アブラハム、初防衛に成功

先週末15日土曜日、ドイツで行われた試合結果です。
WBOスーパーミドル級戦：
王者アーサー　アブラハム（独）TKO8回2分11秒　挑戦者メディ　ボウドラ（仏）

＊比較的安易な挑戦者を迎えて行われたアブラハムの初防衛戦。このフランス人は昨年6月、ミッケル　ケスラー（デンマーク）に一蹴された選手です。

そんな挑戦者を相手に、相変わらず殻にこもったボクシングを披露したアブラハム。最初はガードの上を打たせ、反撃時はボウドラをあたふたさせる攻撃を披露。しかし6回、7回は挑戦者の頑張りに押され気味でした。

7回に右まゆ（？）を負傷した挑戦者。出血が見られなかったためダメージ度は計れなかったのですが、その怪我を理由に8回途中でギブアップを要請しています。

上限を見せた感のアブラハム。2階級目の王座の初防衛に成功しています。ケスラーや、カール　フロッチ（英）、アンドレ　ワード（米）と比べると、レベルが落ちる王者に見えてしまいます。

色々（12‐20‐12）

最近（2012年12月20日ごろ）のニュースです。

1）3月9日にニューヨークで再起戦を予定しているバーナード　ホプキンス（米）。試合を行うときには48歳になっています。ホプキンスはその試合で、IBFライトヘビー級王者のタボリス　クラウド（米）に挑戦するようです。

2）6月に僅差の判定ながらもマニー　パッキャオ（比）を破りWBOウェルター級王座を獲得したティモシー　ブラッドリー（米）。一時はIBFスーパーライト級王者ラモント　ピーターソン（米）を迎えて防衛戦を行うという話がありましたが、その後次戦の予定が立っていません。意外にもフロイド　メイウェザー（米）との一戦話が浮上するかもしれませんね。

3）半年間試合を行っていないブラッドリーですが、ピーターソンの最後の試合は昨年師走の対アミア　カーン（英）戦までさかのぼってしまいます。

4）クリチコ兄弟の対抗馬になりうる可能性の持ち主タイソン　フュリー（英）が今月1日、ビタリに挑戦経験を持つケビン　ジョンソン（米）と対戦し大差判定勝利（3対0：119-108x2、119-110）を収めています。

5）IBFスーパーフェザー級王者のファン　カルロス　サルガド（メキシコ）が2月23日、米国カリフォルニア州でアルゲニス　メンデス（ドミニカ）を迎え4度目の防衛戦を行います。両選手は昨年9月に空位だった同王座を争っています。その時はサルガドが僅差の3対0の判定で勝利を収めています。

6）9月に敵地に乗り込みIBFミニマム級王座を失ったヌコシナティ　ジョイ（南ア）。今月8日に地元で再起戦を行っています。ジョイはアルゼンチンのウォルター　ロハスを133秒で破りWBAインターナショナル・ミニマム級王座の暫定王座を獲得しています。暫定王座を廃止し、インターナショナル、インターコンチネンタル王座と統合すればいいと思うのですが、無理な注文ですよね。

7）今月12日にマルコス　マイダナ（亜）が保持するWBAインターナショナル・ウェルター級王座の初防衛に成功しています。マイダナはメキシカン、アンヘル　マルティネスを3回で仕留めています。

8）フェリックス　シュトルム（独）が2月2日、サム　ソリマン（豪）を相手に再起戦のリングに登場する予定です。

大竹、元王者を退ける

今月10日、後楽園ホールで行われた試合結果です。
日本スーパーバンタム級戦：
王者大竹 秀典（金子）判定3対0（96-95、96-94、97-92）挑戦者瀬藤 幹人（協栄）

＊中盤戦まで元暫定王者だった瀬籐がリードしていた一戦。7回に大ピンチに陥りますがその場は何とか凌ぎます。結局はその7回が運命の分かれ目となり王者が苦しみながらも初防衛を果たした形となっています。

ドネア、アルセを一蹴

先週末15日土曜日、米国テキサス州で行われた試合結果です。
WBOスーパーバンタム級戦：
王者ノニト　ドネア（比）KO3回2分59秒　挑戦者ホルへ　アルセ（メキシコ）

＊まさに一蹴という言葉が適した一戦でした。試合前、ドネアの勝利は不動も、もう少しアルセが食い下がると予想していたのですが．．．。

初回、アルセが中々の好スタートを切ったように見受けられました。2回のアルセのダウンも、ドネアが右ショートをコツンとあわせて奪ったもの。ダメージはそれほど感じられませんでした。

試合は3回で終わっています。まずは右クロスでこの試合2度目のダウンを奪ったアルセ。この回終了間際、左アッパー、右、最後に左フックを当て三度アルセをキャンバスに送っています。

圧倒的な強さで保持する王座の3度目の防衛に成功したアルセ。しばらく同級に留まるのでしょうか？それともフェザーに転向か？

試合後、即引退を発表したアルセ。多分カムバックしてくるでしょう。

コット、痛い連敗

今月1日、米国ニューヨーク州で行われた試合結果です。
WBAウェルター級戦（レギュラー王座）：
王者オースティン　トラウト（米）判定3対0（119-109、117-111x2）挑戦者ミゲル　コット（プエルトリコ）

＊結果は採点が示す通り大差なもの。私（Corleone）は118対110で王者を支持しました。

この試合、決してコットが悪かったのではなく、これまで一部の専門家以外では過小に評価されていたオースティンの真の実力を評価されるべきもの、だったように感じます。

体格でコットを上回り、スピード（ハンド・体全体）がありしかもサウスポー。一発に威力はなくも、よく手を出し、打ち合いにも決して負けていませんでした。終始コットは戦いづらそうでした。

来春にも予定されていたコット対WBC王者サウル　アルバレス（メキシコ）戦。いまだに決行の可能性はあるそうです。オースティンならカネロ攻略も可能でしょう。

4度目の防衛に成功したトラウト。かなりの長期政権が期待できる選手です。

5月のフロイド　メイウェザー（米）戦に続いて手痛い連敗となってしまったコット。まだまだ実力は落ちていません。巻き返しに期待しましょう。

これが世界王者同士の戦いか．．．

今月4日、大阪ボディメーカーコロシアムで行われた試合結果です。
WBAバンタム級王座統一戦：
レギュラー王者亀田　興毅（亀田）判定2対1（116-113、116-112、113-117）暫定王者ウーゴ　ルイス（メキシコ）

＊これが世界王者同士の統一戦ですか。最終12回をのぞき、この試合内容には失望しました。特に序盤戦、手数の少ない両選手はお互いに手の届かないところからパンチを出すのみ。興毅に批判が集まっているようですが、身長で10センチも上回り、KO率も85％もあるルイスの策のなさ、度胸のなさも攻められるべきでしょう。その体格を生かせば、勝利は難しくなかったと思うのですが。

一応は王座統一に成功し、5連続防衛に成功した形の興毅。4階級制覇より、二桁防衛を目指すべきでしょう。


スーパーバンタム級10回戦：
亀田　大毅（亀田）判定3対0（100-91x2、99-91）ジェームス　モコギンタ（インドネシア）

＊兄以上に停滞気味の大毅。2階級制覇失敗後の4連勝（2KO）に成功しています。


スーパーバンタム級10回戦：
亀田　和毅（亀田）KO4回1分23秒　レイ　ラスピニャス（比）

＊白星を順調に伸ばしている末弟。戦績を26戦全勝（17KO）に伸ばしています。

今週末の試合予定

2012年12月第3週末の試合予定です。

15日　土曜日
ドイツ
WBOスーパーミドル級戦：
王者アーサー　アブラハム（独）対　挑戦者メディ　ボウドラ（仏）

アルゼンチン
WBOスーパーフライ級戦：
王者オマール　ナルバエス（亜）対　挑戦者デビッド　キハノ（プエルトリコ）

米国カリフォルニア州
WBCスーパーライト級シルバー王座決定戦：
アミア　カーン（英）対　カルロス　モリナ（米）

IBFバンタム級戦：
王者ホセ　サンタ　クルス　対　挑戦者アルベルト　グエバナ（共にメキシコ）

米国テキサス州
WBOスーパーバンタム級戦：
王者ノニト　ドネア（比）対　挑戦者ホルへ　アルセ（メキシコ）


17日　月曜日
ロシア
WBAクルーザー級戦：
王者デニス　レベデフ（露）対　挑戦者サンタンデル　シルハド（コロンビア）


18日　火曜日
後楽園ホール
OPBF（東洋太平洋）フライ級戦：
王者ロッキー　フェンテス（比）対　挑戦者奈須 勇樹（角海老宝石）


19日　水曜日
後楽園ホール
OPBFスーパーフライ級王座決定戦：
フレディー　ムンドレバイ（豪）対　江藤　大喜（白井具志堅）


21日　金曜日
後楽園ホール
日本フェザー級戦：
王者天笠 尚（山上）対　挑戦者脇本 雅行（高砂）

日本ウェルター級王座決定戦：
高山 樹延（角海老宝石）対　斉藤 幸伸丸（輪島功一スポーツ）

金子が指名挑戦者をTKO

今月1日、後楽園ホールで行われた試合結果です。
日本スーパーフェザー級戦：
王者金子　大樹（横浜光）TKO6回2分17秒　加治木了太（大鵬）

＊以前からその才能を買われていた金子。今年5月に手に入れた日本王座の2度目の防衛に成功しています。これで王座獲得戦を含め、王座戦3連続KO（TKO）勝利を収めた事になる金子。来年の活躍が今から楽しみな選手ですね。

色々（12‐13‐12）

最近（2012年12月13日ごろ）のニュースです。

1）早くも実現が期待される「マルケス対パッキャオ」の第5戦目。早ければ4月20日に行われるかもしれないとの事です。

2）膝の手術に成功し、「マルケス対パッキャオ」パート4のリングサイドにも元気な姿で登場していたWBCミドル級王者のセルジオ　マルティネス（亜）。4月27日にアルゼンチンで予定している防衛戦の相手が、WBA暫定王者のマーティン　マレー（英）に決定しています。

3）WBCスーパーライト級暫定王者のルーカス　マッテューセ（亜）が来月19日、米国カリフォルニア州で初防衛戦を行います。挑戦者はこれまでライト級を主戦場にしてきたヘンリー　ランディー（米）。

4）同日、西海岸のニューヨークで注目のWBOフェザー級戦、オーランド　サリド（メキシコ）対ミゲル　アンヘル　ガルシア（米）戦が決行されます。

5）先月24日、フェルナンド　モンティエル（メキシコ）が同国人のジョバンニ　カロに苦しみながらも判定勝利（3対0：114-112x3）を収め、保持するWBCの北米スーパーバンタム級王座の防衛に成功しています。

6）先月26日、金　民旭（韓国）が比国のダン　ナザレノを2回で撃破。保持するOPBF（東洋太平洋）スーパーライト級王座の2度目の防衛に成功しています。

7）9月に1階級下のアンドレ　ワード（米）に挑戦し、いいところなく敗れ去ったWBCライトヘビー級王者のチャド　ドーソン（米）。3月23日にカナダに乗り込みジャン　パスカル（カナダ）との再戦/防衛戦に臨みます。

ケスラー、マギーを寄せつけず

先週末8日土曜日、デンマークで行われた試合結果です。
WBAスーパーミドル級戦（レギュラー王座）：
挑戦者ミッケル　ケスラー（デンマーク）TKO3回24秒　王者ブライアン　マギー（英）

＊マギーはこれが3度目のデンマークのリングに登場となりました。これまでに同国のルディー　マークセンとマッズ　ラーセンをそれぞれKO（TKO）に破っている“デンマーク人キラー”です。そんなマギーですがケスラーには歯が立ちませんでした。

丁寧な立ち上がりを見せたケスラー。マギーも決して遅れをとっていませんでした。しかし2回、ワン・ツーからの右ストレートをボディーに入れられた英国人。一発でキャンバスに送られてしまいました。その後ダメージを引きずっていたマギー。同回終了間際にもボディーでダウンを奪われています。

3回開始早々、今度はケスラーの左がボディーに炸裂しマギーが3度目のダウン。試合はそこで終了しています。

圧倒的な強さで王座に返り咲いたケスラー。この勝利により4度目の王座獲得（計5つ目のタイトル）を果たしています。“スーパーシックス”メンバー以外では勝利は無理でしょう。個人的にはアンドレ　ワード（米）への雪辱を期待しています。