームレス刑事登場 The Late Show by Michael Connelly

2017-08-27 13:41:00 | 読書感想

午前12:41、傷害事件が発生したという報せを受け、LAPDの夜勤専門の刑事Ballardと相棒のJenkinsは被害者がいる病院に向かう。被害者は ,女性に性転換した男娼、名前はRamona RamoneまたはRamon Gutierrez。瀕死の状態でSanta Monicaの駐車場で置き去られていた。現在、昏睡状態にある彼女(?)は現場に駆け付けた警官に襲った人物には心当たりがないが襲われた場所はupside-down houseと意味不明な答えをしていた。

Ballard は被害者の受けた傷害の様子を写真に収める。被害者は頭蓋骨にヒビを持つほど強打され、顔は腫れ、さらにブラスナックルによる殴打の跡が腹部に数か所、残されていた。また手首の傷跡から被害者は数日拘束されて殴打などの暴行を加え続けられていたことを知る。彼女は拘束して何日も拷問を加え続けた冷酷非道な犯人の仕打ちに怒りを覚える。彼女は報告書を書いて担当部署に回しても、昼の刑事たちは男娼の傷害事件に関心を持たずに報告書は机の隅に積み上げられて忘れられてしまうと主張し、自らこの犯人を捕まえたいと望むが相棒のJenkinsに拒否される。

病院から署に戻ろうとしたBallardはDancersというナイトクラブで銃撃事件が起こり、多数の犠牲者がでたという連絡を通信指令から受ける。そして彼女に犠牲者の1人が病院に緊急搬送されるので事情聴取できるかどうか治療現場に立ち会うよう命令される。しかし、病院に運ばれてきた女性は手当てのかいもなく死亡する。彼女は女性の死亡と証言が得られなかったことについての報告を行うため事件現場に向かうが、事件の捜査主任がRobert Olivas警部と知り、直接の報告を躊躇する。Olivasは、2年前、彼女がセクハラで告発した相手であった。そんな時、Olivas自身から女性についての問い合わせの電話が来る。彼女は犠牲者の死亡報告をし、事件への捜査協力を申し出るが即座に拒否される。しかし、彼女が犠牲者の身元確認を申し出るとしぶしぶ許可される、誰もが嫌がる親族への連絡を条件に。ただし、それ以上捜査に介入しないように命令される。

彼女は相棒がいない一人勤務の時、勤務時間より早く署に着き、勤務が始まる前の時間を利用してRamon の事件の捜査をはじめる。彼女は、凶器であるブラスナックルとupside-down houseという言葉をキーワードにして、警察の犯罪データベースからヒットするものがあるかどうか調べる。やがて彼女は、データベースから、売春のおとり捜査中、ブラスナックルを所持していることで捕まった男がいることを突き止める。彼の住所を調べ、ストリートビューで彼の家の外観を見た彼女は自分の発見に興奮する。

さらに事件の捜査を続けようとしている時、彼女はかって5年間パートナーだった刑事が射殺されたという知らせを聴く。彼女は、上司をセクハラで告発した時、彼に裏切られたことに未だに怒りを覚えているが、刑事としての彼の優秀さ、彼から捜査についてのノウハウを教えてもらったことなどを思い出し、捜査の手助けができないかと考え、彼の家に向かう。しかし、捜査担当のOlivasから彼の死はナイトクラブの殺人と関わっているとして、拒否される・・・さらに彼から捜査に関与しないよう命令される。

しかし、彼女は上司の命令を無視して、バッジに喪章をつけて Dancersというクラブの銃撃事件について上司や仲間に感知されないよう注意しながら密かに独自の捜査を開始する。

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今まで、刑事というものは事件が発生すると真夜中でも電話があると現場に駆け付けるものだと思っていた。こういう制度(夜勤専門の刑事)があるのは初めて知った。

それにしても、彼女の単独行動にひやひやドキドキ。ただでさえ、上司から睨まれているので、何か失態を冒したら確実に首になる可能性が高いと思われるのに違法すれすれのことを度胸よくやっていく。また行動が早い、容疑者に前科があると分かると、逮捕した時の刑事から情報を得たり、容疑者の仕事、住所を素早く調べ、即その場所へ向かう。

Renee Ballard

年齢

住い 海辺のテント(警察には祖母の住所を届けている)

彼女がRHDから左遷された理由

上司のセクハラを告発したが却下され、逆に左遷され11時から7時までのLate Showと呼ばれる夜の勤務に異動させられる。

彼女の仕事(深夜勤務)

彼女は、昼勤務の刑事たちが帰った後に警察にかかってきた110番通報があった事件の現場に向かい、通報されたことが犯罪であるかどうか判断し、犯罪と分ったなら初動捜査を行い、報告書を書き、彼女は事件担当から外れる。その報告に基づき、窃盗事件は窃盗担当の刑事、強盗殺人の事件は殺人担当の部署の刑事たちに回され、昼の刑事たちが事件の捜査し犯人を逮捕する。彼女はみずから犯人逮捕までしたいと望んでいるが職務上できない。

彼女が刑事になった理由

ハワイ大学のジャーナリスト専攻を卒業した後ジャーナリストになるが法廷記事を書くためレイプ殺人の裁判を傍聴している時に、彼女は犯人に対する怒りを覚え彼らを逮捕する刑事になることを決心する。

彼女が刑事を辞めない理由

犯人を突き止めた時の興奮


E-book(Kindle版)★★★★ 405ページ 2017年7月出版 958円(2017年8月購入)



the Woman in Cabin 10 by Ruth Ware

2017-08-20 15:02:29 | 読書感想

イギリスの旅行雑誌の記者Laura Blacklock(Lo)32歳、酔って家に帰って寝込んでしまった彼女は自分が戸締りをきちんとしたか覚えていない。早朝4時、飼い猫によって眠りから目覚めた彼女は家に忍び込んでいた泥棒とばったり会ってしまう。泥棒は彼女を寝室に閉じ込め家捜しを始める。彼女は泥棒が彼女に害を加えるのではないかと思い、寝室のドアを開けられないように恐怖に震えながらも、ドアの取っ手を両手で抑え、彼がそのまま立ち去ることを願って、じっと彼の行動に聞き耳をたてる。そして、翌日、錠前屋に鍵を付け替えさせるが、泥棒は同じ家に繰り返し入る可能性が高いと彼に言われ、また泥棒が侵入することを心配して、何度も何度も戸締りのチェックをするが、不安から夜寝付けなくなる。

そんな寝不足な中、彼女は、上司の女性が産休のため、初めて豪華クルーザーの処女航海のレポートを任せられる。普段は記事の編集に携わっていて、観光地などを訪ねる取材などはしたことがない彼女は、昇進のチャンスと思ってこの仕事に張り切る。乗船初日、晩餐会に参加するための身支度を整えようとした彼女はマスカラを持参してないことに気付き、隣の10号室の若い女性からマスカラを貸してもらう。

晩餐会で他の参加者との交流を心がけょうとしたがうまく立ち回ることもできずに、いたずらに深酒をしてしまった彼女は部屋に帰るとすぐに寝入ってしまう。深夜、何かの音で目覚めた彼女は、隣の10号室のベランダの戸が開き、人間が海に落ちたようなスプラッシュ音を聴く。様子を窺いにベランダに出て、隣の10号室のベランダを覗き込んだ彼女は、ベランダの手すりに血の痕のようなものがついているのを発見する。彼女は何者かが死体を海に投げ込んだと思い、自分が殺人の目撃者であることに恐怖に震えながら、直ちに船のスタッフに連絡する。しかし、やってきた警備スタッフの男に事情を説明してベランダの血痕を見せようとした時、彼女はベランダに血痕が付いていないことに唖然とする。さらに10号室に向かった彼女はその部屋が使われた痕跡がないことに呆然とする。彼女はこの部屋には若い女性がいたと主張し、彼女から借りたマスカラを証拠として見せるが、警備の男は明らかに彼女の証言に懐疑的な態度をみせ、10号室は誰にも使用されていない空き部屋だと告げる。

翌日船内のすべての乗員、スタッフに会った彼女は、彼女のあった女性が船内の何処にもいないことを知る。さらに彼女は警備担当の男から、彼女が当時相当酔っていたことや彼女が精神安定剤を常用していることなどを指摘され、彼女の目撃談は彼女の妄想であると暗に指摘される。

彼女は10号室の女性は殺されて海に投げ落とされたと確信し、この船には殺人鬼がいるという事態にうろたえる。そして、誰も10号室の女性の存在、彼女が殺されたことを信じない時、唯一の目撃者である自分が次に殺されるのではとパニックになりながら、自らの身を守るためにも殺人者がだれか突き止めようとする。

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史上最弱なヒロイン。超怖がり屋、不安神経症  閉所恐怖症、恐怖に怯えてすぐ泣く アル中気味。 酒を飲むと翌朝の目覚めが悪い、深酔いすると何があったか覚えていない。そのたびに酒はもう飲まないと決意するのだが・・・・心配事を紛らわすためについ飲んでしまう。自分に起きた出来事、たとえば泥棒に会った恐怖、恋人との喧嘩などについて何度も何度も頭の中で繰り返し思い返しては、その恐怖や後悔に頭がパニックになる。

そんな人間としても記者としてもダメ人間であるヒロインが直面する事態に怯え、泣きながらも事態を打開しようと奮闘する姿に引き付けられて最後まで面白く読めた。プロットもよくできていて、物語の最後もにやりとさせる終わり方でよかった。


E-book(Kindle版)★★★★ 345ページ 2016年6月出版 1033円(2017年8月購入)



The Do-Right by Lisa Sandlin

2017-08-09 19:24:49 | 読書感想

Winner of the 2015 Dashiell Hammett Prize and 2016 Shamus Award

Amazonの本の紹介では、私立探偵のTom Phelanは行方不明になった少年を探しだす過程でシリアルキラーの隠れ家を発見するとか、14年前、彼女の働く店に父と息子の二人組の強盗が押し入った時、Delpha Wadeは彼女をレイプした息子を殺すが、父親は逃がしてしまう。そして、今、彼女は逃走した父親と遭遇するとある。この紹介を読んで本を購入した僕は、シリアルキラーが自分の存在を知った二人の命を狙い始める、または息子の仇を討とうと父親が彼女を狙う・・そういう緊迫した場面が続くのを期待したのだが・・・・・物語の進行に、そんな緊張感は皆無で拍子抜け。著者は短編小説を書いていたようで、長編はこの作品が処女作だそうだが、背後にメインのプロットも薄く述べられていくが、4つの依頼事件を調査、解決していくという構成は4つの短編を読んでいる感じで略歴を知ると納得。ミステリーというよりは女性の人生を描いた文学作品のような気がする。

ただ、Delpha Wadeにはすごく惹かれるものがある。自分をレイプした男を殺したことで14年も刑務所に収監されていたというのは、随分不合理な判決のような気がして彼女の境遇に同情してしまう。Delphaは出所に備えて、刑務所で会計士の資格を取り、出所後、求人広告を見て会計事務の仕事を求めて面接を受けに行くが、前科があるということでことごとく断られる。しかし、彼女は保護観察官から教えられた通り、「会ってくださってありがとうございました。」と面接者に言って、いじけることなく次の面接に向かう、その姿は健気で応援したくなる。

やがて彼女がTom Phelan と出会い、職を得て、住いを得て、隣人、ボーイフレンドを得て、孤独だった彼女が徐々に社会の一員として復活していく様子は読んでいて心地良かった。

E-book(Kindle版)★★★ 306ページ 2015年9月出版 1876円(2017年購入)

【 あらすじ 】
14年前、18歳の店員Delpha Wadeは、オーナーが売上金を回収しに来るのを待っている時、父と息子の2人に襲われる。息子はナイフで彼女を襲いレイプするが、その時彼のナイフを手にした彼女は息子を刺す、オーナーの車を見た父親は息子を見捨てて逃走し、彼女は息子の息の根を止める。彼女は殺人罪で刑務所に収監される。今、彼女は仮釈放で出所する。二度と刑務所には戻らないと誓いながら・・・

28歳のTom Phelanは、 石油会社で掘削作業員として働いている時、左手の中指を事故で失くす。彼は、会社からの補償金を基にして探偵事務所を開業し、秘書を募集する。

出所したDelphaは、職探しを始めるが、刑務所帰りということから求人広告を見て訪ねた会社で悉く断られた後、彼女はparole officerの Joe Fordから紹介されたPhelanの探偵事務所に面接を受けに行く。Phelanが刑務所からの紹介状を戸惑いながら検証している時、事務所に依頼人が訪ねて来る。彼が依頼人と応対する暇を与えず、Delphaは依頼人に対して見事な対応をする。その対応を見たPhelanは彼女を雇うことにする。

そして、ウオーターゲート事件や石油危機など世間が騒然とする時、二人は石油産業の町、テキサス州Beaumontで人生の再出発の手段として探偵の仕事を選び、社会の闇の部分に入り込んでいく。


 The Forgotten Girls by Sara Blædel

2017-07-18 19:12:58 | 読書感想

デンマークの都市、RoskildeとHolbakの間にある森の中で中年の女性の死体が発見される。女性は誤って5メートルの崖から落ちたと思われ事件性はないと考えられた。女性は顔半分を覆う酷い火傷の跡があり身元はすぐに判明すると思われた。しかし、4日経っても警察は彼女の身元を確認できず、新設されたSpecial Search Agency(失踪人特捜班?)に身元の特定は任されることになる。

毎年、デンマークでは1600件の失踪が報告され、多くは、所在が発見されたり、死体として発見される。しかし、未解決の失踪人のうち5人のうち1人は犯罪に巻き込まれていることが警察の統計で明らかにされていることから、一年の期限付きで、未解決の失踪人を捜査する特捜班が新設される。新設された班の責任者に任命された元殺人課の刑事Louise Rickは、特捜班の存在の必要性が認められるかは、この一年にかかっているので彼女は何らかの成果を見せる必要があった。。彼女の最初の仕事は、Holbakの森の中で発見された女性の身元を突き止めることだった。


Louiseは女性の年齢を30〜50歳と推定し過去の失踪人届に該当者がいないか調べて行く。発見された女性には顏半分を覆うほどの火傷の跡があるという大きな特徴があり、マスコミに彼女の情報を公開したら、親族や隣人が連絡してくる可能性が高いと思われ、彼女は情報を公開して一般からの情報を求める。

その一方、彼女は死体が発見された現場の検証と死体を発見した森林作業員から事情を聞きに現場に向かう。彼女は事件現場に向かう途中、泣き叫んでいる乳幼児たちを発見し、彼らを保護するが、彼らを連れてきた保育士の女性が無残に殴打された上レイプされて殺されているのを発見する。Louiseは事故現場が近いことから、身元不明の女性とこのレイプ殺人と関連性を疑うが、女性は急斜面を滑り落ちて死んだことや急斜面の上に残っていた足跡は彼女のものしかなかったこと、衣服に乱れがなかったことなどから事件の関連性はないと思われた。

そんな時、女性を知っているという電話が入る。昔、精神障害者の収容施設Eliselundで介護士として働いていたという女性は発見された女性は彼女の顔の火傷の痕からLisemetteという名前で3歳の時にEliselundに入所してきたと伝える。そして入所した子供達を両親が訪ねることはなく子供達は’forgotten children’と呼ばれていたと話し、介護士たちは子供達の両親の名前を知る必要はなくLisemetteの両親の名前は分からないと話す。我が子が精神的障害があるとわかると親子の縁を切り見捨てる親に怒りを感じながらも、Louiseは、入所した時の記録が保管されていると思い、現在は収容施設からデイトリートメントセンターに変わった施設に向かう。

当時の資料を発見した彼女は女性の名前がLise Anderson、顔に受けた火傷は8歳の時に受けた傷で彼女には双子の妹Metteがいることが分かる。そして、Liseは31年前、18歳で死亡したという死亡証明書が添付されていることに愕然とする。死んだ女性は検死解剖の結果、火傷の痕ばかりではなく、判明した手術痕がLiseの資料と一致していることからLise本人に間違いなかった。だが、彼女は、はるか昔に死んでいたことになる、理屈が通らない結果に彼女は困惑する。さらに死亡証明書によると双子の妹も同日同時刻に死んでいた。彼女は、住民登録で双子の死亡が登録されているかチェックするとともに、Liseの両親の住所を突き止め、彼らが姉妹の埋葬を行なったことを確認しようとするが、Liseの父親は埋葬に立ち会っていなかったことを認める。

もし、死亡証明書が偽造さていたら、もう1人の双子もまだ生きている可能性がある。彼女は父親にMetteの失踪人届を提出させ、妹Metteの捜索に全力をあげる決心をする。

そんな中、Louiseは、森の中で最近続けざまに起きているレイプ犯とLiseがつながりが持っていたことを知る。

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事件の舞台はデンマーク。発音できない町の名前や人々の名前、それらの名と事件とを結びつけるのに戸惑ってしまった。また、双子の姉妹の名前Lise,MetteをLisemetteと一つにして呼んでいることにも違和感を覚えた。

精神障害のために親からも縁を絶たれ、世間と隔絶して生活している子供達(forgotten children)というテーマは、ユニークで非常に興味深く読ませてもらった。子供たちは誰も来ないゲートの傍で佇み、ひたすら誰か来るのを待ち焦がれている。子供達の孤独を感じてジーンとくる。

ヒロインLouiseのすこし軟弱なところは不満。事件の捜査中、昔、彼女に起こった悲劇的な出来事を知っている人間に出会ったとたん、意気消沈して、捜査を続行することができず、仕事を休んでしまう。

また捜査の手順が滅茶苦茶、事故死だと思われるせいかもしれないが。警察がこういう場合、こう行動するという捜査の常識があると思うのだが…例えば、女性について知っているという電話があった場合、その人に会いに行くのが捜査の常道だと思うのだがやらない。また姉妹の1人が生死不明というのにも関わらず緊張感も感じられなかった。


E-book(Kindle版)★★★ 307ページ 2015年2月出版 527円(2017年購入)





探偵は魔女 Witch is When It All Began by Adele Abbott

2017-07-02 13:43:42 | 読書感想

私はJill Gooder、25歳、 亡き 父親の事務所を引き継いで私立探偵を職業としている。  事務所を訪れた男達は私が若い女性だと知ると何かと理由をつけて、仕事を依頼することなくそくさくと立ち去ろうとする。私がまずしなければならないことは、私が有能であると話し、仕事を任せても大丈夫だと彼らを説得することだ。

今日、事務所を訪れたDanny Petersonも私が女性であることに戸惑っていたが、彼が立ち去ろうとする暇を与えず、私が依頼内容を聴くと、彼は婚約者が殺されたと言い、警察の捜査はあてにならないと話し始める。彼は 彼女を殺したのは今「Animal」とマスコミから名付けられたシリアルキラーであると主張し、私に捜査を依頼する。2か月前、Pauline Lyonという女性が殺される事件が起き、その後すぐ、Trisha Lambという名前の女性が殺される事件が起きる、どちらも名前にLyon(Lion?)、Lambという動物の名前が付いていることから二つの事件は関連しているとして、マスコミはシリアルキラーの存在を主張するが、警察はただの偶然だとして事件の関連を否定していた。Dannyは殺された婚約者の名前はCaroline Foxであると述べ、彼女はFoxという動物の名前がついていたから「Animal」というシリアルキラーに殺されたと断言する。私は、父が亡くなってから、主に浮気の調査や失踪人の調査をしていて、殺人事件の調査はしたことがなかった。また、今までこの町ではシリアルキラーは存在しなかった。犯人は動物の名前がついている被害者を選び殺しているというのは、あまりに不合理で、あり得ないと思うが、私は事務所の維持ということを考えてこの事件を調査することを快諾する。

そんな中、私は介護施設から電話を受ける。私の実母が危篤で、彼女が私に会いたがっていると。私は、生まれてすぐ養女として、今は亡き両親に預けられた。18歳になった時、私は養親の理解を得て、実の両親を捜そうとするが、実父は誰か分からず、母親には会うことを拒否される。私は 実母は、いつの日か、私が彼女に会いに行くのを待っていて、再び親子の絆を築くことができることを夢見ていたので 会うのを拒否されたのはかなりショックだった。そんな母親が死の間際に、何故、私と会いたいと言うのか?動転しながらも会いに行った私は、彼女が息を引き取る前に、私に言った言葉、『あなたは魔女だ。』という言葉に衝撃を受ける。。

 

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探偵小説の常道として、探偵が捜査情報を得る手段として知り合いの刑事とか事件記者から捜査状況を聴きだすということがよくある。そして、その情報を元に推理して犯人に迫って行く。Jillの場合は、捜査情報を得る手段とするのが魔法、こっそり捜査本部に忍び込み捜査情報を盗み見る。

一般人には行けない魔法使いや吸血鬼や狼男などが住む町や、Jillを狙う悪の権化、The Dark Oneの存在などハリーポッターのストーリーを思わせるけど、ヒロインが愛らしいので良しとしよう。姉のKathyが仕事の内容を聴こうとすると、依頼の内容を話すのは職業倫理に反すると言ってJillは拒否するが、Kathyがそんなこと言わずに、話しなさいと言うと、つい話してしまうなど、彼女とKathyのやりとりは微笑ましい。また、文体が心地良くスーッと読み終わってしまう、とくに彼女の礼儀正しい対応の裏にある本音が面白い。

 

E-book(Kindle版)★★★★ 208ページ 2015年8月 112円(2017年購入)