気軽に洋書ミステリー

家にいてもすることがないおじさんは考えました。このままではボケる。そうだ!好きなミステリーを英語で読もう!英語力???

postulate

2009-06-30 21:00:30 | 英単語

 仮定する、前提とする

[ The Broken Window by Jeffery Deaver  P40より]

 (従兄弟のArthurは殺人罪で起訴されているが、ライムは彼が殺人事件を起こしたことを疑問に思い )

He thought to himself:  Let's postulate  that  he didn't do it . If not,then the consequences were significant..... (中略)  If Art was innocent ,then someone had gone to a great deal of trouble to set him up.


The Broken Window by Jeffery Deaver

2009-06-28 17:13:02 | 読書感想

かってライムも騙されそうになったきわめて狡猾な殺し屋 自称Richard Loganを罠にかけ逮捕しようとしているライムのもとにいとこのArthur  Rhymeが殺人と窃盗の罪で逮捕されたことが伝えられる。Arthurとは あることをきっかけに疎遠となっており Loganの事件を最優先として事件への関わりを拒否しようとしたが Arthurの妻から懇願され 事件について調べてみることを約束する。

事件を担当した刑事は 

Arthurが事件現場から絵を持ち出して車に積み込むのを見て その車種とナンバーを知らせてきた目撃者いること、

そのナンバーから彼が所有者としてわかり、その彼の車から被害者の血痕が見つかったこと、

事件現場から盗まれた絵画に彼が興味をもっていたこと、

また事件現場にあった靴の足跡やスナック菓子の残滓、シェービングクリームなどは 彼が使用しているものや愛用しているものであり、自宅にも同じものがあったことから ,

交際していた被害者から離婚して自分と結婚するように迫られたArthurが 盗みに入ったところを被害者に見つかり、やむなく殺した泥棒による犯行であるように見せかけ被害者を殺した殺人事件であるとして、犯罪の立証に自信を持っていた。

ライムは大学の教授をしていた従兄弟が 泥棒による犯行と見せかけようとしたわりには 盗まれた絵によって簡単に彼とのつながりが分かってしまうような犯罪を犯すことは考えられないとして すべての証拠は真犯人によって捏造されたものであり、Arthurを現場で見たと警察に通報した男が真犯人であると断定する。

そして 匿名の電話によって 本人は否定するにもかかわらず、動かしがたい証拠によって犯人とされた事件が すくなくとも他に2件あることがわかる。
 
しかし、証拠を捏造するには真犯人は、Arthurの靴のサイズやメーカ名、さらに彼が好きなスナック菓子など嗜好品のほか 彼が犯行時刻に人気のない公園でジョギングをしており アリバイが立証できないことなど事細かにArthurの生活を熟知している必要がある。

どこで真犯人が このような情報を得たのか疑問に思ったライムはやがて個人の買い物情報や税金の納付状況などをデータベースとしてコンピュータに保管して 個人の信用情報を売っているSSDという信用情報会社があることを知る。

犯人は このデータベースを利用してArthurに罪をなすりつけた可能性が高い、しかも このデータにアクセスできるのはSSDの社員の中でもごく限られた人間、ライムはこの中に犯人がいると考えて 彼らの犯行時刻のアリバイを探る。

一方、真犯人も彼の存在を捜査機関が知ったことに驚愕し、捜査本部長を誘拐して拷問し、ライムたちの捜査員の名前などの情報を吐かせる。そして、SSDのコンピュータでライムの捜査員仲間であるPulaski,Sellito,Sachsのデータベースにアクセスして 彼らを絶体絶命の罠に陥れていく。 

**** 感想 ******
犯人は The man who knows  everything  とライムたちから言われるほどにコンピューターを通じて個人の情報に精通している。

アメリカはカード社会だから 買い物にもカードだし高速道路もカードを使うし その使用履歴がコンピューターに記録される。その情報に官庁の税金の情報や犯罪の履歴なども入っていくと たしかに個人の情報はすべて分かってしまうかもしれない。

日本もネットで買い物をするにはカードだし、情報を得るにもカードを使う、買い物にはポイントカードを使うし それらをすべてまとめられたら 自分の生活情報が他人に知られてしまうようでちょと怖い。
ふだん 何気なく使っていたカードというものが どういう風に管理されているのか 読んでいてすごく気になってしまった。

さすがのライムもコンピュータの知識はあまりないようで、厳重にセキュリティが施されているデータに どうやって犯人がアクセスしているのかわからず NYPDからコンピュータ犯罪専門のスタッフの手を借りることになる。
が、犯人を特定するときは コンピュータは何の役にも立たない 最後は証拠が決めてだと啖呵をきる(?)ところにコンピュータに対する鬱憤晴らしを感じてしまった。 
 "The  goddamn computer wasn't  any help  so I turned to the evidence.  (P558より)

ちなみにタイトルの broken window は 90年代にニューヨークで実践された犯罪防止のための社会理論らしい?
ウィキペディアのここを参考にしてください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%89%B2%E3%82%8C%E7%AA%93%E7%90%86%E8%AB%96