DAISPO WORLD BOXING EXPRESS

今年もやってるやってる~

あの試合から30年(WBOジュニアライト級ほか:1994年3月5日)

2024年03月05日 05時16分25秒 | ボクシングネタ、その他雑談

今から30年前の今日にあたる1994年3月5日、米国で行われた試合結果です。
WBOジュニアライト級戦(現スーパーフェザー級):
挑戦者オスカー デラホーヤ(米)TKO10回終了 王者ジンミ ブレダル(デンマーク)

(バルセロナ五輪「アメリカ唯一の金メダリスト」が世界初挑戦)/ Photo: ebay

*まだまだ、1992年に行われたバルセロナ五輪「アメリカ唯一の金メダリスト」という名前がかなり先行している感のあった当時のデラホーヤ。世界初挑戦は、主戦場としていたライト級から一階級下げ、1990年代最大のマイナー団体だったWBO王座にターゲットを定めました。

プロ12戦目で世界の檜舞台に立ったデラホーヤ。彼の本拠地であるロサンゼルスのリニューアルオープンされたばかりのオリンピック・オーデトリアムは当然の如く満員御礼。地元のヒーローの世界初戴冠に期待を寄せられていました。

デラホーヤが挑戦したブレダルは、16戦全勝という数字だけ見ると大変素晴らしい戦績の持ち主。しかし如何せん、1994年のWBO王者といえばあくまでマイナー団体のタイトルホルダー。現在で言うならばIBOやWBF、もしくはOPBF(東洋太平洋)やWBOアジア太平洋といった地域タイトルと同レベルの選手です。アマチュアで223勝5敗というとんでもない記録を残したデラホーヤからすると、格下選手と言っていいでしょう。

敵地の大歓声に飲み込まれないようとするブレダルが、積極的に打ち合いに臨んだ第一ラウンド。しかしデラホーヤは、早々とサウスポー(左構え)のデンマーク人に見事な右を当て先制のダウンを奪ってしまいます。続く2回も連打からダウンを追加したデラホーヤ。その後、ブレダルも王者の意地を見せ必死の抵抗を見せるも両者の実力の差を埋めるには至らず。10回に3度目のダウンを喫したブレダルは、その回終了後にギブアップを申し出ています。

プロ12戦目で、順当にプロ初の世界王座を獲得したデラホーヤ。まだまだ線の細い部分もありましたが、キャリア前半のパフォーマンスとしては合格点を与えていいパフォーマンスを披露しました。

 

IBFスーパーミドル級戦:
王者ジェームス トニー(米)TKO4回1分3秒 挑戦者ティム リトルズ(米)

*当時、全階級を通じて最も優れたボクサーの一人として上がられていたトニー。実力は誰しもが認めていた選手でしたが、どちらかというと玄人好みな渋めな選手。そんなトニーを差し置いてメインイベンターを務めたデラホーヤは大したものです。

(当時の最強戦士の一人をセミに追いやったデラホーヤ)/ Photo: youtube

さて、いぶし銀のトニーが自身2階級目の王座の2度目の防衛戦に迎えたのは、24戦全勝という素晴らしい戦績の持ち主リトル。リトルズの戦績は数字だけでなく、内容も濃いもの。後のWBAスーパーミドル級王者フランク ライルズ(米)等の実力者たちに勝利を収めながらUSBAタイトルを4度も守ってきた筋金入りの実力者です。そんなリトルを相手に、トニーは会心のパフォーマンスを見せてくれました。

3回、偶然のバッティングで眉のど真ん中を切ってしまったトニー。リングドクターからは、試合ストップの勧告する受けてしまう大きな傷です。しかしトニーにとりそんな傷は何のその。それまで黒星はおろか、ダウンすらも喫したことのないリトルズをあっという間に倒し切り勝利。その巧さに加え、強さも改めて知らしめることに成功。

(強豪リトルズをあっという間に沈めたトニー)/ Photo: youtube

当時同級には、英国にナイジェル ベンやクリス ユーバンクと言った実力者が君臨していました。しかしトニーと比べると、両者とも大きく見劣った感が否めませんでした。ファンが望んでいたのは、一階級下のロイ ジョーンズ(米)との対決。トニーは一戦ごとに、そのドリームマッチに向け前進する事になります。

(まだまだ精悍だった当時のトニー)/ Photo: Quara

トニーの凄いところは、というか私(Corleone)の気に入っているところになりますが、世界王者としてもトップレベルの地位を既に築いているのも関わらず、頻繁に無冠戦(ノンタイトル戦)を行っていたということです。トニーはこの試合が行われた前年となる1993年2月に、アイラン バークレー(米)を破り世界王座に2階級制覇に成功しました。今回のリトル戦が2度目の防衛戦でしたが、バークレー戦からこのリトル戦の一年と半月の間に、トニーは何と6度ものノンタイトル戦に出場したということです。当時と今とでは、ボクシングの興行形態が違うかもしれませんが、現在のボクサーも見習うべきではないでしょうか。


コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« あの試合から30年(WBCミドル... | トップ | 永田、井上浩樹を返り討ち(... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ボクシングネタ、その他雑談」カテゴリの最新記事