第 5388回の「燃料電池の時代か」や第 5390回の「空気アルミニウム電池自動車」と今までのガソリンを焚いて走るクルマというイメージが変 わりそうな話題が続きました。
後は、バッテリーの革命が起きればいよいよ電気自動車になるかと思ってたら、何だか、とんでもない車が出てきそ うです。バッテリーには違いないのですが、ここでも何度も取り上げてきた第 4698回の「レドックスフロー電池」のような電解液を使ったバッテリーのようです。詳しくは書かれて いないので、どんなものかもう一つ分かり難いものがあります。
WIRED.jpより 2014.7.24 THU
長 寿命な「フロー電池」の革新的EV、 欧州で公道走行認可
革新的な「フロー電池」で走るEVが、 ヨーロッパで公道走行を認可された。開発したNanoflowcell社 によると、航続距離は最長600km、最高時速は350kmだ という。
革新的な電池システムを使用する電気自動車が、ヨーロッパの公道での走行を認可さ れた。
プレスリリースによると、Nanoflowcell社 のシステムは、4カ月前に開催された「ジュネーヴ・モーター ショー」で試作品が初めて公開されたが、今回、ドイツの認証機関TUV-SUD(テュ フズード)によって、ドイツの公道、ひいては欧州全体での公道使用が認められた。
Nanoflowcell社が開発したEV「Quant e-Sportlimousine」(クアントeス ポーツリムジン)は、独自開発した小型のフロー(流動)電池(イオンの酸化還元反応を溶液のポンプ循環によって進行 させて、充電と放電を行う電池)である、「nanoFLOWCELL」 を動力とする。
フロー電池では、2種 類の化学物質(通常は金属塩)が電池内の液体に溶けていて、膜で隔てられている。膜ではイオン交換が起こるが、液体 自体は混ざらない。電池の充電中は、電 気エネルギーによって、液体の一方で化学的還元反応、もう一方で酸化反応が起こる。電池の使用中には逆の反応が起こ る。
Nanoflowcell社によると、nanoFLOWCELLで はこのプロセスを非常に効率的にしたため電池を小型化でき、試作車の航続距離は最長600kmに なったという。
Nanoflowcell社は、同等サイズのリチ ウム電池の5倍の性能を発揮できると主張している。
QUANT e-Sportlimousine with nanoFLOWCELL® drive
速度面では、4人乗りのQuantの 最高時速は350km、0-100km加 速は2.8秒と予測されている。これらの予測は、1992年 に発売されたジャガー「XJ220」の最高速度を上回り、シェルビー・ スーパーカーズの「アルティメットエアロ」の加速に近いという楽観的な数値だ。「ザ・スティグ」(BBCのTV番 組『トップ・ギア』に出演している覆面のレーシングドライヴァー)によるテストドライヴが楽しみだ。
フロー電池には、顕著なメモリ効果(継ぎ足し充電したことで、放電中に、一時的な 電圧降下を起こす現象)を伴わずに、10,000回の充電サイクルを繰り返すことがで きるという利点もあるという。
「われわれには壮大な計画がある。これは自動車産業だけに留まる計画ではない」 と、Nanoflowcell社のイエンスペーター・ エレルマン会長は述べ、nanoFLOWCELL技術はエネルギー、海 運、鉄道、航空などの分野へ導入される可能性を持つと述べた。
クルマがスーパーカーのようなので電気自動車というイメージと違ってびっくりでした。こんな凄い車でなくてもっと安 価で長距離を走るEVの方が電池としてはインパクトがあるように思うのは私だけでしょうか。
テスラモーターズの ような方向を狙っているのでしょうか。そんなものは何時でも出来ると思われるので、やはり、このバッテリーを活かす大量 生産の大衆車を目指してほしいものです。
どうなるのでしょう!