気軽に洋書ミステリー

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Dead Scared : Lacey Flint 2 by Sharon Bolton

2016-08-14 18:58:07 | 読書感想


イギリス ロンドンの北80キロ、ケンブリッジの1月
ケンブリッジ大学の学生心理カウンセラーのEvi Oliver博士は、ここ5年間で女子学生の自殺が19件、今年になってすでに3件の自殺が起きていることに異常を感じる。彼女は自殺を教唆している闇のグループが学内に存在すると確信し、その考えを大学時代の友人、ロンドン市警の警部Dana Tullochに話す。DanaはEviの懸念をSO10のトップに伝える。

ロンドン市警の刑事Lacey Flintは、上司の警部から警視庁の潜入捜査部門のSO10への出向を命じられる。そこで彼女は数ヶ月前に一緒に事件を解決したSO10の警部Mark Joesburyと再会する。Joesburyは彼女にEviの懸念を伝え、Laceyに女学生の自殺が相次いでいるケンブリッジ大学に学生として潜入することを命じる。彼は、女学生達は精神的な問題を抱えていたが、警察の捜査から自殺については疑いの余地がないと言い、自殺に見せかけた殺人の可能性については捜査する必要はないと話し、彼女に自殺志向のある精神的に脆い女学生に扮して、学生生活におかしなことがないか監視するよう命令する。

しかし、Laceyは、彼の忠告を無視して自殺した女学生達の捜査資料や自殺した現場、さらに渋るEviを説得して学生たちのカウンセリング資料を精査した結果、幾つかの不審な点を発見する。
自殺する前 彼女たちは悪夢に悩まされ、さらに、寝ている時に何者かが部屋に侵入しレイプされたと訴えていること・・・ただ、捜査した警察はレイプされた痕跡がないと彼女たちの訴えを取り上げなかったが・・・。また、身に覚えのないドラッグが、彼女たちの血液から発見されるなど。

そんな中、自殺について注意喚起したEviの周囲で次々と奇怪な出来事が起きる。侵入された痕跡がないにもかかわらず。クローゼットの中に骸骨の人形が置かれていたり、浴槽の湯が血の色になっていたり、浴室のミラーにI can see youと書かれていたり…。さらに、自殺した女学生の部屋に滞在することになったLaceyも自殺した女学生と同じように悪夢を見るようになる。

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自殺に見せかけて人を殺す、stagingというらしいが、よくミステリーで取り上げらるテーマだが、どれもいまいち僕を納得させるほどうまい手口に出会ったことがない。今回もナルホドと合点するには至らなかった。とは言え、Laceyが徐々に彼らの存在を明らかにしていくにつれ、彼らの逆襲が始まり緊迫した状態がどんどん大きくなっていき楽しく読めた。

ただ、最初にLaceyがピンチになるシーンから物語が始まる。そのシーンが来るのが分かっているのと、いきなりそのシーンに出くわした場合では読む側の緊張感が違うと思う。この冒頭のシーンは無かったほうが面白かったと思う。

自殺というテーマのせいか、全体的に暗い、重苦しい気分でストーリーが進む。LaceyとEviの孤立感。Laceyは警察という組織の一員であるにもかかわらず、何故か、孤立感が漂う。ただ、Eviが独りでいるときに感じる恐怖心が、あるものの登場によって癒されていくシーンは、読むほうをホッとさせてくれる。

E-book(Kindle版) ★★★★ 378ページ  2012年6月出版 500円(2016年購入)