気軽に洋書ミステリー

家にいてもすることがないおじさんは考えました。このままではボケる。そうだ!好きなミステリーを英語で読もう!英語力???

NYPD Red3  by James Patterson

2016-07-15 19:30:17 | 読書感想

ニューヨークの大晦日、大金持ちのHunter Alden は、父親の主催するニューイヤーパーティーに出席していたが落ち着かない気分でいた。彼は息子のTripp から治安の悪いHarlemで車が故障したというメッセージを携帯電話に受け、急遽、お抱え運転手のPeter Chevalier を迎えに行かせる。しかし、メッセージを受けてから数時間経っても二人から何の連絡もないことに、彼は苛立っていた。パーティーから自宅に戻った彼は、ガレージの灯りがついているのを見て、息子とPeter が家に帰っていると思い、ホッとする。しかし、ガレージの中には迎えに行った車はなく、代わりに、血の付いた息子のカメラケースが置かれていた。そしてその中に切断されたPeter の首とメモ、Project Gutenberg について知っているというメモを発見する。彼は、Project Gutenberg を知っている人物がいることに戦慄を覚える。

新年の休暇を同僚の精神分析医Cheryl Robinson と楽しんでいたNYPD、REDのZach JordanはパートナーのKylie MacDonaldから電話を受ける。彼女は、ハドソン川沿いにある広大な公園Riverside Parkで首なし死体が発見されたと言い、死体はお抱え運転手の制服を着ており、近くに彼が乗ってきたと思われる大型高級セダンがあったことから、事件は、NY に住むセレブな金持ちの身体財産を守ることを目的とするNYPDのエリートチームRedの管轄であると話す。

現場に着いた彼等は、被害者は運転免許証からHunter 家のお抱え運転手、Peter であると知り、二人は雇用主であるHunterに会いに行く。彼等は、何故Peter が人気のない夜の公園にいたのか?疑問を持っていた。Hunter は、Peter は車が故障した彼の息子のTripp を迎えに公園に行ったと話す。二人は事実を確かめるためにTripp から直接、話を聞こうとするが、Hunter は、その夜、Trippから電話があり、彼はPeter と会うことができず友達に迎えに来てもらったと話していると言い、Tripp と彼らとの接触を拒否するそぶりを見せる。
Hunterの話の裏付けをとるため、Trippの車が故障したというHarlem に向かった二人はTripp の車が故障放置されている場所とPeter が殺された公園があまりに離れていることに違和感を覚える。さらに車が放置されていた場所の近くに住む老婦人からTripp ともう1人の少年が車に拉致されるのを見たという証言を得る。二人はその証言の信憑性を確かめるためにTrippの通う学校に行き、彼と彼の友人の二人が欠席していることを確認し、Trippが誘拐された可能性が高いと考える。そして、Hunterが彼らに息子の誘拐を告げないのは、誘拐犯が警察に誘拐を通報しないよう警告するためにPeterを見せしめに殺したためと推測する。

しかし、Hunterは頑強にTrippの誘拐を否定して、Peterの殺害とTrippの失踪を関連付ける彼らの捜査に協力することを拒否する。さらにHunterは警察の上層部に圧力をかけ、二人は上司のCates警部から、父親が息子の誘拐を否定している以上、Trippに関する捜査を中止するように命令される。そんな中、捜査の停滞と妨害に苛立つ二人に思いもよらぬ情報が入ってくる。

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プロットは二転三転、悪いのは誰だ?と戸惑うほどの複雑な展開、Hunter が怯えるProject Gutenberg は何なのか?と併せて、テンポよく物語が進み面白かった。

Redシリーズを読み続けたいと思うのはKylieとZachのキャラの魅力。二人のやりとりが今回も楽しませてくれた。特に、目撃者探しについての二人の知恵比べ?

"The widow in the window" 対 "sergeant at the front desk "理論、なかなか面白かった。そして、自分の理論が正しかったと分かった時のKylieの態度、原文で引用しておきます。

One of the life skills that Kylie has never seemed to master is the ability to not gloat.Humilility has never been her strong suit (P51ページより)

彼女はそこでまた警察学校時代、自分が首席で卒業したことをZachに自慢する。ちなみに彼は6番で卒業。なんとも愛らしいキャラ。

E-book(Kindle版) ★★★★ 409ページ 2015年3月出版 550円(2016年購入)

NYPDシリーズ
 NYPDRed  NYPD RED2


Tina Boyd

2016-07-06 22:05:05 | 女性探偵(刑事)

探偵、刑事

30代 独身

イギリス ロンドン市在住

自分の天職は刑事だと思っているが、法の順守が求められる職業であるにもかかわらず、法や警察の規則に従って行動しない。犯罪事件を解決するためなら、身の危険を予知しながらも、手掛かりを求めて犯罪者に接近しようとする。そのため、今までに、犯罪者に誘拐されたり、銃で撃たれたりしている。

また警察組織の一員であることから要求されるチームプレーを好まず、独自に捜査を行う傾向がある。そのため、一時的に刑事を辞め、自由に行動できる探偵になるが、また刑事に復帰するという行動を繰り返している。
また、犯人に対して必要以上の暴力を振るうとして上司と対立することがしばしばある。

The Black Widow 刑事時代、彼女の相棒は捜査中に 犯罪者から殺される傾向があることから彼女は、Black widow と陰で呼ばれている。誰も彼女と組むことを欲しない。

嗜好品 コーヒーと煙草は四六時中、欠かせない。一時、アル中で勤務中にこっそりウォッカを飲んでいた。

作者 Simon Kernick 

Tina Boydシリーズ
#1 The Crime Trade , #2 Relentless, #3 Deadline, #4 Target ,
#5 The Last 10 Seconds ,#6 Ultimatum , #7 The Final Minute


Final Minute (Tina Boyd7) by Simon Kernick

2016-07-02 19:20:07 | 読書感想

交通事故で重傷を負ったMatt Barron は3カ月後、意識を取り戻すが、以前の記憶を全て失っていた。彼は、行方を探していたという妹Janeに引き取られ、以前の記憶を取り戻すために催眠療法士のDr Bronsn の治療を受ける。彼は、Bronson に最近、彼が繰り返し見る二人の若い女性に関する悪夢について話す。彼は見知らぬ家にいて、寝室には全裸の若い女性がベッドで血まみれで死んでいる、さらに、玄関ホールでは、頭から血を流している半裸の若い女性が恐怖に怯えた目で彼を見つめている。これは夢なのか?それとも失われた彼の記憶の一部なのか?もし、これが現実に起こったことなら彼は殺人事件と関係があることになる。彼は自分の正体に恐怖を感じる。

そんなある日、二人の男女が彼らの住いを襲撃し、妹と看護士の男を拷問の上に殺す。プロの殺し屋と思われる彼らは、彼にJaneが彼の妹ではないと告げ、死体は何処にあるか答えるよう命令する。彼は彼と似ている点がほとんどないJaneが妹ではないという疑惑は持っていたが、死体は何処にあるという彼らの質問には戸惑う。拷問してでも聞き出そうとする彼らの態度に脅えながらも、彼は、一瞬の隙をついてその場を脱出する。

窮地を脱した彼は、行くあてもなく、通りに見かけたバーに入るが、そこで、たまたま目にした新聞記事に仰天する。そこにはTina Boydという女性探偵が失踪した若い女性の行方についての情報提供を求めている記事があり、行方不明の女性として載っている女性の写真は、彼が夢の中で見たベッドで死んでいた女性だった。

警察を辞めて探偵業を始めたTina Boydは、Mattという男から奇妙な電話を受ける。自分を殺そうとしている殺し屋がいるので、彼らが自分を殺そうとする理由を調べるのを手伝ってほしいと。彼女は、一度は、警察に相談するよう忠告するが、彼の懇願に負け会うことに同意する。
事務所を訪ねてきたMattを見た瞬間、彼女はMattと名乗る男が昔、一緒に仕事をしたことがあるSean Eganであることを知り当惑する。Seanは彼女の命の恩人だった。TinaはSeanが交通事故で記憶を失っていることや記憶を取り戻す治療を受けている時に起きた出来事を聞き、尋常ではない事態に彼が巻き込まれていることを知る。彼女は彼に警察か病院に行くよう勧めるが、彼は警察は自分の話を信じないと言い、以前、彼女の命を助けたことがあるならその借りを返して欲しいと彼女の助力を要求する。彼女は、彼の話に単調な探偵業務にはない、かっての刑事時代に感じていた興奮を覚える。また、彼女が行方を捜している女性の手掛かりを彼が持っている可能性を考え、彼の依頼を受ける決心をする。それは、彼女もまた殺し屋たちから命を狙われることになるのだが・・・

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一難去ってまた一難、殺し屋たちから逃げ切ったとホットする間もなく、すぐにまた殺し屋たちが背後に迫る。著者の作品に共通する息つく暇がない展開で面白かった。

Seanという男(「Last 10 Seconds」にも登場)、 窮地に陥っているのはわかるが、Tinaの助力を得るために、何かというと命の恩人だと強調するのは不快。また彼の経歴、元潜入捜査官という一面の他に強姦罪で刑務所に収監されていた性犯罪者という一面も持つ。二人の女性の殺害現場では善悪、どちらの彼がいたのか?最後まで緊張感が漂う。

男女二人組の殺し屋のキャラ、特に女性のキャラは魅力的だった。美人で近づく相手は皆、彼女に気を許す。情報を得るためには冷酷に拷問を繰り返す、それ以上情報が得られないと知ると迷わず殺す。即断即決、駆け引きがうまく、敵役として存在感があった。

TinaはSeanのことを警察に話さなくてはいけないと知りながら、彼のことを思ってワンテンポ遅らせて、かっての同僚Mike Boltに連絡する。そして、例によってバックアップを待てという彼の忠告を無視して、身の危険を省みず、一人犯罪現場に乗り込んでいく姿はかっこいい。

E-book(Kindle版) ★★★★ 392ページ 2015年1月出版   1195円