ニューヨークの大晦日、大金持ちのHunter Alden は、父親の主催するニューイヤーパーティーに出席していたが落ち着かない気分でいた。彼は息子のTripp から治安の悪いHarlemで車が故障したというメッセージを携帯電話に受け、急遽、お抱え運転手のPeter Chevalier を迎えに行かせる。しかし、メッセージを受けてから数時間経っても二人から何の連絡もないことに、彼は苛立っていた。パーティーから自宅に戻った彼は、ガレージの灯りがついているのを見て、息子とPeter が家に帰っていると思い、ホッとする。しかし、ガレージの中には迎えに行った車はなく、代わりに、血の付いた息子のカメラケースが置かれていた。そしてその中に切断されたPeter の首とメモ、Project Gutenberg について知っているというメモを発見する。彼は、Project Gutenberg を知っている人物がいることに戦慄を覚える。
新年の休暇を同僚の精神分析医Cheryl Robinson と楽しんでいたNYPD、REDのZach JordanはパートナーのKylie MacDonaldから電話を受ける。彼女は、ハドソン川沿いにある広大な公園Riverside Parkで首なし死体が発見されたと言い、死体はお抱え運転手の制服を着ており、近くに彼が乗ってきたと思われる大型高級セダンがあったことから、事件は、NY に住むセレブな金持ちの身体財産を守ることを目的とするNYPDのエリートチームRedの管轄であると話す。
現場に着いた彼等は、被害者は運転免許証からHunter 家のお抱え運転手、Peter であると知り、二人は雇用主であるHunterに会いに行く。彼等は、何故Peter が人気のない夜の公園にいたのか?疑問を持っていた。Hunter は、Peter は車が故障した彼の息子のTripp を迎えに公園に行ったと話す。二人は事実を確かめるためにTripp から直接、話を聞こうとするが、Hunter は、その夜、Trippから電話があり、彼はPeter と会うことができず友達に迎えに来てもらったと話していると言い、Tripp と彼らとの接触を拒否するそぶりを見せる。
Hunterの話の裏付けをとるため、Trippの車が故障したというHarlem に向かった二人はTripp の車が故障放置されている場所とPeter が殺された公園があまりに離れていることに違和感を覚える。さらに車が放置されていた場所の近くに住む老婦人からTripp ともう1人の少年が車に拉致されるのを見たという証言を得る。二人はその証言の信憑性を確かめるためにTrippの通う学校に行き、彼と彼の友人の二人が欠席していることを確認し、Trippが誘拐された可能性が高いと考える。そして、Hunterが彼らに息子の誘拐を告げないのは、誘拐犯が警察に誘拐を通報しないよう警告するためにPeterを見せしめに殺したためと推測する。
しかし、Hunterは頑強にTrippの誘拐を否定して、Peterの殺害とTrippの失踪を関連付ける彼らの捜査に協力することを拒否する。さらにHunterは警察の上層部に圧力をかけ、二人は上司のCates警部から、父親が息子の誘拐を否定している以上、Trippに関する捜査を中止するように命令される。そんな中、捜査の停滞と妨害に苛立つ二人に思いもよらぬ情報が入ってくる。
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プロットは二転三転、悪いのは誰だ?と戸惑うほどの複雑な展開、Hunter が怯えるProject Gutenberg は何なのか?と併せて、テンポよく物語が進み面白かった。
Redシリーズを読み続けたいと思うのはKylieとZachのキャラの魅力。二人のやりとりが今回も楽しませてくれた。特に、目撃者探しについての二人の知恵比べ?
"The widow in the window" 対 "sergeant at the front desk "理論、なかなか面白かった。そして、自分の理論が正しかったと分かった時のKylieの態度、原文で引用しておきます。
One of the life skills that Kylie has never seemed to master is the ability to not gloat.Humilility has never been her strong suit (P51ページより)
彼女はそこでまた警察学校時代、自分が首席で卒業したことをZachに自慢する。ちなみに彼は6番で卒業。なんとも愛らしいキャラ。
E-book(Kindle版) ★★★★ 409ページ 2015年3月出版 550円(2016年購入)